瓦屋根の雨漏りで一番多いのは、谷部(たにぶ)からの雨漏りだと思います。
谷部って、はじめて聞く言葉かも・・・?
と思われた方も多いと思います。
屋根のこの部分を言います。
左の屋根面と右の屋根面が谷として交わる所のことを言います。
右・左から雨が集まってくるので、大量に雨水が流れる場所になります。
この谷部には谷板(谷の雨水をさっと流すために使用する金属板)を一般的に使用します。
遅れましたが、「屋根から人の笑顔を作りたい!!!」をモットーとして、創業150年三州瓦の老舗・神清(かみせい)のDr.神谷がこの谷板のめずらしい現象を見かけましたので、ご紹介します!
瓦屋根の谷部は雨漏りが多いです。
瓦屋根の谷部は銅製が多く使用されています。
上の写真の緑青色が銅製の谷板金です。(もともとは茶系の色だったのですが、経年で緑青色に変色しています。)
この谷部で雨漏りが多い原因は、ズバリ、谷板金に孔が開くからです。
この孔が開く原因としては、銅は比較的柔らかい金属であり、瓦から落ちる水滴・滴下の衝撃・摩耗と言われています。
屋根点検で谷板金のお話をすると時々、こんな事を聞くことがあります。
「うちは、谷はステンレス製だから雨漏りの心配はない!」
私もステンレス製なら安心ですねと話をしているのですが、実はごくまれに問題が発生することもあるのです。
ステンレス製の谷板金も孔が開く!
ステンレスと聞くと何を想像されますか?
キッチンのシンクなどはステンレス製が多いです。
錆びない金属というイメージではないでしょうか!
でもどんな金属と聞かれると言葉につまりますね。
そこで、ステンレスを調べてみました。
ステンレスという名前は、「錆びる、汚れる」という意味の「stain」と、「ない」という意味の「less」が合わさって、「錆びない」という意味の言葉だそうです。
素材的には、鉄とか、銅のようにもともとあるものではなく、鉄にクロムやニッケルなどを加えて錆びにくくなるようにつくられた合金鋼です。
錆びない金属ではなく、錆びにくくなるように加工された金属です。
なので、錆びることもあります。
ステンレス製の谷板金で錆びるとこんな感じです!
黒く焦げたように見える部分が錆びている状態です。
なぜ錆びたかといいますと、
ここに鉄くぎが落ちていたのです。いわゆる「もらい錆」によるものです。
ステンレスの表面に錆びる鉄くぎが長時間触れていることで錆がくっついてしまっている状態です。
そこを起点にステンレスの中に錆が進行していき、孔が開いてしまったのです。
どうすれば防げるの?時々点検すればいいのです!
じゃあ、どうすれば防げるのか?といいますと、
時々点検すればいいです。
ステンレス谷板金に孔が開くには、長い年月がかかります。
状況にもよりますが、2、3年で孔が開くようなことはありません。
屋根点検の時、「もらい錆」が発生していないか、ちょっと見るだけでいいのです。
ステンレスは無敵ではないので、ご注意ください。
まとめ:ステンレス製の谷板金でも「もらい錆」は弱点。時々屋根点検しましょう!
瓦屋根で雨漏りしやすいのは谷部です。
銅製の谷板金なら築20年~以降で、徐々に孔開きが発生します。
錆びにくいステンレス製の谷板金でもまれに錆びることがあり、「もらい錆」が弱点です。
屋根点検で、谷部は必ず点検してもらいましょう!
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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