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20~30年前のF形瓦 接着補強工法による簡易補修方法をご紹介します。
F形瓦は現在では、瓦の中でもっともシェアの高い屋根材です。
F形瓦は今から30年前に、この大きさの規格になり、徐々にシェアが増えてきた屋根材です。
また、今から15年前に耐風性能が大幅に向上する仕様変更がありました。
現在のF形瓦(防災仕様)は、大型台風にも耐える屋根となっています。
一方で、築15年以上経過しているF形瓦(非防災)屋根は、巨大台風で被害が発生する可能もあります。
築年数しか、見分ける方法はないの?
外観だけでは、見分ける方法はありません。
しかし、屋根に上がれば、簡単に確認することができます。
そこで、この記事では、20~30年前の非防災仕様のF形瓦の見分け方と、簡易補強する方法をご紹介します。
巨大台風の飛来物によるF形瓦屋根の被害
一昨年の巨大台風で、飛来物による被害のあったF形瓦屋根がありました。
この屋根は、築20年を過ぎている屋根で、このF形瓦は、現在では生産されていません。
そこで、よく似た瓦で、割れた瓦を交換しました。
非防災仕様のF形瓦とは?
非防災仕様のF形瓦は瓦同士の掛かり合いがない仕様です。
見分け方としては、⇒の部分に、フック状の突起が無ければ、非防災仕様となります。
しかし、これでは、瓦が割れないとわからないことになります。
そこで、瓦が割れなくても、見分ける方法をご紹介します。
非防災仕様の見分け方は、2つあります。
①予備用として、庭先に残してある瓦を確認する。
瓦屋根の場合、数枚の予備瓦を庭先に残しておく風習があります。
庭先の瓦を見て、尻部分に、フック状の突起の有無を確認してください。
フック状の突起が無ければ、非防災仕様のF形瓦となります。
②屋根に上がって、瓦の軒先側を引き上げて確認する。
屋根に上がって、瓦の軒先側を持ち上げてみると分かります。
少し浮き上がれば、非防災仕様のF形瓦となります。
全く、動かなければ、防災仕様のF形瓦です。
割れたところに、類似品のF形瓦で交換しました。
交換した部分の留め付けの補強として、接着剤で、瓦の先端を下段の瓦へ留め付けました。
台風の補修としては、これで完了です。
お客様に補修内容をお伝えしたところ、
屋根全体の耐風性能を補強してほしい。
とご依頼いただきました。
その時の補強内容をご紹介します。
非防災仕様のF形瓦を接着剤で補強します。
非防災仕様のF形瓦です。
接着剤による補強仕様です。
瓦の軒先側を下段の瓦の尻と接着しています。(赤丸部分)
この接着方法で重要なことは、下段の瓦が屋根下地に、くぎ・ビス等で留め付けてあることです。
「ラバーロック」との違いは、ここです。
「ラバーロック」という瓦同士を接着してある屋根があります。
しかし、この「ラバーロック」はおススメしていません。
瓦の留付けをしていない瓦同士を接着しても、耐風性能はほとんど向上しません。
瓦が連結したまま、飛散してしまうからです。
「ラバーロック」には、ご注意ください。
非防災仕様のF形瓦屋根全体の補強です。
平部:接着補強工法
全ての平部・瓦の軒先部を接着します。
棟部:ビス増し打ち
全ての棟部・瓦をビス留めします。
けらば部:ビス増し打ち
全てのけらば部・瓦をビス留めします。
築20~30年の非防災仕様のF形瓦の補強方法は非破壊の接着工法です。
非破壊の接着工法で、築20~30年の非防災仕様のF形瓦屋根は耐風性能が大幅に向上します。
非防災仕様のF形瓦は、全数くぎ留めしているので、瓦の軒先側を下段の瓦の尻部に接着することが効果的です。
くぎ留めしていない瓦同士を接着する「ラバーロック」とは、異なります。
「ラバーロック」は、効果がないので、ご注意ください。
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