瓦屋根・棟部の耐風改修 7寸丸1本伏せで葺き直し【愛知県半田市】

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の屋根・雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経ホームビルダー/日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 古い瓦屋根にお住まいの人。
  • 台風による被害を心配している人。
  • 瓦屋根のメンテナンスが気になっている人。
  • 瓦屋根から雨漏りしている人。

この記事で伝えたいこと

最近の異常気象による自然災害は心配ですね。

特に、巨大台風が大阪、千葉に上陸して、古い屋根では大きな被害が発生し、ブルーシート状態が長く続いてしまっています。

瓦屋根の場合、築20年以上の日本瓦屋根の被害が顕著です。避難生活やブルーシート生活を防ぐために、今からメンテナンスをして備えることも選択肢の一つだと思います。

瓦屋根の簡易な耐風改修をご紹介します。

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、工事の概要

屋根材:日本瓦屋根 棟部

旧工法(大回し工法)⇒ 7寸丸1本伏せ(耐風・耐震工法)で葺き直し

価格:棟1m当たり=約35,000円(足場、下地補強抜き)

工期:2日間

築年数:30年 棟の長さ12m

 

日本瓦屋根棟部 20年以上前は旧工法なので、耐風改修として、葺き直し!

雨漏りしていた現場で、瓦屋根も点検しました。

雨漏りの補修とともに、日本瓦棟部・旧工法について、棟部のみ耐風改修を行いました。

30年間、瓦屋根は全くメンテナンス・点検も行ってなかったそうです。

点検した結果、現状問題はないのですが、巨大台風が来ると棟瓦が飛散する可能性があることを伝え、この際だからと棟部のみ耐風改修していただきました。

その効果としては、

①耐風性が上がり、巨大台風でも飛散しない。

②(葺き土+しっくい)ではなく、南蛮しっくい・1種類となるので、今後、しっくいのメンテナンスが不要となる。

③7寸丸一本伏せにしたので、軽量化となった。

旧工法の棟部は、しっくいの塗り直しをするメンテナンスのタイミングで、耐風改修・7寸丸への葺き直しをオススメいたします!

 

耐風診断を実施

工事前の屋根の状態です。一見、全く問題ありません。

しかし、旧工法(のし瓦・冠瓦の外側を銅線で巻いているだけ)のため、巨大台風では冠瓦が飛散する可能性があります。

そこで、棟部の耐風改修として、7寸丸1本伏せで葺き直しをオススメしました。

お客様も今後、屋根の心配をしたくないとのことで、耐風改修することになりました。

耐風改修の手順

1.旧工法の棟を取り壊す

銅線を切って、古い瓦を解体します。中から葺き土が出てきますので、併せて撤去します。

葺き土の外側にある白いものが「しっくい」です。厚みは10㎜程度で、葺き土が雨で浸食されないようにする役割です。

葺き土としっくいの2層になっているので、経年でしっくいのはがれが発生します。

耐風改修では、なんばんしっくい1種類で施工するので、今後、表面がはがれることはなく、メンテナンスの必要がなくなります。

2.一番上側の桟瓦の下に入っている葺き土も取り除く

一番上の桟瓦の下の葺き土も取り除きます。

3.棟補強金物を取り付ける

耐風改修の肝となる棟補強金物を建物の躯体に留め付けます。

この金物を通して、瓦棟部と建物が一体に留め付けられます。

4.一番上の瓦を留め付ける。たるきを棟補強金物に留める。

一番上の瓦も釘等で野地板に留め付けます。

たるきを棟補強金物に留め付け連結させます。

5.桟瓦の上からたるき下までなんばんしっくいを塗る。

一番上の桟瓦の上に白色のなんばんしっくいを載せます。

雨水の浸入を防ぐポイントでもありますので、量、幅に注意します。

(葺き土+しっくい)の役割をなんばんしっくい1種類で行うため、しっくいのはがれが発生しません。

6.長寿ロールでたるきの劣化を防ぐ

たるきの上を長寿ロールでカバーします。

たるきの劣化を防ぐことで、巨大台風での冠瓦の飛散を防止して、棟の長寿命化が実現します!

7.7寸丸をたるきにパッキン付きビスで留め付ける。

最初に建物躯体に留め付けた棟補強金物、たるき、7寸丸が連結する形となります。

棟全体が一体化して巨大台風・巨大地震に耐えることができます。

8.耐風改修が完了!

耐風改修後の屋根です。

耐風改修のビフォー・アフター

工事前

工事後

旧工法の棟から7寸丸1本伏せの棟へ葺き直し完了です!

30年経過した屋根とは思えないほど、しっかりしているのではないでしょうか!

古い瓦屋根が気になる人は、まずは、耐風診断からどうぞ。

 

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