築20年瓦屋根の屋根点検 屋根に登って目視検査しました!
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
最近は少しずつ、屋根点検=ドローンという話も出てきました。
ドローンが現れる前の屋根点検は、地上からの観察、もしくは、屋根屋が屋根に登って目視点検の2つでした。
もちろん、もっとも正確なのは、屋根屋が屋根に登っての目視点検です。
築20年の瓦屋根を屋根に登って目視点検した結果をもとに、
①屋根に登っての点検
②ドローンでの点検
③地上からの観察
上記、3つでの点検した場合の比較を行います。
築20年の瓦屋根はほとんど劣化していない
瓦屋根は、三州瓦のJ形(日本瓦)釉薬瓦で、色はマロンピンク色でした。
もちろん、瓦は焼き物ですので、1枚1枚に変色、褪色、変形、割れ、錆などの劣化は見られませんでした!
この屋根では、①の目視点検によって、3つの不具合が見つかりました。
その不具合の内容と、他の点検でも確認できるか?をご紹介します!
3つの点検を比較してみる
棟部・のし瓦が1枚脱落
赤丸部分で、棟部・のし瓦が1枚脱落していました。
現状では雨漏りは発生していませんでしたが、このまま放置しますと雨漏りの原因となります。(⇒補修は、ガイドライン工法で棟部の葺き直しをお勧めします!)
この屋根における施工方法は旧工法と言われて、耐震工法になっていませんでした。
そのため、このようなのし瓦の脱落が発生したと考えられます。
現状の耐震工法(ガイドライン工法)ですと、棟を跨いだ左右ののし瓦を銅線などで緊結していますので、このような脱落を防ぐ構造になっています。
②ドローンの点検で発見できたか?
ドローンの点検でも、この脱落は発見できます! (〇)
③地上からの観察で発見できたか?
地上からの観察では、この脱落を発見できるか微妙です!(△)
建物周辺が広く空いていないと観察できません。
桟瓦が1枚割れ
赤丸の部分で、桟瓦が1枚割れていました。
この状態ですと、雨が降れば必ず瓦下に浸入しています。
瓦下に下葺き材(防水紙)があるため、その部分が2次防水として機能し、雨水浸入を防ぎ、軒先から外へ排水するでき構造となっています。
この屋根は雨漏りは発生していませんでした。
しかし、下葺き材は経年劣化により防水性が低下していますので、このまま放置しますと豪雨などで雨漏りの可能性は高まります。(⇒補修は、桟瓦1枚の交換をお勧めします!)
また、この瓦の割れ方ですと踏み割れではなく、何か工具など硬いものが落下して割れたと推測できます。
②ドローンの点検で発見できたか?
ドローンの点検でも、この脱落は発見できます! (〇)
③地上からの観察で発見できたか?
地上からの観察では、この脱落を発見できません!(✖)
地上から屋根面はほとんど確認できません。
のし瓦の押し下げ(アンテナの足を設置したことによる)
赤丸部分のように、瓦を施工後、このようにのし瓦を押し下げますと、のし瓦を固定している土やしっくいに割れや亀裂が発生します。
この状態が長期に渡りますと、この部分も雨漏りを引き起こす要因となります。(⇒補修は、アンテナを取り付け直し、のし瓦を葺き直しします。)
②ドローンの点検で発見できたか?
ドローンの点検では、この押し下げは発見できません! (✖)
③地上からの観察で発見できたか?
地上からの観察では、この押し下げを発見できません!(✖)
地上から屋根面はほとんど確認できません。
不具合の原因は?
この現場の2つ目、3つ目の不具合は、屋根施工後、異業種である電気工事関係の方がアンテナ設置などに伴い、引き起こした可能性があります。
このような割れや変形は雨漏りの原因にもなりますので、点検・補修などは必ず瓦屋根工事業者さんにご依頼してください。
1枚の瓦を交換する補修費用は比較的安価(1枚:25,000円~)です。
割れに気付かずに放置して、雨漏り、屋根の木部の腐朽などへ発展すると補修費用は10倍以上に膨れ上がります。
人の健康診断と同じように、雨漏りリスクのある屋根も予防点検が必要と考えます!
まとめ:屋根点検は屋根屋が登るorドローンが有効です!
また、現在、中古住宅における建物調査の屋根点検の方法が議論されています。
③の地上から観察が屋根点検方法となっているホームインスペクター団体が多いですが、この3つの不具合を発見できる確率は低いと思います。
①人が登るか?もしくは②ドローンにより屋根面よりも高い位置から点検がすることが必要だと思います。
また、①は屋根屋と悪徳訪問リフォームの見極めが必ず必要です!
全く、知らない業者がいきなり訪問して来ても、絶対に屋根に登らせないようにしましょう!点検商法という悪徳商法が横行していますので、ご注意ください。
点検商法に対する対策が気になる方は、その注意喚起をまとめたこちらの記事をご覧ください!
専門用語もあり、分からない所も多いと思いますので、
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