目次
屋根材選びで迷ったら-ガルバリウム鋼板とスレートの比較ポイントとは?
軽い屋根材の代表格としては、ガルバリウム鋼板とスレートがあります。
屋根材選びで迷ったとき参考にしてほしい、ガルバリウム鋼板とスレートの比較ポイントを紹介します。
- 耐久性
- メンテナンス性
- 経済性
それぞれのポイントについて簡単に解説します。
耐久性
屋根材を選ぶ際は、耐久性が重要な比較ポイントとなります。
- 屋根材は建物の中で最も過酷な環境にさらされている
- 屋根材は直射日光、紫外線、風雨、1日の温度差などに耐える必要がある
- 建物が建つ地域の気候に適した耐久性が求められる
- 屋根材によって大規模改修までの寿命が異なる
- 屋根材の1日の温度差は、夏で55℃、冬で45℃と大きな温度変化に耐えている
- 風雨、雪、霜にさらされながらも、屋根材は雨漏りを防ぎ建物を守っている
- 建物の長寿命化が進んでおり、屋根材と建物の寿命に差が生じているため、屋根材の耐久性が重要である
屋根材には、夏の直射日光により最高温度80℃まで上がり、冬の放射冷却により最低温度は-5℃が2か月程度続く、建物の中で最も過酷な条件で建物を守っています。
建物が長寿命化となってきており、それに伴い屋根材の耐久性も重要視されてきています。
メンテナンス性
屋根材を選ぶ際は、メンテナンス性が重要な比較ポイントとなります。
- 屋根材は経年劣化するため、メンテナンスが必須となる
- 屋根材によって長期的なメンテナンス計画が異なるため、それを考慮する必要がある
- 屋根材の種類によってメンテナンス方法が異なり、費用や頻度を把握しておくことが重要である
- 屋根材によってトータルのメンテナンスコストが大きく異なる
- 建物は新築後も維持管理やメンテナンスが不可欠
- 屋根材は厳しい環境にさらされるため、劣化しやすくメンテナンスが必要となる
- 耐久性が異なる屋根材のメンテナンス計画を事前に立てて比較しておくことは有効である
新築中は理想の家造り・見栄えのいい設備に意識と費用を集中してしまいます。
しかし、実際には住みだしてから生活が重要となります。
住宅ローンを抱えながら追加で発生するメンテナンスコストは頭が痛いので、事前に把握しておきましょう。
経済性
屋根材を選ぶ際は、経済性(※)が重要な比較ポイントとなります。
※経済性とは、屋根材の初期費用(イニシャルコスト)とメンテナンスコストを含むトータルコストのことです。
- 新築時は初期費用に重点が置かれがちですが、メンテナンスコストが重要である
- 経済性を考える際には、イニシャルコストだけでなく長期間のメンテナンス費用も含めたトータルコストを考慮することが重要である
- 後々のメンテナンス費用が家計に影響するため、初期費用だけで選ばないことが賢明である
建築会社さんは新築を受注することに必死なので、新築後の維持費用についてまで比較説明することは少ないです。
また、住まい手も屋根にはあまり興味がないので、興味がない屋根にはお金をかけなくてすむように経済性で比較することは重要です。
屋根材選びのポイントについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
ガルバリウム鋼板とは?屋根材としての基本知識
屋根材の材料名であるガルバリウム鋼板の特徴について紹介します。
- 「ガルバリウム鋼板」はめっき鋼板の一種である
- 昔からある「トタン」や「ぶりき」といった、めっき鋼板の仲間である
- 耐食性・加工性・耐熱性に優れ、「トタン」より3倍の耐久性がある
- 「トタン」と同様に安価・軽量で、サビにくく改良されており人気が高い
20年以上前では、銅やアルミ・ステンレスに比べて安価な「トタン」が屋根材として使用されていました。
「トタン」は安価なのですが、約5年でサビが発生するので頻繁に塗装メンテナンスしなければならない屋根材でした。
そのため、「トタン」よりは少し高価ですが、耐久性が3倍改善された「ガルバリウム鋼板」が開発されてからは、「ガルバリウム鋼板」が金属屋根材の主流となっています。
ガルバリウム鋼板屋根材のメリット
ガルバリウム鋼板屋根材のメリットについて紹介します。
- サビに強い
- 耐久性が高い
- 軽量
- デザイン性が高い
それぞれのメリットについて簡単に解説します。
サビに強い
