目次
防水工事の4つの種類
防水工事には代表的な4つの種類の防水工事がありますので紹介します。
- ウレタン防水
- シート防水
- アスファルト防水
- FRP防水
それぞれに特徴があり、費用や耐用年数などが異なりますので次の章から詳しく解説していきます。
【防水工事の種類】①ウレタン防水
ウレタン防水とは、ウレタン樹脂という液体の防水材を塗布し乾燥させて防水層を作る防水工事のことです。
既存防水層の上に付帯設備が設置されている複雑な形状にも防水層を作ることが比較的容易です。
ウレタン防水には、「ウレタン防水通気緩衝工法」と「ウレタン防水密着工法」があります。
ウレタン防水通気緩衝工法
通気性能を有するシートを全面接着させた上にウレタン防水を塗布することで防水層を形成する防水工法です。
ふくれの原因となる下地水分の水蒸気は、通気緩衝シート裏面を経由して脱気筒から排出されるため、ふくれが発生しにくい構造となっています。
既存下地が押えコンクリートの場合には、標準の工法となります。
ウレタン防水密着工法
ウレタン防水を直接既存下地に塗布することで防水層を形成する防水工法です。
狭小部位や複雑な形状部位の防水改修に適しています。
既存下地がウレタン防水の場合には、標準の工法となります。
【防水工事の種類】②シート防水
シート防水とは、塩化ビニール樹脂でできたシートやゴムでできたシートの防水材1枚で防水層を作る工法です。
付帯設備があって施工場所の形状が複雑な場所への施工は困難となります。
シート防水には、「塩ビシート機械的固定工法」「塩ビシート接着工法」「ゴムシート接着工法」があります。
塩ビシート機械的固定工法
アンカー・ディスクを一定間隔で下地へビス留めし、塩ビシートをそのディスクのみに部分的に固定して防水層を形成する工法です。
部分的にディスクへ固定されているので、シートの疲労を抑制し、耐久性が向上します。
ディスクとシート、シート同士の接合部は、加熱または溶剤によって溶融着します。
シート同士のジョイント部は溶融着して接合するので一体化し、高い水密性を確保します。
塩ビシート接着工法
塩ビシート全面に接着剤を塗布して下地に貼り付けることで防水層を形成する工法です。
シートと下地の双方に接着剤を全面塗布して貼り付けます。
シート同士のジョイント部は溶融着して接合するので一体化し、高い水密性を確保します。
塩ビシート防水は厚みがあるため、カラスなどにつつかれて破れることはなく、鳥害に強いです。
ゴムシート接着工法
ゴムシート全面に接着剤を塗布して下地に貼り付けることで防水層を形成する工法です。
ゴムシートは柔軟性、下地き裂追従性に優れた防水層となります。
大掛かりな工具を必要とせず施工が比較的速い工法です。
【防水工事の種類】③アスファルト防水
アスファルト防水とは、合成繊維不織布にアスファルトを含浸・コーティングしたシート状のルーフィングを貼り重ねて形成する古くからある工法です。
仕上がりがフラットではないため、歩行しないところに施工される防水層となります。
アスファルト防水には、「改質アスファルト防水トーチ工法」「改質アスファルト防水冷工法」「アスファルト防水熱工法」があります。
改質アスファルト防水トーチ工法
改質アスファルトシートの裏面にコーティングされたアスファルトをトーチバーナーであぶりながら貼り付ける工法です。
改質アスファルトシートが厚みがあり露出仕上げとなっていて、省施工されており工期も短くなっています。
改質アスファルト防水冷工法
改質アスファルトルーフィングの裏面にコーティングされているゴムアス粘着層で、下地に接着させる工法です。
臭いや煙などの発生を低減化した施工環境に優しい工法です。
既存のアスファルト防水の上にかぶせて改修することができます。
アスファルト防水熱工法
260℃に熱したアスファルトコンパウンドで、アスファルトルーフィング、ストレッチルーフィングを下地に貼り付ける工法です。
この流し貼りの工程を数回繰り返し、積層することで信頼性と耐久性の高い防水層となります。
【防水工事の種類】④FRP防水
FRP防水とは、液体のポリエステル樹脂に硬化剤を加えて、ガラス繊維などで補強・一体化した塗膜防水です。
耐衝撃性・耐摩耗性に優れて軽量であるといった特徴があります。
防水工事の種類ごとの費用
一般的な屋上(約100㎡)の防水工事(ウレタン防水)は約110万円程度(別途、足場約13万円)とお考えください。
同じ条件でのシート防水工事の場合は約120万円程度となります。(シート防水の張り替え)
同様にアスファルト防水工事の場合は約100万円程度となります。(アスファルト防水の重ね張り)
同様にFRP防水工事の場合は約110万円程度となります。(FRP防水の重ね塗り)
また、ウレタン防水でも通気緩衝工法ではなく、密着工法とすることで、約20万円ほど安価となります。
他の防水工事でも、工法によって費用がかわりますので、既存防水層の状態に適した工法を選択しましょう。
防水工事の単価について詳しくはこちらの記事で解説しています。
防水工事の種類ごとの工期
防水工事の種類ごとの工期を紹介します。
防水の種類 | 工期 |
---|---|
ウレタン防水 | 3~5日 |
シート防水 | 2~4日 |
アスファルト防水 | 3~5日 |
FRP防水 | 2~4日 |
ウレタン防水では、通気緩衝工法の方が工期が長くなります。
また、付帯設備やパラペット部の笠木の施工によっても工期が長くなりますので、目安とお考えください。
防水工事の種類ごとの耐用年数
防水工事は種類や工法によっても耐用年数に差があるものの、概ね10~15年程度の周期でメンテナンスが必要です。
防水工事の種類 | 耐用年数 |
---|---|
ウレタン防水 | 約10~13年 |
FRP防水 | 約10~15年 |
シート防水 | 約12~15年 |
アスファルト防水 | 約12~20年 |
新築時は防水層の上に保護層を設けることで耐用年数は長くなりますが、その後の補修の防水工事での長期間は期待できません。
メンテナンス計画を立てておくことをオススメします。
防水工事の検討すべき劣化症状
防水工事の検討が必要となる劣化症状を紹介します。
●雨漏り
●水たまり
●雑草が生えている
●ヒビ割れ
●防水シートの浮き
●防水シートの破れ
防水層から雨漏りした場合は、早急に防水工事の補修が必要です。
建物や室内が一気に劣化していきますので、外壁からの雨漏りのように様子を見る話しではありません。
それ以外の症状はいつ雨漏りが発生してもおかしくない防水層の劣化状況ですので、防水工事の検討を始めましょう。
【まとめ】防水工事は種類ごとの特徴を把握しておこう
代表的な4つの種類の防水工事について紹介しました。
それぞれの特徴や費用、耐用年数、工期などもまとめました。
既存防水層の状況によって適した防水工事が異なりますので、業者に提案してもらいましょう。
防水層からの雨漏りはすぐに補修が必要で、放置するとその後の補修費用は高額となります。
雨漏りが発生する前に、防水層の劣化を診て早めにメンテナンスを検討することをオススメします。
屋根・雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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