みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
今回の台風では、瓦屋根の棟部が飛散した現場をいくつか見ました。
そこで、飛散した瓦の傾向が見られました。
簡単にご紹介します。
棟瓦が飛散した現場①
いぶし瓦の棟瓦が2枚飛散した現場です。
赤丸の部分の棟瓦が飛散しました。
よく見ると⇒で示している銅線が切れていることがわかります。
普段、築年数が経過した屋根を見ても、このように銅線が切れている屋根はあまり見かけません。
通常はこのように銅線が結ばれています。
この銅線を大回し(おおまわし)と呼び、現在では旧工法となっています。
今回の台風では、この大回しの銅線を切るだけの力がかかっていたと思われます。
棟瓦が飛散した現場②
こちらも棟瓦が飛散した現場です。
すでに補修が始まっていて、飛散した現象をしっかり確認はできなかったのですが、他の部分を見てみると、
⇒の部分は大回しの銅線が切れていました。
幸い瓦は飛散していませんでしたが、何本も切れていました。
棟瓦が飛散した現場③
こちらは少し状況が異なります。
飛散する前に、一度点検した屋根でした。
赤丸の部分を注目してもらうと、棟の端部ということもあり、大回しが見られませんでした。
この点検時は、大回しがないことに大きな注目を持っていなかったので、点検して異常があるとはしませんでした。
残念ながら、今回の台風で棟瓦が飛散したとのことで、現場に向かってみると、
飛散したのは、大回しがない部分でした。
飛散した棟瓦の共通点
飛散した棟瓦の共通点は、大回しがされていないことです。
正直、大回し工法は巨大地震には弱く、耐震性が低いので、耐風性能をあまり期待していませんでした。
そのため、約1mmの径の銅線の大回しをそれ程重要視していませんでした。
この認識は今回の台風を見て、間違っていたと実感しました。
大回しの有無によって、耐風性能が変わってきますので、屋根点検では大回しの有無を確認することが必要だと認識しました。
また、今回の台風は銅線を切るほど力が強かったとも言えます。
大回しがこのように補強されている現場では、棟瓦が飛散せずに、桟瓦が飛散した現場もありました。
しかし、現在の水準では、大回しではなく、ガイドライン工法が標準となっていますので、大回しの補強やラバーロック工法ではなく、メンテナンスするなら、ガイドライン工法で行いましょう!
おススメはこのような冠一本伏せのガイドライン工法です。
まとめ:台風で飛散した現場から、銅線の切れているという共通点を見つけました!
台風で飛散した現場の共通点は大回しの銅線がないということです。
恐らく、台風の力が強く、銅線を切ったのではないかと推測します。
大回しの銅線は棟の耐風性能には一定の効果があったようです。
屋根点検では、大回しの銅線の有無もチェックする必要があるようです。
しかし、メンテナンスを行うなら、ガイドライン工法の冠瓦一本伏せがおススメです!
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