片流れ屋根 金属屋根はなぜ?雨漏りが多いのか? 解決策はこれだ!!

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経ホームビルダー」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

金属屋根材の片流れ屋根で、雨漏りして困っている人。

新築を金属屋根の片流れで検討している人。

新築の屋根を検討している人。

この記事で伝えたいこと

最近の住宅において、片流れ屋根が急増しているようです。

しかも、片流れの金属屋根で、雨漏り事例がとても多くなっています。

片流れ屋根で、瓦、スレート、金属屋根の施工方法を比べて、金属屋根に雨漏りが多い原因を検討しました。

この記事では、片流れの金属屋根の問題点とその解決策をご紹介しています。

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片流れ屋根 金属屋根の棟になぜ?雨漏りが多いの?

最近の住宅において、片流れ屋根が急増しているようです。

しかし、片流れ屋根では、雨漏り事例がとても多くなっています。

瑕疵担保保険会社の調査では、

なんと!新築雨漏り事故の75%以上が片流れ屋根だったと公表しています!

さらに、金属屋根材の棟部での事故が多かったそうです!

その内、50%が棟からの雨漏りとなっています。

計算すると、新築雨漏り事故全体の40%近くが片流れ屋根・棟部からと言えます!

なぜ?片流れ屋根・棟部、さらに、金属屋根材からの棟部に雨漏り事故が集中しているのでしょうか?

創業150年の屋根屋・神清(かみせい)のDr.神谷が考える片流れ屋根・棟部の傾向とその対策をご紹介いたします!

 

片流れ屋根・棟部の問題点

片流れ屋根の棟断面図

片流れ屋根・棟部の問題点は棟頂部からの伝い水です。

伝い水とは、野地板と破風板の境から雨水が野地板の裏面を伝わって、建物内側へ浸入する雨水のことです。(浸入ルート)

屋根材が施工されても、強風雨時、この浸入ルートから入り込みやすくなっています。

なぜ?浸入ルートがあるのか?

一般的には、片流れ屋根のルーフィング(下葺き材)の棟端部は図のように野地板上端部でカットされています。(屋根工事業者の責任範囲)

一方、野地板より下方は他業者(大工・壁業者の責任範囲)であり、棟頂部が工事業者の境界線となっています。

そのため、屋根と垂直面の防水層(屋根のルーフィングと壁の透湿防水シート)の連続性が明確ではありません。

この現象は、屋根周辺(けらば、軒先)の屋根と壁の取り合い部でも同様に連続性は不明確となっていますが、軒の出によって、室内への浸入を防いています。

しかし、片流れ屋根の棟頂部はそのままにしておくと必ず室内への浸入ルートとなるので、雨漏り発生率がダントツで高くなっているのです!

 

金属屋根材になぜ?多いのか?

それでは金属屋根材になぜ?多いのでしょうか?

残念ながら、はっきりしたことはわかりません。

そこで、屋根材別の施工マニュアルの図面を比較してみます!

 

瓦屋根の片流れ

瓦屋根の片流れには、2つのパターンがあります。

破風板を立ち上げる

瓦屋根では、棟頂部の破風板を立ち上げることで、浸入ルートを消滅させることができます。

この仕様で、大幅に雨漏りリスクは軽減します!

 

水切り板金を入れる

もう1つの施工方法として、棟頂部の浸入ルートに水切り板金をかぶせる方法があります。

水切り板金は片流れ冠よりも下方まで、覆うことができます。

また、屋根工事は冠瓦と水切り板金を処理することで完結できます。

化粧破風を取付ける後工事は、水切り板金の内側に入れ込むことができるので、冠瓦との関連性はなくなり、雨漏りリスクは軽減します!

 

スレート屋根の片流れ

ルーフィングを巻く

スレート屋根では、浸入ルートをルーフィング(下葺材)で巻くことになっています。

また、棟包も長いため、強風雨時でも雨水が浸入ルートまでたどり着かないような配慮があります。

このとき、私のお勧めは「透湿ルーフィングで巻く」というものです。

破れにくく、防水性もあるので、後工程が楽になります。

アスファルトルーフィングでは、折角巻いても破れてしまうので、防水性に不安が残ります。

ルーフィングについて、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

【新築前に知っておこう】屋根「ルーフィング」の重要性⇒材料指定がお勧めです!

スレート屋根もルーフィングを巻くことで、雨漏りリスクは軽減します!

