凍害(とうがい)ってなに?
屋根材・壁材などの劣化の1つとして凍害(とうがい)があります。
屋根材の場合、割れ・はがれ・き裂が入る現象です。
凍害のメカニズム
凍害とは、屋根材中の水分が0℃以下になった時の凍結膨張(水が氷ると体積が大きくなる現象)によって発生するものであり、長年にわたる凍結(こおること)と融解(とけること)の繰り返しによって屋根材の材料が徐々に劣化すること。
水が氷る際、自由に膨張できる場合には、約9%の体積膨張します。
材料の中の小さい空げき中の水が氷るとき、自由に膨張できない場合、空げきの壁に圧力が作用して、材料の強度を超えたたときにひび割れが生じます。
ひび割れが拡大していくとやがて、はがれなど・屋根材の表面の美観を低下させる劣化と発達していきます。
瓦屋根の凍害事例
上の写真は、国総研共同研究の築38年の屋根暴露試験架台の解体調査で撮影されたものです。
解体調査の内容については、建築学会で発表されたこちらの梗概をご覧ください。
詳しい内容は2015年9月に行われた日本建築学会大会学術講演梗概集「木造住宅の耐久性向上に関わる建築外皮の構造・仕様とその評価に関する研究 長期間経年した勾配屋根暴露試験体の解体調査報告」をご覧ください。
架台は、茨城県つくば市の建築研究所に設置されていました。
この瓦は約45年前に、埼玉県で作られた日本瓦です。
昔の瓦は、その生産された地域より寒い地域で施工された場合、このような凍害が発生することもありました。
現在の瓦は規格化されていますので、寒冷地以外ではこのような凍害は発生しません。
寒冷地の目安としては、周辺の住宅に瓦屋根が使用されているかどうかで、判断してください。
最近では、北海道でも三州瓦は使用されています。
スレート屋根の凍害事例
スレート屋根は、パミールなどの湿式製法で生産されたものが凍害しやすい傾向となっています。
この写真はパミールで、築15年で著しいはがれが発生しています!
パミールなどは、東京・名古屋・大阪など寒冷地ではなくても、凍害が発生しています。
スレート屋根では、使用可能なエリアが設置されているので、ご確認ください。
図解 屋根に関するQ&Aでは、よく聞かれる屋根の質問にお答えしています。
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