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太陽光パネルを設置すると野地合板の湿気が多くなる?
みなさま。こんにちは~。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
太陽光パネルを屋根に設置すると屋根にどんな影響があるのか、調べてみました!
ほとんどの方は屋根に影響があるとは聞いていないよ~と思われているのではないでしょうか。
太陽光パネルを設置したからには、最低20年近くは屋根が健全でなければ困りますよね~!
実験棟の屋根で、測定してみた!
難しい話ではあるので、結論から言います!
太陽光パネル設置により、野地合板が高含水率化(水分が増えること)した!
野地合板の水分が増えると劣化する可能性が高くなります。
劣化すると屋根の強度が弱くなるので、注意が必要なんです!
それでは、実験結果を簡単にご紹介します!
上のグラフは2009.12〜2010.1に行った実験での野地合板含水率測定結果(南面)です。
①太陽光パネル有の野地合板が高含水率になったことを示しています。
実験に関しては西日本工業大学・小野研究室に依頼して行いました。
実験の概要
実験棟は愛知県半田市(神清内)にあり、室内は共通(仕切り無し)、天井から屋根を3つに区切ってあります。
境界の壁内には断熱材400㎜が入っています。
この屋根では、基準通りの小屋裏換気が設置されていました。
同条件の屋根①・②(屋根材:化粧スレート)において、片方だけ①に太陽光パネルを設置した場合の小屋裏温度・湿度、野地合板温度・湿度、野地合板含水率を測定して、影響を調べました。
2週間、①だけ(写真の右部分)に太陽光パネルを設置して、その後、取り外しました。
太陽光パネル設置前、①(青線)と②(赤線)は同程度の野地合板含水率(南面)となっています。(グラフの赤丸の部分)
含水率20%以下で、健全な状態です。(含水率とは、28%以上が続く場合は木が腐るという危険な状態を表す数字です。)
太陽光パネルを設置すると
12月21日に、太陽光パネルを設置しました。
すると、①太陽光パネル有の野地合板含水率が急に跳ね上がりました。
100%に近いところまで達しています。
一方、②太陽光パネル無はほとんど変化ありません。
太陽光パネルを設置すると急に野地合板の水分が増え、木が腐る状況になったのです!
太陽光パネルを外してみると
2週間後、1月7日にパネルを取り外したところ、徐々に含水率が低下しました。
なぜ、水分が増えるの?
このメカニズムを上図で説明いたします。
太陽光パネルの下部・野地合板は日陰となるため、日射による温度上昇は大きくありません。
一方、屋根の軒先・棟、北面は日射があたるため、野地合板が暖められ温度上昇します。
野地合板に含まれていた湿気は小屋裏内へ放湿されます。
放湿された湿気はパネル下部の野地合板・低温部に吸湿されます。
この野地合板の部分的な温度差により、野地合板での吸放湿が繰り返され、パネル下の野地合板の含水率が上昇するというものです。
屋根の高湿化を防ぐ対策は? ズバリ、屋根の通気・換気です!
野地合板における日射のあたり方の違いによる日陰部分の野地合板が腐朽する現象は、寄棟の北面野地合板が腐朽する現象と同じです。
太陽光パネル設置に関しては、発電シミュレーションと同程度に、屋根の通気・換気状態の調査も重要です。
長寿命で健全な屋根が基本ベースにあり、はじめて、発電効率やゼロエネルギー住宅や投資回収シミュレーションなどが成り立ちます。
少なくとも、既築で設置する場合は、必ず小屋裏換気が設置されているか調べてください。
設置されていない場合は、太陽光パネル設置と同時に、小屋裏換気設置も行われることをお奨めいたいます。
まとめ:太陽光パネル設置と棟換気はセットとお考えください!
太陽光パネルを設置する屋根は、最低20年間健全である必要があります!
太陽光パネルの設置費に比べ、屋根の通気・換気を設置する費用は1/10以下ですので、併せて棟換気を設置しましょう!
投資回収シミュレーションに換気設置費用を加えてはいかがですか?
神清からのお願い
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