- トタン屋根よりも3倍以上サビに強い
- ガルバリウム鋼板は赤サビが発生しにくく、トタン屋根に比べて省メンテナンスである
耐久性が高い
- ガルバリウム鋼板はトタン屋根に比べて塗装メンテナンスの周期が長く、10~15年ごとに延びている
- ただし、ガルバリウム鋼板はステンレスほどの高耐久性はなく、メンテナンスが全く不要というわけではない
軽量
- 金属屋根材の一種であり、他の屋根材に比べて最も軽量である(約5㎏/㎡)
- スレート屋根や樹脂繊維セメント屋根材の重量と比較しても、ガルバリウム鋼板屋根材は1/4の軽さである
デザイン性が高い
- ガルバリウム鋼板屋根材の中には、いろいろな形状の種類があり、立平葺きや折板葺きは、フラットに近い緩やかな屋根勾配(5/100以上)に対応可能である
- 直線的なデザインだけでなく、アール状の屋根など多様なデザインにも適応できる
- 緩い勾配の屋根から急な勾配の屋根にも施工可能で、デザインの自由度が高い
ガルバリウム鋼板屋根材のデメリット
ガルバリウム鋼板屋根材のデメリットについて紹介します。
- 初期費用(イニシャルコスト)が高い
- メンテナンス費用が高い
- 雨音が響く
- 強風で飛散しやすい
- 保証のハードルが高い
- サビる可能性がある
それぞれのデメリットについて簡単に解説します。
初期費用(イニシャルコスト)が高い
- ほとんどのガルバリウム鋼板屋根の材工価格は、スレート屋根に比べると高い
- 断熱材付の横葺きは、瓦屋根よりも高い
メンテナンス費用が高い
- 塗装メンテナンスが必要で、メンテナンス費用が高い
- 耐用年数は30年であるため、30年で大規模改修が必要である
雨音が響く
- トタン屋根と同じ金属屋根なので、雨音が響く
- 1階の屋根に落ちた雨音が2階の窓から入ってくる
強風で飛散しやすい
- ガルバリウム鋼板立平葺きは長尺であり、耐風性能が求められる
- 経年により、屋根の周辺部(軒・けらば・棟)で雨水や結露により野地板が劣化するケースがある。野地板が劣化すると、くぎ・ビスの保持力が低下し、巨大台風で屋根が飛散するリスクが高まる
保証のハードルが高い
- ガルバリウム鋼板の屋根材には、サビや穴あきに対して10~20年の保証がついていることが多い
- ただし、保証の免責事項が多く、実際に保証を受けるには条件が厳しいことがある
- 瓦やスレート屋根と比較して保証期間が長いため一見安心に思えるが、保証の免責事項をよく確認することが重要
サビる可能性がある
- トタン屋根と比較すると錆びにくくはあるものの、水たまり・土埃・塩害・木材・電食などの影響により錆びる可能性がある
- 雨水や結露水がガルバリウム鋼板屋根の中に浸入すると乾きにくく、裏面がサビる可能性がある
ガルバリウム鋼板屋根材の特徴について詳しくはこちらの記事で解説しています。
ガルバリウム鋼板屋根の特徴とは?メリットやデメリット・費用を解説
スレートとは?屋根材の特徴と人気の理由
スレート屋根材の特徴について紹介します。
スレート屋根とは、セメント・骨材等に繊維素材を混ぜて薄い(5~6mm)板状に加工した屋根材です。
表面は塗装仕上げとなっており、カラーバリエーションが豊富となっています。
国内では50年以上の実績があり、化粧スレート(住宅屋根用化粧スレート)が住宅の屋根材としては主流の1つです。
スレート屋根材のメリット
スレート屋根材のメリットについて紹介します。
- 初期費用が安い
- シンプルなデザイン
- 耐久性は30年程度
スレート屋根材は新築時の初期費用がもっとも安価な屋根材の1つです。
シンプルなデザインであり、どんな建物にも合うデザインとなっています。
耐久性は30年程度であります。
スレート屋根材のデメリット
スレート屋根材のデメリットについて紹介します。
- 割れやすい(踏み割れ)
- 色落ちし、コケが目立つ
- メンテナンスが頻繁に必要
薄い板状の屋根材で屋根下地の強度が低い部分では、施工中の踏み割れが発生しやすくなっています。
表面の塗装が劣化して色落ちし、コケが目立ちやすい屋根材です。
美観を維持するためには、塗装メンテナンスが必要で、メンテナンスコストがかかります。
スレート屋根材の特徴について詳しくはこちらの記事で解説しています。
ガルバリウム鋼板とスレート-屋根材として【耐久性】が高いのは?
