目次
マンションの最上階で雨漏りが発生する理由とは?
マンションの最上階で雨漏りが発生する理由について紹介します。
- 屋根材の劣化
- 屋上の水たまり
- 屋上の防水・排水設備の不具合
- 屋上や外壁のコンクリートのヒビ割れ
屋根材の劣化
マンションの屋根は屋上防水と傾斜屋根の2パターンとなっています。
傾斜屋根の場合は、屋根材が設置してあります。
屋根材が劣化して、ヒビ割れやあな開きなどの隙間が生じると雨水が浸入し、雨漏りを引き起こす原因となります。
屋上の水たまり
屋上に水たまりができると、防水層の劣化を促進させます。
もともとは水勾配が設定されているのですが、付帯設備などで水たまりができてしまうことがあります。
屋上の防水・排水設備の不具合
屋上の排水設備にはドレンや排水溝、内樋が含まれています。
これらが劣化したり、ゴミや土ぼこりで詰まったりすると雨漏りが発生する原因となります。
また、防水層のメンテナンスを怠ると劣化して、ヒビ割れ・あな開きが発生します。
屋上や外壁のコンクリートのヒビ割れ
屋上パラペット部や外壁のコンクリートにヒビ割れが発生することがあります。
ヒビ割れが成長して、室内へ貫通すると雨漏りの原因の1つです。
マンションの最上階で雨漏りが発生する理由について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りがマンションで起こる原因は?起こったときにやるべきことも解説
マンションの最上階は雨漏りが発生しやすい?
マンションの最上階は雨漏りが発生しやすいと言われています。
最上階以外は部屋の上が別の住人の部屋となっていて天井上に雨があたらないので、天井からの雨漏りリスクは低いです。
一方で、最上階では部屋の上が屋上となっていて雨があたるため、屋上から雨水浸入すると天井から雨漏りする可能性があります。
マンションの一部が階段形状となっている場合は、端の部屋にバルコニーが付く状態となり、その下の部屋は最上階でなくても同様の雨漏りが発生しやすいです。
マンションの最上階の雨漏りは雨漏りしだすと短期間で室内被害が大きくなる可能性が高いので早期の対応が必要です。
マンションの最上階は雨漏りが発生する可能性があることについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
マンションの最上階で自分の部屋から雨漏りが発生した場合の対処法
マンションの最上階で自分の部屋から雨漏りが発生した場合の対処法を紹介します。
まず初めに、雨漏りの状況を写真・動画で撮影してください。
管理組合・管理会社や雨漏り修理業者へ説明するのに必要となります。
次に、雨漏りを止める対処は専門業者が行う内容ですので、自分の部屋の雨漏り被害が拡大しない応急処置となります。
雨漏りしたときに役立つ応急処置の方法は5つあります。
- バケツ
- タオル
- ブルーシート
- 吸水シート
- 防水テープ
バケツ・タオル・ブルーシート・吸水シートは床面に設置することで、床面や家財道具が濡れる被害を防ぎます。
サッシまわりから吹き込むときは、防水テープを貼ることで浸入を防ぐことができます。
ただし、天井から雨漏りすると言って、雨漏りの原因を特定しないまま、むやみに防水テープなどで天井の隙間をふさいで補修してしまうことはやめておきましょう。
一旦は室内へ雨漏りする現象は回避できますが、天井上への雨漏りは続いているので気付かないうちに被害が拡大してしまう恐れがあります。
応急処置が終わったら、火災保険、損害保険、マンション契約書を確認しましょう。
雨漏りに被害修繕に対して、何らかの保険や補償でカバーできる可能性もあるからです。
マンションの最上階で自分の部屋から雨漏りが発生した場合の対処法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
知っておこう!雨漏りしたときに役立つ5つの応急処置を屋根屋が解説
マンションの天井からの雨漏り被害はしっかり記録しておくべき理由
マンションの天井からの雨漏りを発見したときは、雨漏りの被害・状況をしっかりと記録しておきましょう。
記録としては、スマートフォンなどで写真・動画を撮ることをオススメします。
写真・動画を撮影することで、雨漏りしたときの日時が特定できます。
外部の降雨状況も撮影しておくと強風雨なのか、大雨なのか、雨漏りしたときの様子も後で確認できます。
写真・動画とも雨漏りしているアップのアングルだけではなく、少し引いてサッシ・部屋全体が写るように撮影しておくことも重要です。
バケツなどで受けた場合、雨漏りが終わってどのくらいの量が漏れたのか、撮影しておくこともオススメします。
これらの写真・動画は、雨漏りの原因調査・修理において、貴重なデータとなるからです。
管理組合、管理会社、保険会社などへ説明するときにも役立ちます。
マンションの雨漏りが発生した際の責任は誰が負う?
賃貸賃貸マンションでは、屋上や上の階のベランダからの雨漏りの責任はマンションの大家さん(貸主)の責任となり、雨漏り修理は大家さんが費用負担します。
分譲マンションは共有部分に雨漏り修理が必要な問題が発生した場合には管理組合の責任となり、個人の専有スペースで雨漏り修理が必要となったら、個人の責任で雨漏り修理を行うことになります。
ただし、雨漏りが発生して床が濡れているのを知りながら、バケツで受けるなどの応急処置を行わずに放置してしまうと、下の階へ被害が拡大したときには、放置した人の責任となり、最悪の場合、修理費用を請求される可能性があります。
マンションの雨漏りは誰の責任かについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
賃貸住宅の雨漏りは大家の責任?あなたがやるべき3つのことも解説!
