屋根修理でカバー工法を行うメリットやデメリットは?注意点も解説!

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 屋根修理でカバー工法を行うメリットとデメリットを知りたい
  • 屋根修理でカバー工法を行う場合の注意点を知りたい
  • カバー工法の手順や価格の相場を知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は「屋根修理でカバー工法を行うメリットとデメリットを知りたい」「屋根修理でカバー工法を行う場合の手順や価格・注意点を知りたい」という方に向けて解説しています。

屋根修理やリフォームが必要となったとき、葺き替え以外の選択肢に上がるのがカバー工法(重ね葺き)です。
カバー工法は、葺き替えより費用が安くなるというメリットがあります。
でも、気をつけておきたいデメリットや注意点もあります。

本記事では、屋根修理でカバー工法を行うメリットやデメリット・注意点を解説していきます。カバー工法の手順や価格についても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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カバー工法とは

カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい防水シートと屋根材をかぶせる工法のことです。

既存屋根材を解体する作業が不要なことから、工事費用が安価となり人気の屋根修理の方法です。

スレート屋根・金属屋根・アスファルトシングル屋根などの平滑な屋根で採用される工法です。

一方で、瓦屋根、セメント瓦屋根などの厚み・凹凸のある屋根では対応していません。

 

屋根修理でカバー工法を選択するメリット

屋根修理でカバー工法を選択するメリットをご紹介します。

  • 工期が短い
  • 騒音やホコリのトラブルが少ない
  • 廃材がほとんど発生しない
  • 工事中も普段通り生活できる
  • リフォーム費用が安い
  • 雨漏りするリスクが少ない

カバー工法を選択する最大のメリットはイニシャルコストが安価となることです。

既存の屋根材をはがす費用がかからないため、葺き替えに比べて安価となります。

また、既存の屋根材をはがさないため、工事中の急な雨でも雨漏りするリスクが少ないです。

工期も短いこともお客様の負担軽減につながります。

 

屋根修理でカバー工法を選択するデメリット

屋根修理でカバー工法を選択するデメリットをご紹介します。

  • 耐震性に影響する可能性がある
  • 瓦屋根にはほぼ対応できない
  • 内部の補修が必要な場合には施工できない
  • 太陽光発電などの設置が難しくなる
  • 選択できる屋根材が限られる
  • 屋根下地の状態によっては施工できない
  • 将来の改修・解体時の費用が2倍以上と高額になる

カバー工法のデメリットは雨漏り・結露などの屋根不具合では、屋根下地が劣化していて強度がないため、カバー工法が施工できないことです。

屋根材の退色などで屋根修理する場合に限られることです。

また、今回の屋根修理ではカバー工法したとすると、次回の屋根修理費用(解体・葺き替え)が2倍以上の高額になってしまうことです。

2つの屋根材を分別して解体するため、余分な手間がかかってしまいます。

長寿命住宅などでは、次回の屋根修理までの計画をもとにカバー工法するか検討してください。

スレート屋根に対するカバー工法のメリット・デメリットに関して詳しくはこちらの記事をご覧ください。

スレート屋根のカバー工法をする前に知っておくべきメリット・デメリットは?

 

既存の屋根材によってはカバー工法は不可能

既存の屋根・屋根材が以下の場合はカバー工法はNGです。

  • 屋根材が瓦・セメント瓦
  • 雨漏りしている屋根
  • 雨漏り・結露などで屋根下地が劣化している屋根

雨漏りしている屋根のカバー工法はリスクが高いので、やめておきましょう。

少なくともカバー工法する前に、雨漏りの屋根修理を行い、雨漏り原因を無くしておきましょう。

カバー工法して雨漏りが止まらなかった場合は、雨漏り修理できなくなりますので、ご注意ください。

また、雨漏り・結露などで屋根下地が劣化している屋根もリスク高いです。

屋根下地が劣化しているとくぎやビスの保持力がないため、巨大台風などで飛散する恐れがあるからです。

 

カバー工法を行うときの屋根修理費用の目安

カバー工法を行うのときの屋根修理費用の目安をご紹介します。

作業項目1㎡あたり費用目安1棟あたり費用目安
カバー工法での屋根材設置6,000~12,000円(屋根材の種類により異なる)60~120万円
粘着層付防水シート設置1,500~2,000円(防水シートの種類により異なる)15~20万円
屋根下地設置(野地合板増し張り)2,500~3,000円25~30万円
雪止・軒・けらば・棟などの板金設置(必要に応じて)2,000~5,000円20~50万円
諸経費・廃材処分費等1,000~2,000円(全体の8~10%)10~20万円

その他に足場費用が必要な場合があります。

既存屋根の状態によっても費用が異なりますので、見積を比較しましょう。

 

カバー工法で屋根修理を行う手順は?