 

 

セメント屋根材の片流れ

ルーフィングを巻く

セメント屋根材もスレートと同様にルーフィング(下葺材)を巻いています。

こちらも雨漏りリスクは軽減します!

 

瓦屋根、スレート屋根、セメント屋根材は片流れ屋根に対する施工指示が明確になっています。

この通りに施工されていれば、雨漏りは発生しないと思います。

それでは、本題の金属屋根についてです。

 

金属屋根の片流れ

まず、金属屋根(ガルバリウム鋼板)の施工方法がなかなか見つかりませんでした。

これは業界の伝統なのでしょうが、金属屋根は現場で加工するものもあり、屋根材メーカーの施工マニュアルが少ないようです。

各板金工事店の経験とノウハウによって、細部の納まりが決まっているようです。

金属の素材自体は大手鉄鋼会社の製品ですので、安定していますし、保証もしっかりしています。

しかし、それは加工する前のロール品に対してだそうです。

屋根材として、曲げて成形すると保証対象外となるのです・・・知ってました?

つまり、屋根材の保証はないのと同じなんですよ!

だいぶ、話が脱線してしまったので、本題の片流れに戻ります。

少ない中で見つけた施工指示をご紹介いたします!

 

ルーフィングは巻かない

スレート屋根と違い、ルーフィングは巻かない仕様となっています。

一番、肝心な強風雨時の雨水の吹き上げによる浸入を防ぐ方法は、調整水切り・現場合せ加工と明確な指示にはなっていません。

板金工事店の技量にお任せです。

とくに、化粧破風を施工後でないとそこの防水処置が完成しない仕様となっています。

屋根工事が終わった後、かなり経過してからもう一度、調整水切りを設置する必要があり、現実的ではなく、不明確ですね!

 

壁の防水紙を巻く

別の施工指示は壁の防水紙を巻くことになっています。

この図を見ますと壁の防水紙を巻くことになっています。

通常は屋根工事が最初に行われるのですが、それより先に、壁の防水紙を巻くのは現実的ではないと思います。

この納まりですと、防水紙を巻かないと強風雨時、雨水浸入するリスクはかなり高いと言えます!

 

木造住宅用は上記2例しか、見つかりませんでした。

 

鉄骨造でも、やはり、ルーフィングは巻かない

 

鉄骨造の図面がありましたが、やはり、ルーフィングは巻かない仕様でした。

もともと、住宅用と言うよりは大型物件の屋根に使われていた金属屋根ですので、この納まり図が基本的な考え方と言えるでしょう!

これを見る屋根は屋根だけを納め、浸入ルートは完全に別途工事として、シーリング・軒先パネルを施工することになっています。

一番、雨水が浸入する部分をシーリングで納めるという仕様は住宅の屋根では考えにくいですね!

シーリングが劣化したら、即、雨漏りですので、多少漏れてもいい建物の納まりですね!

 

破風との重なりも短い

この写真を見ても、他の屋根材に比べて、破風との重なりが短いですね!

もっとも雨漏りしている片流れ屋根の棟部において、明確な施工指示がないため、金属屋根の雨漏りが40%になっているのではないでしょうか?

 

金属屋根の片流れの対策!

一番シンプルな対策は「透湿ルーフィングを巻く」です!

浸入ルートを覆うために、屋根から透湿ルーフィングを垂らしておくだけでいいのです!

折り曲げても破れにくく、強風に吹かれても破れにくく、タッカーを取るときも破れにくいので、後工程を考えて、最適な材料だと言えます!

これから建てようと検討している方は、ほとんどコストアップにはつながらないので、是非、要望された方がいいですよ!

ご興味のある方はこちらをどうぞ!

http://www.kamiseishop.com/sp/sphtml/183.html

大幅に、リスクが軽減すること間違いないです!

 

まとめ:各屋根材の片流れの納まりを調べてみました!

瓦屋根、スレート屋根、セメント屋根材は雨漏り対策を考慮した仕様方法になっています!

一方、金属屋根は明確な対策が見当たりませんでした!

金属屋根の片流れを検討のお施主さまは「透湿ルーフィングを巻く」とご要望してくださいね!

ほとんど、コストアップすることなく、安心できますよ!

 

専門用語もあり、わかりにくい所もあったかと思います。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。(お電話でも大丈夫ですよ!)(担当:神谷あきのり)

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