マンションの最上階で雨漏りを防ぐための方法
マンションの最上階で雨漏りを防ぐための方法を紹介します。
- 屋上の防水工事
- 屋上の排水設備の修理・交換
- その他の部分の修理や交換
防ぐための方法はそれぞれのメンテナンスを定期的に行うことであり、その内容について簡単に解説します。
屋上の防水工事
屋上防水は傾斜屋根材に比べて寿命が短いので、定期メンテナンスは必須となります。
屋上防水はその種類によって、メンテナンス時期が異なります。
マンションの大規模修繕の計画にあわせて、屋上防水の修繕を行いましょう。
屋上の排水設備の修理・交換
屋上の排水設備は材料によって修繕時期が定められています。
一般的なメンテナンス感覚としては、20~30年程度で修理・交換が必要となります。
劣化して穴が開く前に修理・交換することが雨漏りを防ぐポイントです。
その他の部分の修理や交換
外壁の修繕や塗装・シーリングなどは、10~15年ごとにメンテナンスとなります。
足場が必要となりますので、大規模修繕の計画にあわせて損傷がほとんどなくても修理・交換します。
外壁のヒビ割れ補修はその都度、必ず行っておきましょう。
マンションで行われる防水工事の種類
マンションの防水工事の種類を紹介します。
- ウレタン防水
- FRP防水
- シート防水
- アスファルト防水
既存の防水仕様、屋上の状態などで適する防水工事は異なります。
防水の種類 | 特徴 | 費用相場 |
---|---|---|
ウレタン防水 | ・ウレタン樹脂という液体の防水材を塗布し乾燥させて防水層を作る防水工事 ・既存防水層の上に付帯設備が設置されている複雑な形状にも防水層を作ることが容易 | 6,000~9,500円/㎡ |
FRP防水 | ・液体のポリエステル樹脂に硬化剤を加えて、ガラス繊維などで補強・一体化した塗膜防水 ・耐衝撃性・耐摩耗性に優れて軽量である | 6,500~9,500円/㎡ |
シート防水 | ・塩ビシート防水とは塩化ビニル樹脂でできたシート状の防水材1枚で防水層を作る工法 ・付帯設備があり、施工場所の形状が複雑な場所への施工は困難 | 6,000~12,000円/㎡ |
アスファルト防水 | ・アスファルト防水とは合成繊維不織布にアスファルトを含浸・コーティングしたシート状のルーフィングを貼り重ねて形成する古くからある工法 ・仕上がりがフラットではないため、歩行しないところに施工 | 6,000~9,000円/㎡ |
新築時とは、屋上にある付帯設備が変わっている可能性もありますので、適した工事を選択してください。
防水工事の種類について詳しくはこちらの記事で解説しています。
防水工事の代表的な種類を紹介!特徴や費用・耐用年数などすべて解説
マンションの最上階の雨漏りを防ぐための修繕周期はどのくらい?
マンションの最上階の雨漏りを防ぐための修繕周期について紹介します。
多くのマンションの大規模修繕は12年ごとです。
大規模修繕とは、マンションの建物や設備が経年劣化した際に行う建物全体で行う大規模な修繕工事のことです。
足場を設置して、建物本体や共用部分の修繕が対象となります。
屋上防水のメンテナンスはこのタイミングで行うことで、屋上からの雨漏りを防ぐことができます。
その他では、排水設備の修繕周期は20~40年となります。
排水配管の材料が鋼製の場合は、耐用年数が20~30年、硬質塩化ビニル製の場合は25~40年、鋳鉄製の場合は30~40年となります。
応急処置を怠ると追加費用のリスクがある?
マンションで雨漏りしているのにもかかわらず応急処置を行なわないとそれに伴い被害が発生した場合に費用請求される可能性があります。
床面に滴下する雨漏りはバケツなどで受ける応急処置で被害の拡大を防ぐことができます。
しかし、床面に滴下する雨漏りを放置すると、さらに下の階の隣人にまで被害が及ぶ可能性があります。
そのため、雨漏りを放置して下の階まで被害が拡大した場合、その分の修理費用請求をされる可能性があるので注意しておきましょう。
被害が大きくならないように放置せず、早めに応急処置を行うようにしてください。
雨漏りが発生したときの応急処置の方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りがアパートで発生!とるべき行動は?修理費用は誰の負担?
【まとめ】マンションの最上階は雨漏りリスクが高い可能性がある
マンションの最上階では部屋の上が屋上となっていて雨があたるため、屋上から雨水浸入すると天井から雨漏りする可能性があります。
マンションの最上階の雨漏りは雨漏りしだすと短期間で室内被害が大きくなる可能性が高いので早期の対応が必要です。
賃貸賃貸マンションでは、屋上や上の階のベランダからの雨漏りの責任はマンションの大家さん(貸主)の責任となり、雨漏り修理は大家さんが費用負担します。
分譲マンションの屋上や上の階のベランダは共有部分となるため、雨漏りの責任は管理組合となり、管理組合が雨漏り修理を行うことになります。
雨漏りを防ぐための方法は屋上のメンテナンスを定期的に行うことです。
雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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