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モニエル瓦は「セメント系屋根材」です。
「モニエル瓦」は瓦とついていますが、セメント系屋根材です。
瓦とは、一般的には「粘土を焼いたもの」なので、まったくの別物です。
セメント系屋根材の分類
セメント系屋根材は4種類に分類できます。
コンクリート瓦・厚形スレート・石綿スレート・化粧スレートの4種類となります。
それぞれの特徴・商品とアスベスト(石綿)の混入有無について、ご紹介します!
コンクリート瓦・・モニエルはここに入ります!
コンクリート瓦は、セメント系屋根材ですが、押し出し成型方式(ところてんを押し出すようなイメージ)で造られるものをいいます。
セメント、細骨材の配合割合が1:3とセメント量が少なくなっていて、乾式製法と呼ばれ、海外からの製造技術を導入したものです。
商品としては、以下のものがあります。
モニエル瓦では「ホームステッド」、「センチュリオン」、「ニューシャプレ」などがあります。
クボタでは「パラマウント」、「パラシェイク」があります。
旭セメント工業では、「スカンジア瓦」があります。
これらは、アスベスト(石綿)が入っていません。
上の写真は、「ニューシャプレ」です。
これら商品は、厚みが15㎜程度あり、踏み割れ強度があるため、アスベスト(石綿)を混入する必要がありません。
1989年の屋根材商品紹介誌では、ノンアスベストとしっかり明記してあります。
つまり、モニエル瓦は無石綿商品です。
厚形スレート・・無石綿商品です。
厚形スレートは、セメント系屋根材で、モルタルを型に入れてプレスし固め、養生(ようじょう)後、表面に塗装して、造られるものをいいます。
大正時代から造られるようになったもので、当初はセメントと石綿を主材としていました。
しかし、戦中戦後にかけて、石綿の入手が困難となり、石綿を使わなくても強度が保てるように、製品の厚みを増していきました。
石綿スレートより厚くなったので、「厚形スレート」の名称となったそうです。
主原料にセメントと水(34%:66%)を使い、これを混合して水練りしたセメントモルタルを型に入れ成形するので、湿式製法と呼ばれています。
商品としては、下の表の4つ目以下となります。(上3つがコンクリート瓦)
上の写真は、「Victory」です。
プレス成型しているので、柄や水返しなどの形状がしっかりとしています。
生まれた歴史を考えるとわかりやすいのですが、厚形スレートも無石綿商品です。
石綿スレート・・2004年製造品までの商品です。
石綿スレートは、セメント及び石綿を主原料とした屋根材です。
セメントと石綿の配合割合(質量比)は、セメント85%に対して、石綿15%となっています。
商品としては、代表的なものを以下にあげます。
平形として、久保田鉄工のカラーベスト・コロニアル等、松下電工のフルベスト等があります。
波形として、積水化学工業のセキスイかわらU・セキスイかわらシティ等、松下電工のニューウェーブ等があります。
これらは、厚み5~6㎜と薄いため、アスベストによって、補強していたようです。
石綿スレートは、石綿含有商品です。
化粧スレート・・2005年以降の商品です。
化粧スレートは、2005年以降の商品です。
平形のカラーベスト・コロニアルを無石綿にした商品です。
カラーベスト・コロニアルの他には、パミール、ナチュール、ブルックなどがあります。
強度の補強材であった、石綿の混入を廃止したため、製品強度が低下して、踏み割れ・はがれ・剥離等の問題も発生しています。
化粧スレートは、無石綿商品です。
まとめ:「モニエル瓦」は調べましたが、やはり、無石綿商品です!
昔の資料から「モニエル瓦」が無石綿商品であることを確認しました。
セメント系屋根材で瓦のような厚み(約15mm)のあるもの「コンクリート瓦」「厚形スレート」は無石綿商品とお考えください。
セメント屋根材で、厚みが薄い(約5mm)ものは2005年以降は無石綿商品とお考えください。
それより前の厚みの薄いものは石綿スレートの可能性が高いです。
こんな基準で、セメント系屋根材の石綿有無を判断してください。
もちろん、瓦(粘土瓦)は焼成品のため、無石綿商品です。(念のため)
屋根に関して、お悩みのある方はお気軽にお問い合わせください。
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