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輸入住宅の天井裏で黒カビ発生 夏型結露の可能性あり
屋根から雨漏りしているとご相談がありました。
伺ってみると築20年の輸入住宅で、屋根は化粧スレート葺きの寄棟屋根でした。
2階のサッシ上から雨漏りしているとのことでしたが、屋根からの雨漏りではなさそうでした。
念のため、2階の天井上に上がって雨漏りの有無を確認しました。
天井上の状態
温暖地域の築20年の小屋裏にしては、断熱材がきれいに敷き詰められていました。
雨漏りしている箇所の上方の野地板を確認しましたが、雨染みはありませんでした。
野地合板はスレートのくぎ先端が出ていますが、黒染みはなく、雨漏りも結露もしていない健全な状態でした。
断熱材はグラスウールの200mm
断熱材はグラスウール200mmとなっていました。
また、天井上には防湿層となるポリエチレンシートも別張りで設置されていました。
20年前の温暖地域では袋入りのグラスウール断熱材が多く、防湿シートの別張り施工はほとんど見ることがありません。
輸入住宅の仕様ならではの高断熱・高気密となっていました。
防湿シートをよく見てみると・・・
防湿シートをよく見てみると黒カビがびっしり付いていました。
黒カビの原因は夏型結露です。
室内の冷房で天井の石膏ボード・防湿シートの温度が低下して、防湿シートの小屋裏側で夏の高温・高湿の空気が露点に達して結露する現象です。
軒先は軒天換気口が設置されていて、小屋裏換気は行われ冬型結露は発生していませんでした。
黒カビの発生原因は?夏型結露です。
弊社で以前、夏型結露の見える化した実験を簡単にご紹介します。
夏型結露の見える化実験
弊社の実験棟で行いました。
水平天井の上に別張りの防湿シートを張りました。
断熱材は袋に入っていないグラスウールを引き詰めています。
室内は25℃で冷房していました。
屋根の小屋裏は小屋裏換気が設置されて外気が流入する状態です。
小屋裏の温度は昼間50℃にも達します。
この条件で、防湿シートの上側(断熱材側)に結露水がびっしりとついています。
夏の高湿の外気が、天井上の冷えた防湿シート面で結露して、結露水が防湿シートについた状態です。
室内の冷房によって、小屋裏との間に温度差が発生して、結露するというものです。
夏型結露による黒カビ発生を抑える対策
夏型結露による黒カビ発生を抑える対策は以下があります。
①冷房の設定温度を上げる。
②エアコンの配置・風向き等で、冷えやすい部分をなくす。
③防湿層を可変透湿気密シートにする。
夏型結露は、エアコンの冷房による温度低下で発生します。
エアコンの設定温度を下げ過ぎないことで、温度差を小さくすることにつながります。
まとめ:輸入住宅の天井上の黒カビの原因は夏型結露の可能性大です。
温暖地域の輸入住宅の天井上に発生する黒カビは夏型結露の可能性があります。
防湿シートの上側の場合、夏型結露とお考えください。
実際の夏型結露の防止対策は、各建物の仕様によって異なります。
専門家に相談することが必要です。
愛知県でお困りの方は、お気軽にご相談ください。遠方の方でも、いい専門家がわからなければ、ご相談ください。
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