カバー工法での屋根修理の手順をご紹介します。

①足場組立・養生シート

全周に足場を設置します。

②棟板金・雪止金具の撤去

既存屋根材の表面から出ているものを撤去します。

棟板金・貫板・雪止金具・アンテナなどを撤去します。

③防水シート張り

既存屋根材の表面に粘着層付ルーフィングを設置します。

④屋根本体張り

粘着層付ルーフィングの上に、新規屋根材を施工します。

⑤棟板金の仕上げ

棟板金を設置します。

⑥雪止金具を設置

新規屋根材に雪止を設置します。

⑦足場解体

足場を解体して完成です。

 

カバー工法による屋根修理で気をつけておきたい3つのポイント

カバー工法による屋根修理で気をつけておきたい3つのポイントをご紹介します。

  1. アスベストを含む場合は飛散リスクが高くなる
  2. 屋根木部(野地合板)の劣化リスクが高くなる
  3. パミール屋根のタッカー・釘がサビている屋根は危険

 

①アスベストを含む場合は飛散リスクが高くなる

 

アスベストを含んでいるスレート屋根のカバー工法では、将来、屋根補修・解体時のアスベスト飛散リスクが高くなります。

カバー工法するときにスレート屋根に孔をあけるため、アスベストの粉じんがスレート屋根の上に堆積します。

次回の屋根メンテナンス時に飛散するリスクが高く、また、アスベスト付きルーフィングなども発生するので、廃棄費用が高額となります。

 

②屋根木部(野地合板)の劣化リスクが高くなる

既存の野地合板の上面や端部を確認せずに、カバー工法してしまうため、屋根木部に劣化要因があってもわかりません。

劣化要因を取り除くことせずに、新しい屋根材でふたをしてしまうので、将来の屋根木部の劣化リスクが高まります。

小屋裏からの野地板の確認で、一部でも雨漏りや結露の跡が見られた場合は、カバー工法はオススメしません。

スレート屋根の木部の劣化リスクについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

スレート屋根のカバー工法をする前に知っておくべきメリット・デメリットは?

 

 

③パミール屋根のタッカー・釘がサビている屋根は危険

パミール屋根で使用されている釘やルーフィングを留めているタッカーがサビている屋根でのカバー工法は危険です。

パミール屋根に水分が含まれているため、カバー工法でふたをすることはやめておきましょう。

パミール屋根のカバー工法のリスクについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

パミール屋根のタッカー・くぎがさびている カバー工法は危険です

 

葺き替えかカバー工法かよく考えよう

カバー工法を提案されても葺き替えも併せて検討してください。

とくに、アスベストが含まれている屋根材のカバー工法は慎重に考えましょう。

石綿(アスベスト)含有産業廃棄物として廃棄する費用は、右肩上がりで年々高騰しています

現時点で、10年前の5倍以上になっています。

今、カバー工法を行うことは、廃棄を将来へ先延ばしすることになるため、将来の廃棄費用がさらにかさむことになります。

将来、家を引き継ぐ子供・孫へ負の遺産を残すことになります!

また、10年後、塗装品であるガルバリウム鋼板のメンテナンスがやってくるのです!

さらに、2度目のメンテナンスとして、カバー工法屋根の2重めくりをした場合、めくり費用は2倍以上となります。

今回のリフォームは少し安価ですが、将来まで見ると、トータルでは高価となることをご承知ください!

アスベストの入ったスレート屋根のカバー工法をご検討の方は、こちらの記事をご覧ください。

スレートのカバー工法屋根の葺き替え カバー工法を勧めない理由を解説!

 

屋根修理で葺き替えを選択すべき3つのケース

以下の3つのケースは葺き替えを選択するべきケースです。

  1. 築30年以上経過している
  2. 雨漏りしたことがある
  3. 屋根が瓦屋根である

 

 

①築30年以上経過している

 

築30年以上経過している屋根は、屋根木部(野地合板)が腐朽している可能性が高いです。

今では標準的である小屋裏換気が設置されていない屋根も多くあります。

葺き替えして、劣化している屋根木部も交換することで、再び、災害にも耐えうる屋根となります。

カバーして表面をきれいにしても、災害に弱ければ10年も持たない可能性があります。

 

②雨漏りしたことがある

 

小屋裏から野地合板を確認して、雨漏り痕がある場合は葺き替えしましょう。

小屋裏側はそれほど劣化していなくても、上側が劣化していることは多くあります。

カバー工法の屋根材を留め付ける釘・ビスを保持できない可能性が高くなります。

 

 

③屋根が瓦屋根である

 

瓦屋根は、厚みがあり表面に凹凸があるため、カバー工法は施工できません。

セメント瓦も同様で葺き替えをご検討ください。

 

【まとめ】迷っているなら専門業者に相談してみよう

屋根修理でカバー工法を選択するメリットをご紹介します。

  • 工期が短い
  • 騒音やホコリのトラブルが少ない
  • 廃材がほとんど発生しない
  • 工事中も普段通り生活できる
  • リフォーム費用が安い
  • 雨漏りするリスクが少ない

屋根修理でカバー工法を選択するデメリットをご紹介します。

  • 耐震性に影響する可能性がある
  • 瓦屋根にはほぼ対応できない
  • 内部の補修が必要な場合には施工できない
  • 太陽光発電などの設置が難しくなる
  • 選択できる屋根材が限られる
  • 屋根下地の状態によっては施工できない
  • 将来の改修・解体時の費用が2倍以上と高額になる

既存の屋根・屋根材が以下の場合はカバー工法はNGです。

  • 屋根材が瓦・セメント瓦
  • 雨漏りしている屋根
  • 雨漏り・結露などで屋根下地が劣化している屋根

カバー工法を提案された場合、葺き替えも見積してもらいましょう。

自分のライフプランに照らし合わせて、カバー工法か葺き替えか選びましょう。

迷ったときは、複数の業者に相談して納得してから屋根修理することをオススメします。

 

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