ガルバリウム鋼板屋根でやるべき3つのメンテナンス方法を解説

Dr.神谷
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  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンス方法についてを知りたい
  • ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンスが必要なタイミングが知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンス方法についてを知りたい」「ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンスが必要なタイミングが知りたい」という方に向けて書かれています。

ガルバリウム鋼板は、耐久性が高い素材のため、近年人気の屋根材です。

ガルバリウム鋼板をキレイな状態で長持ちさせるには、どんなことが必要なのか気になりますよね。

本記事では、ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンスについて詳しく解説していきます。メンテナンスのタイミングやメンテナンス費用なども解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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ガルバリウム鋼板とは

「ガルバリウム鋼板」とは、めっき鋼板の中の1つの種類のことです。

めっき鋼板も聞きなれない名称ですが、「トタン」、「ぶりき」の仲間です。

「トタン」とは、「溶融亜鉛めっき鋼板」のことで、めっき鋼板の中でも、耐食性、加工性、安価の理由で広く使用されてきました。

鋼板(鉄)が錆びる前に、亜鉛めっき層から亜鉛が溶け出すことで鋼板(鉄)の錆びを遅らせる機能(犠牲防食/ぎせいぼうしょく)があり、屋根材・壁材としても使用されました。

トタン屋根は耐用年数7~9年程度と言われています。

「ガルバリウム鋼板」の正式名称は「溶融55%アルミニウム‐亜鉛合金めっき鋼板」であり、具体的には、アルミニウム55%+亜鉛43.4%+ケイ素1.6%のめっき層で鋼板を保護しています。

アルミニウムの特徴である不動態被膜(腐食作用に抵抗する被膜)と亜鉛の特徴である犠牲防食性が相まって、トタンよりも3倍程度、耐久性が優れていることが「ガルバリウム鋼板」の特徴です。

最近では、価格も比較的安価であることから、トタンの代用として屋根材・壁材で使用されています。

 

ガルバリウム鋼板屋根はメンテナンスがいらない?

ガルバリウム鋼板屋根はトタン屋根に比べて耐久性が高いので、メンテナンスフリーだとアピールする業者がいますが、それは完全な誤解です。

そもそも、どんな屋根も多かれ少なかれメンテナンスは必要なのです。

ガルバリウム鋼板屋根の場合は、メンテナンスをすることで見た目をキレイに保つことができ、耐久性を維持することにつながります。

ガルバリウム鋼板屋根はメンテナンスが必要です。

 

ガルバリウム鋼板屋根のメリット

ガルバリウム鋼板屋根の4つのメリットを紹介します。

  1. 錆びに強い
  2. 耐久性が高い
  3. 軽い
  4. デザイン性が高い

 

それぞれについて簡単に解説します。

①錆びに強い

トタン屋根(カラー鉄板)に比べて、3倍以上は錆びにくくなっています。

赤錆びが発生しずらいという特徴があり、ガルバリウム鋼板のメリットです。

屋根材に赤錆びが発生すると劣化した印象が強いです。

※赤錆びの前に白錆びが発生する特徴があり、白錆びは劣化した印象が弱いです。

 

②耐久性が高い

ガルバリウム鋼板は赤錆びが発生しずらいので、耐久性が高いと言えます。

トタンは5~10年で赤錆びが発生するのですが、ガルバリウム鋼板は15~20年と長持ちします。

 

③軽い

屋根材の中では、もっとも軽いです。(約5㎏/㎡)

スレート屋根材と比較しても1/4と軽いです。

 

④デザイン性が高い

立平葺きなどは、緩い屋根勾配(5/100以上)でも対応可能です。

直線的な印象の屋根からアール状の屋根まで、多様なデザインにも、対応しています!

 

ガルバリウム鋼板屋根のデメリット

ガルバリウム鋼板屋根の6つのデメリットを紹介します。

  1. 初期費用(イニシャルコスト)が高い
  2. メンテナンス費用が高い
  3. 音がうるさい
  4. 強風で飛散しやすい
  5. 保証のハードルが高い
  6. 錆びることがある

 

以下でそれぞれについて簡単に解説します。

①初期費用(イニシャルコスト)が高い

ガルバリウム鋼板屋根の材工価格は種類(縦葺き、横葺き)によって大きくことなりますが、スレート屋根と比べると高くなっています。

横葺きの断熱材付タイプは瓦屋根よりも高いぐらいです。

 

②メンテナンス費用が高い

ガルバリウム鋼板屋根は塗装メンテナンスを定期的に行う必要があります。

表面の塗膜がチョーキング(指でこすって白い粉が付く現象)したら、塗り替えのタイミング(10年程度毎)です。

塗装メンテナンスをせずにそのまま放置すると塗膜のはがれ・赤錆びが発生してしまい、寿命が短くなります。

 

③音がうるさい

ガルバリウム鋼板屋根の基本構成はトタン屋根と同じであるため、雨音がうるさいです。

また、温度変化で伸縮するので、伸縮による大きな音がすることもあります。

他の屋根材から葺き替えしたときに、「雨音がうるさくて眠れない」と相談を受けることがあります。

 

④強風で飛散しやすい

ガルバリウム鋼板屋根は長尺ものが多いです。

新築時、施工がしっかりしていれば、強風でも飛散することはありません。

経年で屋根周辺部(軒・けらば・棟)からの雨水浸入や結露(くぎまわり、軒先)などで、野地板が劣化してしまいます。

野地板の経年劣化により、くぎ・ビスの保持力が低下することでガルバリウム鋼板屋根全体が飛散するリスクがあります。

 

