こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。
築20年の木造建築・瓦屋根を太陽光設置のために部分的に瓦をめくりました。(愛知県の物件です。)
その時の屋根の状態を写真でご紹介いたします。
上写真の屋根に太陽光を設置しました。
瓦屋根は土葺き工法だったので、瓦・土葺をめくり、軽量化しながら一体型太陽光パネルを設置しました。
上写真は太陽光パネルを設置した仕上がりです。
瓦屋根と同一高さに太陽光パネルが位置するように工夫してあるため、一体感のある屋根となっています。
上写真は瓦をめくっている様子です。
瓦自体は20年経過しても全く劣化が見られませんでした。
20年間メンテナンスをしていませんが瓦屋根としても劣化はありませんでした。(棟部の旧工法を除いて)
瓦の下には、びっしりと土が詰まっていました。
土葺き工法は瓦を釘で留めず、土の粘着力と瓦の重なりで、強風に耐える構造になっています。
瓦をめくる前日まで1週間雨が降っていましたが、土は濡れていませんでした。
通常の雨では、瓦からの雨水浸入はほとんどないようです。
瓦と土をめくると木羽葺き(トントン)と呼ばれる薄い木を編んだシートになっていました。
また、土のズレ防止のために土留め桟がところどころに設置されていました。
木羽葺き・土留め桟には劣化・腐朽は見られませんでした。
トントン葺きの下にはアスファルトルーフィングが施工されていました。
木羽葺きの良さは、透湿性があることですが、アスファルトルーフィングは透湿性が低く、塞いでいる状態になります。
木羽葺きの良さを消してしまっているため、もったいない組み合わせです。
現在であれば、透湿性のあるルーフィングもありますが、20年前ではしょうがないですね。
土留め桟木を留めていた釘を観察すると、釘頭から30㎜ぐらい、少し錆びが発生していました。
小屋裏に出ている釘の先端は錆は見られませんでした。
20年の間、常時水分に触れている状態ですと、釘が朽ちるほど錆が進行します。
釘の表面だけの錆びであるため、普段は乾いていたと思われます。
小屋裏を観察してみますと野地板・垂木など漏水痕や腐朽は見られませんでした。
野地板はバラ板となっていました。
★築20年の瓦屋根★
①屋根材の瓦は全く劣化しておらず健全な状態でした。
②下葺き材は土葺き+木羽葺き+アスファルトルーフィングでしたが、すべて劣化していませんでした。
③野地板も漏水痕・腐朽はありませんでした。
20年経過していますが、メンテナンスする必要は全くありませんでした。
20年経過しても全く劣化していない瓦屋根は、メンテナンス費がほとんどかからないために、もっとも経済的な屋根材と言えます。 (#⌒∇⌒#)ゞ
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