ガルバリウム鋼板とスレートの耐久性について紹介します。
- どちらも耐用年数は30年である
- スレート屋根は重さや衝撃で割れる可能性がある
- ガルバリウム鋼板は外力・衝撃で変形するが孔が開くこと少ない
- スレート屋根はサビることはない
ガルバリウム鋼板とスレートはどちらも耐用年数は30年で、大規模改修が必要となります。
スレート屋根はヒビ割れ、ガルバリウム鋼板はサビるという弱点があり、一長一短です。
耐久性に関しては同等とお考えください。
ガルバリウム鋼板とスレートー屋根材として【メンテナンス性】が高いのは?
ガルバリウム鋼板とスレートのメンテナンス性について紹介します。
- どちらも塗装メンテナンスが必要である
- どちらも30年で大規模改修が必要である
- リフォーム用として使用するには、ガルバリウム鋼板屋根材はカバー工法に適している
新築時の検討としては、どちらも10~年で塗装メンテナンス、30年で大規模改修が必要な屋根材で大差はありません。
リフォーム時のカバー工法に使用できるのは、ガルバリウム鋼板だけであり、その部分ではメンテナンス性が高い屋根材と言えます。
ガルバリウム鋼板とスレートー屋根材として【経済性】が高いのは?
ガルバリウム鋼板とスレートの経済性について紹介します。
- スレートはガルバリウム鋼板よりも比較的安価な商品が多い
- どちらもメンテナンス計画は同じで、10年ごとの塗装メンテナンスと30年で大規模改修が必要となっている
- 初期費用はスレートが安価で、メンテナンスコストは変わらないので、経済性が高いのはスレートである
初期費用の差分だけ、スレート屋根の方が経済性は安価となります。
リーズナブルな屋根材について詳しくはこちらの記事で解説しています。
ガルバリウム鋼板とスレートー屋根材として断熱性や防音性が高いのは?
ガルバリウム鋼板とスレートの断熱性や防音性について紹介します。
- ガルバリウム鋼板は金属であり、非常に薄いため、他の屋根材と比較しても最も断熱性や防音性は低い
- スレート屋根はガルバリウム鋼板に比べると断熱性・防音性とも優れている
- 断熱性・防音性を上げるための断熱材付のガルバリウム鋼板屋根材はありますが、スレートの2倍程度高価である
断熱性や防音性はガルバリウム鋼板がスレート屋根よりもかなり劣っています。
【まとめ】それぞれの特徴を比較して、自分に合った屋根材を選ぼう
軽い屋根材の中で人気な屋根として、ガルバリウム鋼板とスレートの屋根があります。
それぞれに一長一短があり、大きさ差はありませんので、自分に合った屋根材を選ぶことをおすすめします。
初期費用の安さで選ぶならスレートで、軽さ・緩い勾配の屋根やリフォーム用として検討する場合はガルバリウム鋼板となります。
どちらも30年で大規模改修が必要な屋根材ですので、メンテナンス計画をあらかじめ検討しておきましょう。
屋根材選びに迷ったら、屋根に詳しい専門業者に相談しましょう。
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