瓦屋根の下はどうなっているの?
図解 屋根に関するQ&A
よく聞かれる屋根への質問にわかりやすくお答えしています。
「瓦の下はどうなっている?」とお施主さまからお問い合わせいただきました。
Q:瓦屋根の下はどうなっているの? ~Q034~
A:最近の瓦屋根の下地(野地板、防水紙)は耐風性能、防水性能を優先しているので、湿気が排出できない呼吸しない構成となっている。野地板には構造用合板、防水紙にはアスファルトルーフィングを使用しているため(ともに透湿抵抗が高い)、室内側からの湿気を逃がすことはできない。水分が野地合板に入ると乾燥しにくい構成である。小屋裏換気を使用すれば、50年程度は大丈夫であるが、100年程度を目指している長期優良住宅の屋根としては適さない。
近年の瓦屋根下地の構成
特に、瓦を留め付けている釘の本数は1棟あたり1500本以上あります。
それがアスファルトルーフィングに穴を開けているので、長期にわたり雨水浸入のリスクにさらされています。
釘穴からアスファルトルーフィングに浸入した雨水は、透湿抵抗の高いアスファルトルーフィングと構造用合板の間に滞留するため、排湿させることがむずかしく、野地合板の劣化要因の1つとなっています。
以前の瓦屋根下地の構成
一方、以前の瓦屋根といいますと、その逆で、排湿性の高い呼吸する下地となっていました。
室内からの湿気も野地板(幅板など隙間のある無垢板)を通過して、防水紙の役目となる・木を薄くスライスした木羽をつないだトントンも通過して、葺き土に到達します。葺き土で吸われた湿気は瓦の隙間から外へ排湿されてます。
まさに呼吸する屋根となっていました。
地域によっては、20年前まではこのような仕様となっていました。
問題点としては、土葺き工法のため重量が重くなり、耐震性に問題がありました。
また、釘留めなどを行っていないため、耐風性にも課題がありました。
土葺き工法ではない場合でも同様に透湿抵抗の低い仕様でした。
隙間の空いた野地板、防水紙に杉皮を使用することで、室内からの湿気を排湿することが可能となっていました。
耐震性、耐風性、防水性と排湿性、耐久性の相反する仕様となっていましたが、ごく最近では、
ホールレス工法というすべてを満たす工法も行われるようになってきています。
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