フラット35住宅仕様実態調査から見る屋根形状の傾向
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
先日、5年ぶりに住宅金融支援機構のフラット35住宅仕様実態調査報告が発表されました。(フラット35の設計検査を受けた新築一戸建て住宅・木造軸組工法の住宅に限る。)
その資料をもとに、屋根形状の傾向を調べました。
平成29年度屋根形状の比率
平成29年度の結果が出たのですが、3,000戸を調査した結果です。
第1位は切妻(きりづま)屋根です!(40.7%)
屋根と言えば、この切妻屋根を思い浮かべる人が多いと思います。
雨漏りや結露など屋根の不具合が発生しにくいこと、太陽光パネルを設置しやすいことなどが人気の理由だと思います。
しかし、5年前より7%減少しています。
第2位は片流れ(かたながれ)屋根です!(30.5%)
切妻屋根を半分にした屋根です。
5年前より、なんと驚愕(きょうがく)の11%も上昇しています!
屋根屋としては、お勧めできない片流れ屋根が急上昇とは、今後の雨漏り・不具合が心配です!
瑕疵担保責任保険会社の新築物件での雨漏り事故は、ダントツで片流れ屋根となっています。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください!
第3位は寄棟(よせむね)屋根です!(13.2%)
2面の屋根ではなく、4面の屋根が合わさった形状です。
今から約20年前の調査(平成11年度)では、半数以上が寄棟屋根でした。
それが、今では約8棟で1棟と激減しています。
これは、国の太陽光政策の影響を受けて、太陽光パネルが設置しにくい、寄棟屋根が敬遠されているためでしょう。
第4位は段違い(だんちがい)屋根です!(9.8%)
片流れ屋根が2段になっているような屋根です。
こちらは2階の部屋の天井を傾斜天井として、室内空間を拡げて、ロフトなどに利用しやすいために増加しているようです。
具体的な不具合事例は見ていませんが、片流れ屋根よりも不具合の発生しやすい屋根だと思います。
片流れ屋根のリスク+水平壁のリスクが加わるので、とくに、下屋根と水平壁との取り合い部分の雨仕舞(あまじまい)・下屋根の換気を注意してほしい屋根形状です。
この屋根も太陽光が設置しやすいので、増加しています。
残りの無落雪(むらくせつ)屋根は北海道で多い屋根で、私は詳しくないので割愛します。
次は陸(りく)屋根はです!(1.0%)
屋根が水平となっています。
屋根材ではなく、防水材で仕上げた屋根です。
最後に入母屋(いりもや)屋根です!(0.2%)
切妻屋根の妻壁の途中から屋根が出てきています。
阪神大震災前の和風住宅では、高級な屋根としてステイタスがあり、平成7年度では5%もありました。
平成7年度からの変遷を見ると、、
平成7年度からの変遷を見ると地震と太陽光政策の2つの影響を受けて、大きく様変わりしました。
地震に弱いイメージで、和風住宅屋根が減少し、入母屋屋根が絶滅寸前です。
また、太陽光パネルの設置を意識して、片流れ屋根・段違い屋根が急増しています。
合計すると40%となり、第1位の切妻屋根とほぼ同量です。
この傾向はまだ続くと思いますが、私は片流れ屋根・段違い屋根はお勧めしません!
雨漏り対策・結露対策をしっかりしないと数年後に、大量に事故物件が発生しそうで心配です。
まとめ:H29年度新築では、片流れ・段違い屋根が急増しています!
フラット35住宅仕様実態調査から屋根形状の傾向を読み取りました。
片流れ・段違い屋根が急増して、約40%を占めるまでになっています。
しかし、片流れ屋根は雨漏り事故が急増している報告もありますので、雨漏り・結露には十分に配慮してもらってください。
変更できるなら、切妻屋根にしてもらった方が安心ですよ!
わからないことだらけの屋根だと思いますので、何かありましたらお気軽にお問い合わせください。
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