天窓のエプロンって、どこまではがれると雨漏りするの?
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(カミセイ)のDr.神谷です。
先日、天窓のエプロンについてお問い合わせいただきました。
「天窓のエプロンがはがれているけど、雨漏りするの?」とご心配されてのお問い合わせでした。
エプロンの劣化による雨漏りも発生していますので、天窓のエプロンの役割などわかりやすく説明いたします。
天窓のエプロンの役割は?
天窓のエプロンは瓦やセメント屋根材など凹凸がある屋根材に使用されます。
天窓の軒先側に使用されます。
昔のエプロンは鉛製でしたが、ここ10年ぐらいからアルミ製に変わっています。
鉛やアルミの金属が使用されるのは、素材が柔らかく瓦の形状に簡単に合わせることができるからです。
では、なぜ凹凸がある屋根材に使用されるのかは、断面図で説明します。
(天窓メーカー:日本ベルックスのカタログより)
野地板のレベルを青点線で示していますが、天窓の軒先側では、野地レベルと瓦の表面の高さにギャップが生じます。
このギャップをうまく雨が溜まらないようにカバーする必要があり、素材の柔らかいエプロンが役立ちます。
天窓の位置と瓦の位置は屋根の大きさによって、毎回変わるため、エプロンの自由度が求められます。
エプロンの中はどうなっているの?
劣化したエプロンを交換したときの写真が分かりやすいので、この写真をもとに説明します。
天窓の軒先側の瓦端部を白い点線で示しています。
黒点線は通常の瓦と瓦の重なり幅(約70㎜)を表しています。
この70㎜の重なりがあれば、雨漏りを防ぐことができるので、エプロンと瓦の重なりはそれ以上必要となります。
この現場では、倍以上重なっています。
お問い合わせいただいたエプロンのはがれは瓦の重なり部より軒先側部分のはがれであれば、すぐに雨漏りすることはありません。
逆に、それ以上はがれた場合は、ある程度早めに補修する必要があります。
他の瓦屋根を見てみましょう。
こちらも平板瓦の天窓です。
エプロンは白点線まではがれなければ、大丈夫です。
こちらは日本瓦の天窓です。
上側の黒点線が瓦端部となります。
エプロンは70㎜以上は瓦と重なる必要あります。
昔は鉛製だったので、エプロンは厚み・重みがあり、強風でめくり上がることは少なかったと言えます。
現在のアルミ製は薄く・軽くなっていますので、接着剤等で瓦の表面にはりつけることで、めくり上がりを防いでいます。
ブチル系の接着剤は熱劣化することがあり、劣化すると強風でエプロンがめくれてしまいます。
エプロンがめくれて、重なりが少なくなるとやがて雨漏りが発生します。
天窓の雨漏り原因の一つと言えます。
まとめ:天窓のエプロンと瓦の重なりは70㎜以上は必要です!
天窓のエプロンについて、いろいろとご紹介しました。
ここ10年ぐらいのアルミ製は強風でめくり上がる可能性もありますので、台風後などは一度、屋根を観察されることをお勧めいたします。
狭小地や3階建てなどで屋根が見えない場合は、ドローンによる点検もありかもです!
屋根に人が上がると心配な方には、お勧めの点検方法だと思います。
逆に、エプロンがめくれたとしても、その下には瓦やルーフィングがありますので、すぐに雨漏りすることはありません。
慌てて、悪徳訪問販売リフォーム業者さんに引っかからないようにご注意ください!
何かあれば、写真など送っていただければ、確認いたします。
お気軽にお問い合わせください。
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