⑤保証のハードルが高い

ガルバリウム鋼板屋根は他の屋根材に比べて保証の年数がしっかり表示されています。

しかし、保証に対して免責事項が数多く記載されており、実際に補償してもらうにはハードルが高くなっています。

保証期間の長さで選ぶなら、免責事項を確認しておきましょう。

 

⑥錆びることがある

トタン屋根に比べて3倍以上錆びにくいですが、ガルバリウム鋼板屋根は錆びないわけではありません。

緩勾配での水溜まり、土ほこりの堆積、塩害、木材の接触、他の金属との電食などで錆びが進行しますので、注意が必要です。

 

ガルバリウム鋼板について詳しくはこちらの記事で解説しています。

どんな屋根材?知っておきたいガルバリウム鋼板のメリットとデメリット

 

ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンスが必要なタイミング

ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンスとしては、定期点検(自然災害後、5年に1回の業者点検)とクリーニングメンテナンス、修繕を伴うメンテナンスがあります。

クリーニングメンテナンスとは、「屋根を美しく保つために年に数回水洗いをする」というものです。

具体的には、屋根面に落ち葉、動物の排泄物や粉じんが堆積した場合に水洗いを行うことが必要です。(保証条件になっているので注意しましょう。)

 

修繕が必要なガルバリウム鋼板の劣化症状を紹介します。

  1. コケ
  2. チョーキング(色あせ)
  3. 錆び

 

以下でそれぞれについて簡単に解説します。

①コケ

ガルバリウム鋼板屋根で傾斜が緩く日当たりが悪いとコケが発生します。

水が溜まりやすい場所となっており、放置していると錆びが発生してしまいます。

水洗いをしてコケを取り除きましょう。

 

②チョーキング(色あせ)

ガルバリウム鋼板屋根の表面の塗装は10年程度で色あせします。

指でこすると白い粉がつくチョーキングが発生する状態です。

塗装メンテナンスを行うタイミングで、このまま放置すると錆びが発生してきます。

 

③錆び

ガルバリウム鋼板屋根の端部・曲げ加工部・きずなどは錆びが発生します。

最初に白錆び(錆びの外側の白い部分)が発生して、その後赤錆びが進行します。

白錆びが発生する前に、塗装メンテナンスを行うことで、ガルバリウム鋼板屋根の寿命を長持ちさせることにつながります。

 

ガルバリウム鋼板屋根でやるべき4つのメンテナンス

ガルバリウム鋼板屋根でやるべき4つのメンテナンスを紹介します。

  1. 定期的に水をかける
  2. 塗り替え
  3. カバー工法
  4. 葺き替え

 

次の章から詳しく解説していきます。

 

【メンテナンス】①定期的に水をかける

ガルバリウム鋼板は、塩分やほこりなどの付着により錆びが発生してしまうため、年に数回程度、水をかけると長持ちします。

水道水で表面の汚れを流すように水をかけましょう。

また、小動物(鳥など)の糞尿がかかった状態で放置すると錆びが発生するので、洗い流しましょう。

落ち葉や草なども掃除して取り除きましょう。

ただし、ガルバリウム鋼板屋根の水洗いすることは高所作業となるため、業者に依頼することをオススメします。

 

【メンテナンス】②塗り替え

ガルバリウム鋼板屋根にコケやチョーキング(色あせ)・錆びなどが発生している場合は、塗り替えが有効です。

錆びなどの劣化症状が見られるときは、表面の塗膜だけではなく、めっき層も劣化しているので、早めに塗装しないと劣化は拡がってしまいます。

塗装の費用目安は40~80万円程度とお考えください。

 

【メンテナンス】③カバー工法

ガルバリウム鋼板屋根の錆びが進行していたり、雨漏りしたりしている場合は塗り替えではなく、カバー工法によるメンテナンスがあります。

既存の屋根材の形状によって、新しい屋根材をその上にカバーする場合と新しい野地合板をその上にカバーしてから新たにガルバリウム鋼板屋根を設置する場合があります。

カバー工法は既存の野地合板が劣化していない場合となります。

カバー工法の費用相場は、80~200万円程度とお考えください。

 

【メンテナンス】④葺き替え

葺き替えとは、既存の屋根材をめくり、新しい屋根材に交換する工事です。

ガルバリウム鋼板屋根の錆びが進行していたり、雨漏りしたりしている場合は塗り替えではなく、葺き替えによるメンテナンスを行います。

とくに、既存の野地合板が劣化している場合は葺き替えをオススメします。

葺き替え工事の費用相場は、100~240万円程度とお考えください。

 

既存屋根がスレート屋根の場合、アスベストが含まれているのでカバー工法はオススメできませんが、ガルバリウム鋼板屋根であれば、カバー工法も選択肢の1つとなります。

カバー工法について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根修理でカバー工法を行うメリットやデメリットは?注意点も解説!

 

【まとめ】ガルバリウム鋼板屋根はメンテナンスが必要

ガルバリウム鋼板屋根はトタン屋根に比べて耐久性が高いので、メンテナンスフリーだとアピールする業者がいますが、それは完全な誤解です。

ガルバリウム鋼板屋根はメンテナンスが必要です。

ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンスとしては、定期点検(自然災害後、5年に1回の業者点検)とクリーニングメンテナンス、修繕を伴うメンテナンスがあります。

クリーニングメンテナンスとは、「屋根を美しく保つために年に数回水洗いをする」というもので、具体的には、屋根面に落ち葉、動物の排泄物や粉じんが堆積した場合に水洗いを行うことが必要です。(保証条件になっているので注意しましょう。)

修繕を伴うメンテナンスとしては、塗り替え、カバー工法、葺き替えがありますので、既存屋根の状態を診て、適したメンテナンスを行いましょう。

 

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