こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。
日本における長寿命な建物の1つである銀閣寺の屋根をご紹介いたします。
銀閣寺は庭園がすばらしく、たくさんの方が雨の中、写真を撮っていました。
銀閣寺は室町時代後期に建てられ、東山文化を代表する建築と庭園を有しています。
1489年に上棟されました。(500年以上前)
銀閣寺は屋根の軒の出がしっかり出ています。
壁や建具に直接の雨掛かりを防いでいます。
銀閣寺の屋根は杮葺(こけらぶき)で葺かれています。
ちなみに果物の「かき」とは漢字が異なります。
かきの右側は「高浜市」などの「市」ですが、こけらの右側の中心の縦棒が上から下まで一直線となっています。
サワラの薄い割り板を3cmずつずらしながら重ね、竹釘でとめていく工法で葺かれています。
薄い割り板が何重にも重なって、重なりで雨の浸入を防いでいます。
約10%が暴露状態になっていまして、残り90%は上の屋根材の下に入り隠れています。
また、野地板はバラ板が隙間のある状態で横方向に並んでいます。
(ドイツの教会と同じような状態です。)
屋根面の上下が吸放湿する仕様で開放系となっていますので、乾燥しやすい状態です。
軒先も板の木端口を重ねて、軒先の厚みを表しています。
ヨーロッパのウッドシングルよりも、何十倍も手の込んだ屋根となっています。
屋根の杮葺は約30年ごとに葺き替えられています。
逆に言いますと薄い割り板でも、屋根材として30年の耐久性を持っています。
30年も持たずに劣化する現代の屋根材はいかがなものでしょうか?
★長寿命な建物の屋根★
①軒の出がしっかりあり、壁・建具への直接な雨掛かりを防いでいる。
②野地板には隙間があり、排湿できる。
③屋根材から入った雨も後日、乾燥できるしくみになっている。
ヨーロッパ・中国と同様に、日本の古い建物も同じような屋根のしくみになっていました。
排湿と乾燥が屋根では重要ですね。 (#⌒∇⌒#)ゞ
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