瓦屋根の旧工法(大回し工法)ってなに?
図解 屋根に関するQ&A
よく聞かれる屋根への質問にわかりやすくお答えしています。
「昔、日本瓦屋根はどうやって葺いていたの?」と一般の方からご質問をいただきました。
Q:瓦屋根の旧工法(大回し工法)ってなに? ~Q035~
A:昔、瓦屋根の棟部分(屋根の頂点)は冠瓦(かんむりかわら)、のし瓦、葺き土を銅線でくるむ工法が行われていた。銅線を大きく回すため、大回し工法と呼ばれている。葺き土の重みと粘着力と銅線のくるみで、耐風性はあった。しかし、巨大地震が来た時には、葺き土が割れ、冠瓦、のし瓦が脱落することがわかった。現在では標準的には施工されていない特殊な工法となるため、旧工法と呼ばれている。
日本瓦の棟部の昔の施工法。耐震性が乏しい。
大回し工法の断面図を見ますと、垂木、野地板という建物の躯体部分には、葺き土(ハッチング部分)でしか、接していません。
巨大地震の揺れで、葺き土が崩れるとその上の瓦は建物とのつながりがなくなるため、脱落してしまいます。
現在では、数々の耐震性のある工法が開発されて、施工されています。
瓦業界では、それを総称してガイドライン工法(耐震工法)と呼んでいます。
上図の①~④の問題点をすべて克服した施工法となっています。
大回し工法は耐震性に乏しいことがわかりましたので、住宅の定期点検で耐震性の高いガイドライン工法に改修をお勧めしています。
大回し工法かどうかは、屋根を地面から見上げることで簡単に確認できます。
上写真の青丸の部分が棟部であり、白⇒の銅線が見える場合は、大回し工法の可能性が高いと言えます。
見える場合は、瓦屋根工事業にご相談ください。(屋根工事業ではなく、瓦屋根工事業へ)
東日本大震災の時の棟(大回し工法)の被害写真です。
築後、何十年と問題はありませんでしたが、巨大地震によりこのような被害となってしまいます。
いつかくるかもしれない巨大地震前のメンテナンスをお勧めいたします。
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