工事の概要
セメント瓦のズレ落ち F形瓦で葺き替え
工期:7日間
築年数:25年
セメント瓦のズレ落ち(隅棟部から雨水浸入) F形瓦で葺き替え
「屋根で瓦がズレ落ちそうだ。」とご相談いただきました。
伺ってみるとセメント瓦(モニエル)が瓦1枚分ぐらいズレていました。
同じ列の軒先側もセメント瓦がズレていたので、縦の方向に問題があると原因を探しました。
すると、セメント瓦の隅棟部に大きな隙間がありました。
そこから瓦の下に入った雨水が常に瓦桟木を濡らしていて、腐朽したと思われます。
セメント瓦(モニエル)は廃盤品となっているため、数十枚の補修用を集めることは難しいです。
また、瓦桟木が腐朽するほど雨が入っていると野地板も劣化している場合が多いです。
部分修理の中でも、比較的大きな修理となります。
踏み割れなどもあり、葺き替えも検討してもらいたい状況でした。
屋根の状況を説明すると、F形瓦による葺き替えを要望していただきました。
腐朽した野地板も交換して、防水シートは改質アスファルトルーフィングとしました。
F形瓦は耐震・耐風性が高いガイドライン工法で施工しました。
瓦屋根の葺き替えはガイドライン工法が必須です。
簡単に、工事の様子をご紹介します!
屋根の不具合
セメント瓦のズレ落ち
セメント瓦が瓦1枚分ぐらいズレ落ちていました。
同じ列の軒先はもう少しで屋根から落ちそうでした。
原因を探して、同じ列の上を確認すると棟瓦と面戸に隙間が発生していました。
雨が降るとこの隙間から雨水がセメント瓦の裏面に廻ってしまう状況です。
症状としては重症です
セメント瓦がこれほどズレ落ちると屋根としては重症です。
ズレ落ちの原因としては、セメント瓦を引掛けている瓦桟木が腐朽して、自重で落下していたようです。
この症状が起きる屋根はかなり雨水が浸入している屋根です。
そのため、部分補修も選択肢としてはありますが、セメント瓦の場合は葺き替えもありだと思います。
結果、お客様はF形瓦による葺き替えを選択されました。
葺き替え工事
セメント瓦のめくり
雨水浸入していた部分の棟瓦をはがしてみると中の木材も腐朽していました。
面戸が棟瓦より外側に施工されているため、雨を受ける形になっていました。
ズレた瓦の上には腐朽した瓦桟木が原型をとどめずに固まっていました。
セメント瓦の棟瓦中央部分は空間が開いているので、鳥の巣が良く作られています。
セメント瓦をはがしてみると、その下は防水シートの表面にも水が流れた痕があり、瓦桟木がボロボロになっていました。
瓦桟木の撤去
続いて、瓦桟木も撤去します。
防水シートの水垂がひどい部分の下は野地板が腐朽していました。
腐朽した野地板はその部分を新しく張替えしました。
新規防水シート施工
下地の野地板を確認したら、古い防水シートはそのままで、その上に新規防水シートを施工します。
瓦桟木、縦桟の設置
防水シートの上に縦桟、瓦桟木を設置します。
瓦桟木は瓦の寸法に合わせて、割り付けて設置します。
F形瓦の施工
F形瓦を軒先から横方向に葺いていきます。
このとき、施工要領書で定められた釘の長さ・太さを守って、必ず全数の瓦を留め付けることが耐震・耐風を担保する上で必須です。
棟部のカットした瓦も穴を開けて留め付けます。
棟補強金物を設置して、棟芯木を固定します。
棟補強金物は下地にしっかりと留め付けてあるので、棟瓦を棟芯木に留め付けることで、棟瓦も建物に固定されます。
瓦と棟芯木の隙間には、なんばんしっくいを入れて雨水の浸入を防ぎます。
冠瓦も全数留め付けて、F形瓦への葺き替えの完成です。
セメント瓦からF形瓦への葺き替えの完成
ビフォー
アフター
F形瓦は平で目立たないため、建物の和風デザインから洋風デザインまで対応できます。
粘土瓦に葺き替えしたことで、今後、セメント瓦で行っていた塗装メンテナンスを行う必要がありません。
維持管理費が大幅にかからなくなるので、セメント瓦で雨漏りして部分補修を検討している方は思い切ってF形瓦に葺き替えされることをオススメします。
また、耐震・耐風性の高いガイドライン工法で葺き替えることで、今後の自然災害に対しても安心です。
屋根・雨漏りに関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
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