屋根材比較試験 瓦vs軽量セメント屋根材 耐久性を比べてみました。

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経ホームビルダー」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

屋根材に興味のある人。

瓦か軽量屋根材かで、迷っている人。

この記事で伝えたいこと

お客様から「軽い瓦」について、ご質問をいただきます。

「軽い瓦」とは、どんな瓦ですか? と詳しくお聞きすると、

お客様は、「普通の瓦の1/2の重さの瓦です。」と回答いただきます。

その度に、「それは、瓦ではなく、樹脂セメント屋根材です。」とご説明しています。

お客様からすると、別の会社からの説明で、「軽い瓦」と聞いているので、ややこしい話になります。

以前、行った瓦とセメント屋根材の比較試験の結果をご紹介しながら、違いについて、ご紹介いたします。

この記事では、瓦と軽量セメント屋根材の違いについて、紹介しています。

お問い合わせはこちら

屋根材比較試験 瓦vsセメント屋根材 耐久性を比べてみました。

お客様から「軽い瓦」について、ご質問をいただきます。

「軽い瓦」とは、どんな瓦ですか? と詳しくお聞きすると、

お客様は、「普通の瓦の1/2の重さの瓦です。」と回答いただきます。

その度に、「それは、瓦ではなく、樹脂セメント屋根材です。」とご説明しています。

お客様からすると、別の会社からの説明で、「軽い瓦」と聞いているので、ややこしい話になります。

「軽い瓦」は瓦ではないの?

瓦と樹脂セメント屋根材の違いは何?

お客様の頭の中に、「?」が浮かんでいるのは、わかっていても、将来、高額なメンテナンス費の発生につながるとても大事な違いなので、しっかりと説明しています。

何かわかりやすいデータがないかと、調べていたら、以前行った、瓦とセメント屋根材の比較試験がありました。

その結果をご紹介しながら、屋根材の違いについて、ご紹介いたします。

この記事では、瓦と軽量セメント屋根材の違いについて、紹介しています。

 

 

耐久性比較として、気中凍結気中融解試験を行いました。

耐久性比較として、気中凍結気中融解試験(JIS A5209 )を行いました。

比較した屋根材は3種類です。

①F形瓦

②軽量セメント屋根材(現在は廃盤品)

③軽量樹脂セメント屋根材

そのビフォーアフターをご紹介します。

①F形瓦(エフガタ)のビフォーアフター

三州瓦の標準的なF形瓦です。

瓦のビフォーアフターは変化がありませんでした。

表面の意匠も変わらず、同じ黒色です。

②軽量セメント屋根材のビフォーアフター

現在は、廃盤品となっている軽量セメント屋根材です。

屋根材の周辺部に亀裂やはくりが見られます。

拡大してみますと、

凍害によるはくりや亀裂が確認できます。

この屋根材は、大会社が手掛けた屋根材シリーズの最後の商品です。

いろいろな種類のセメント系屋根材を市場で販売していましたが、結果、すべて廃盤となり、撤退されました。

耐久性が低く、10年程度で、ひび割れ・退色などのクレームが発生しました。

ビフォーアフターの試験でも表面の色がくすんだという変化がわかります。

③軽量樹脂セメント屋根材のビフォーアフター

現在、「軽い瓦」として販売されているセメント屋根材です。

屋根材の周辺部に、変化が見られます。

アフターを1枚で見るとよくわかります。

端部にしわ・亀裂、はがれなどが見られます。

表面の色も、光沢がなくなり、白っぽく退色しています。

表面には、亀裂や端部のはくりが確認できます。

この屋根材は、販売されてから10年程度経過しています。

今のところ、大きな問題は発生していませんが、今後は心配なところです。

 

比較試験では、瓦とセメント屋根材に大きな違いがありました。

上記比較試験では、変化なし=①瓦<②軽量セメント屋根材(廃盤品)<③軽量樹脂セメント屋根材=変化大 という傾向が見られました。

とくに、気になるのが、廃盤品の②よりも、③の方が変化が大きかったことです。

これまで日本において、スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)以外でも、セメントを材料とした多くの屋根材が販売されてきました。

残念ながら、ことごとく、撤退されてきました。

そのうちの1つでもある②よりも、変化の大きい③が、今後、問題が発生しないのかという心配があります。

 

③は別の試験でも心配な結果があります。

以下は、別の耐久性試験の結果です。

このグラフは、凍結融解試験(寒暖差を意識した屋根材のいじめ試験で、凍らしたり、融かしたりする試験)を行ったときの屋根材重量変化を調べた結果です。

信頼性を高めるために、愛知県陶器瓦工業組合(三州瓦)が外部の第3者試験機関に依頼した試験です。

住宅建材の凍害(寒冷地で起きる建材のはくり・はがれ・亀裂)に関して、長年研究されている、北海道旭川市の地方独立行政法人北海道立総合研究機構建築研究本部北方建築総合研究所に於いて、凍結融解試験を依頼しました。

試験回数としては、300回(サイクル)で実施しました。(JIS A 1435)

詳しくは、こちらの愛知県陶器瓦工業組合の記事をご覧ください。

⇒凍結融解試験から分かる三州瓦の品質

300回で①三州瓦、スレート屋根、③樹脂繊維セメント屋根材とも、外観上の破損・亀裂はなく、試験としてはどれも合格でした。

亀裂の有無以外に、試験体の重量変化を調べたのが、上のグラフです。

300回で、三州瓦(赤)は0.5%も変化がなく、やっぱり抜群に強い!

踏み割れや色の変化、劣化が問題となっている化粧スレート(青)でも5%以下の変化で、ある程度横ばい。

それに比べて、③樹脂繊維セメント屋根材の(緑)は11%以上の重量変化で、問題となっているスレートと比べても3倍の変化、瓦と比べるとなんと20倍以上変化しています。

 

①と③は耐久性において別物です。③軽量樹脂セメント屋根材は瓦ではないです。

耐久性比較試験の結果から、①瓦と③軽量樹脂セメント屋根材では、大きな差を確認しました。

この差は、将来のメンテナンス費の差となり、その差は高額となります。

耐久性を求める方は、①瓦をお選びください。

軽さを求める方は、③軽量樹脂セメント屋根材または金属屋根材をお選びください。

①瓦はメンテナンス費がほとんどかかりません。

③軽量樹脂セメント屋根材はメンテナンス費が必要な屋根材です。

③を「軽い瓦」とわかりにくくする営業に、ご注意ください。

 

雨漏り修理・屋根修理をお考えの方は、神清にぜひ、お声がけください。

お問い合わせはこちら
LINEでお問い合わせ

 

この投稿は役に立ちましたか? 役に立った 役に立たなかった 6 人中 6 人がこの 投稿 は役に立ったと言っています。

神清からのお願い

記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。

お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。

私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。

この記事に関連するサービスメニュー

関連工事メニュー

instagram

関連記事

この記事を読んだ人にオススメの記事