築36年の住宅の生活温度を測定しました!
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
実際に住んでいる住宅の温熱環境測定を行いました。
その3として、現在で築36年の木造住宅の測定結果をご紹介いたします。
仕様としては、以下の通りです。
・2階建て・無断熱住宅
・屋根材:日本瓦(土葺き)
・外壁:金属製壁材(土壁)
・小屋裏換気:換気孔はないが、隙間が多くスカスカ
いわゆる、昔ながらの土葺・土壁の和風住宅です。
天井断熱材は全くありません。室内と小屋裏の間は天井材があるだけです。
梁・柱・母屋も太く、立派な木材が使用されています。
野地板の雨漏り痕や木部劣化などは見られません。
測定結果
夏季
上のグラフは夏季の温度測定結果です。
外気温33℃の時
①小屋裏温度も33℃(昼間は外気温度と同じ)
しかし、小屋裏温度の最高温度は夕方となっています。
②小屋裏温度≒2階温度≒1階温度になっています。(外気温33℃より約5℃高い38℃です。)
土葺の蓄熱作用により、日射で暖められた瓦からの熱が土に蓄熱され、その後、放熱されるため、遅れて小屋裏温度が上昇しています。(ほてり現象)
小屋裏の熱は天井に断熱材がないため、そのまま2階、1階と伝わっているようです。
無断熱は暑いように感じますが、スレート屋根の住宅と比較すると7℃程度、低温となっています。
小屋裏換気は設置されていないのですが、隙間から自然な換気が行われています。
結果、熱がこもっていないようです。
冬季
上のグラフは冬季の温度測定結果です。
外気温<小屋裏温度となっている
スレート屋根のように、放射冷却の影響で小屋裏が外気温より低くなることはありません。
2階温度と小屋裏温度がほぼ同じになっています。
無断熱のため、冬季は外気温+3℃程度となっていて、寒い環境といえます。
まとめ:無断熱住宅は冬、しっかり暖房して寒さをしのぐ建物です!
昔の住まい方を考えてみると、夏は冷房なし(エアコンを使用しない)でも、ある程度暑くなく、冬は暖房(ストーブなどを使用する)で、寒さをしのぐには、理に適っている建物と言えます。
また、部屋内・躯体内も隙間が多く自然換気となっているため、開放型のストーブなどを使用しても、内部結露などの心配は少なく、木材の劣化がないと言えます。
しかし、燃費はかなり悪い住宅です!
さらに、現在のように、熱中症などもあり、冷暖房を使用する住まい方では、足元は冷え、頭は暑いと快適性には程遠い環境になります。
このような住宅は、使用されている木材などが大変立派であるため、居室部分の耐震・断熱改修は安全性・快適性を上げるリフォームの1つと思われます。
神清からのお願い
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