工事の概要
屋根材:洋瓦屋根(S形瓦) 棟部
旧工法(パッキンなし釘留め)⇒ 冠瓦1本伏せ(耐風・耐震工法)で葺き直し
価格:棟1m当たり=約20,000円(足場、下地補強抜き)
工期:2日間
築年数:20年 棟の長さ30m
洋瓦屋根棟部 20年以上前は旧工法なので、耐風改修として、葺き直し!
台風による被害が心配で、洋瓦屋根の耐風診断の依頼がありました。
急勾配屋根だったので、はしごからの診断となりました。
20年間、瓦屋根は全くメンテナンス・点検も行ってなかったそうです。
耐風診断した結果、棟部分は釘浮き(パッキンなし釘)が発生していました。(今後、新築での冠瓦はパッキン付きビスによる留め付けが義務化となります。)
軒瓦・ケラバ瓦はパッキン付きくぎで留め付けられていました。(軒部・ケラバ部は問題なし)
棟部に釘浮きが多数見られたので、巨大台風が来ると冠瓦が飛散する可能性があることを伝え、棟部の耐風改修を行いました。
その効果としては、
①冠瓦の耐風性が上がり、巨大台風でも飛散しない。
②(葺き土+しっくい)ではなく、なんばんしっくい・1種類となるので、今後、しっくいのメンテナンスが不要となる。
旧工法の洋瓦棟部は、しっくいの塗り直しをするメンテナンスのタイミングで、耐風改修・冠瓦1本伏せへの葺き直しをオススメいたします!
耐風診断を実施
冠瓦は釘浮きが診られました。
軒瓦はパッキン付き釘で補強してありました。
けらば瓦もパッキン付き釘で補強がしてありました。
軒部・けらば部はしっかり留め付けされていました。
棟部の耐風改修を行いました。
耐風改修の手順
1.旧工法の棟部を取り壊す
パッキンなし釘は、雨水を棟芯木へ伝えてしまいます。
冠瓦を取り外すと、棟芯木が出てきました。
くぎ孔部分は芯木の繊維方向へ割れが拡がっていました。
伝い水で芯木が腐り、釘の保持力が低下した状態となっています。
棟芯木の周辺は、葺き土としっくいの2層になっているため、経年でしっくいのはがれが発生します。
耐風改修では、なんばんしっくい1種類で施工するので、今後、表面がはがれることはなく、メンテナンスの必要がなくなります。
葺き土としっくいを撤去します。
2.一番上側の桟瓦を固定します。
一番上の桟瓦を釘で留め付けします。
3.棟補強金物に芯木を取り付ける
耐風改修の肝となる棟補強金物に棟芯木を留め付けて、この金物を通して、瓦棟部と建物が一体化されます。
4.桟瓦と棟芯木の間をなんばんしっくいで埋めて防水する
桟瓦と棟芯木の間をなんばんしっくいで埋めて防水します。
5.冠瓦をパッキン付きビスで留め付ける
冠瓦をパッキン付きビスで棟芯木に取り付けます。
令和4年1月から新築ではパッキン付きビスが標準工法となります。
6.長寿ロールでたるきの劣化を防ぐ
芯木の上を防水シート(長寿ロール)でカバーします。
芯木の劣化を防ぐことで、巨大台風での冠瓦の飛散を防止して、洋瓦屋根の長寿命化が実現します!
冠瓦をビス留めして完成です。
7.耐風改修が完了!
耐風改修後の屋根です。
耐風改修のビフォー・アフター
工事前
工事後
旧工法のくぎ浮きの棟からパッキン付きビス留めした冠瓦1本伏せの棟へ葺き直し完了です!
20年経過した屋根とは思えないほど、しっかりしているのではないでしょうか!
古い洋瓦屋根が気になる人は、まずは、耐風診断からどうぞ。
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