築180年の瓦屋根、しっかりと部分補修しましたよ!
こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査、神谷昭範です。
昨日に引き続き、由緒ある専修坊様の雨漏り補修をご紹介いたします。
築180年ですが、瓦屋根はしっかりしていました。
雨漏り補修を行うために、屋根に足場を組立ました。
軒先の足場からまだかなり距離があります。
また、お寺さんの屋根は照り屋根となっていますので、棟部分はかなり勾配が急で、何かにつかまらないと立つことができません。
雨漏りの原因場所の上丸を外してみますと下の土が少ない状態でした。
青矢印部分は以前の補修で、瓦の隙間を隠すための板金カバーが瓦に接着してありました。
この部分を何度も補修していることがわかります。
上丸の下に入っている葺き土を取り去りました。
取り去ると幾重にも重なった杮板が見えます。
所々、竹桟入っていました。
杮板から瓦の表面まで約15cmもありました。
平瓦の断面を見てみますと、
赤矢印部分は3枚重ねとなっています。
その他部分は2枚重ねとなっていて、重なりで雨水の浸入を防いでいます。
躯体に銅線を留め付けます。
上丸に孔を開け、銅線で上丸を留め付けます。
躯体に緊結することで、上丸のズレを防止します。
上丸の下には葺き土のかわりに、南蛮漆喰をしっかり入れました。
葺き土よりも固まるため、雨水による浸食を軽減できます。
補修後は、棟付近であった上丸の隙間は無くなりました。
隙間の分だけ、予備として保管されていた上丸をカットして埋め込みました。
繋ぎ目は内部までシーリングで接着しています。
この補修により、経年で瓦がズレることをかなり軽減できます。
さらに、雨漏りの経路となる平瓦と上丸の間も南蛮漆喰で塞いでいますので、この経路からの雨漏りは発生しません。
雨漏り補修という応急処置的なメンテナンス方法ですが、このような歴史ある建物では部分補修も有効だと思います。
補修後、屋根を見上げますと築180年の堂々たる屋根です。
樹脂・セメントなどの塗装品とは全く異なり、いぶし瓦の経年美が際立っていました。
お施主様のためを思うと声を大にして言います。
「日本の屋根は瓦が守ります!お任せください!!絶対お得ですよ~!!」
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