寺院の瓦屋根 雨漏り修理を行いました!
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
寺院の瓦屋根における雨漏り修理を行いました!
屋根形状がちょっと特殊な方形屋根(ほうぎょうやね)だったので、簡単にご紹介いたします!
方形屋根とは?
方形屋根とは、四角錘(しかくすい)状で、四方の隅棟が1つの頂点に合わさる屋根のことです。
屋根を真上からみると真っ四角(正方形)になっている屋根だと想像してください。
方形屋根の頂点には、特殊な屋根飾りが設置されます。
通常の屋根とは異なる瓦の納め方となります。
雨漏り調査
雨漏り調査に伺ったところ、丁度真ん中の天井に雨染みがありました。
そこで天井上の小屋裏に入って、調査を行いました。
赤外線サーモグラフィで熱画像を撮影したところ、
方形屋根の頂点付近に雨漏りによる温度低下部分を確認できました。
およその雨水浸入場所がわかりましたので、その屋根部分がどうなっているのか?屋根の上を調べました。
方形屋根の頂部にある露盤(ろばん)辺りから雨水浸入していることがわかりました。
これ以上の調査は屋根を解体しなければなりません。
露盤付近からの雨漏りを想定して、補修部材の準備も整えて、解体&補修を行うこととしました!
解体・補修工事
解体工事
屋根の頂部に設置されている宝珠(ほうじゅ)は重量もあり、大変高価なものなので、落下させると大変なことになります。
そのため、クレーン車も用意して、万全の体制で解体を開始しました!
宝珠、擦(さつ)、覆鉢(ふくばち)を順番に足場上に降ろしました。
最後に露盤でしたが、200㎏を超える重量で組んだまま、慎重に吊り上げました!
重たい露盤を慎重に足場へ運びました!
露盤を外してみると、通常の納め方と異なっていました。
露盤の中は通常あるはずの束(つか)はなく、水受け板金が入っていました。
覆鉢と露盤のつなぎ目から雨水浸入して、露盤の中にある水受け板金に溜まった水がオーバーフローして雨漏りしたことがわかりました。
この構造では、覆鉢や露盤のつなぎ目のシール材が劣化する度に、雨漏りが発生するリスクがあります。
そこで、露盤内に仮に浸水しても排水できる構造に変更して、補修することにしました!
補修工事
露盤内の構造が予想と違っていましたので、補修部材をすぐに手配しました。
幸い、補修部材はお店に在庫としてあったので、2時間車を飛ばして、ゲットできました!
雨漏りリスクのある水受けを撤去しました。
そして、露盤の内側に新たに下地を整えました。
このままでは、やがて、ルーフィングが劣化するリスクがありますので、急遽用意した鉛板をこの上にカバーしました。
厚く重い鉛板ですが、柔軟性があるので、瓦の形状に加工しました!
露盤を慎重にクレーン車で吊って、のし瓦の上に設置しました。
露盤の中には、なんばんしっくい(黒いかたまり)を入れ込み、雨水が浸入しても溜まることなく露盤の隙間から排水できるようにしました!
このアイデアは瓦職人だから浮かぶ素晴らしい知恵だと私はとても感激しました!
露盤の上に覆鉢を取付けました。
最後に、宝珠をしっかりと固定しました!
方形屋根はもともと極まれな屋根形状です。
その雨漏りはさらに少ないので、希少な雨漏り補修現場ですので、簡単にご紹介させていただきました!
ベテランの瓦職人の知恵によって、解体及び改修工事は1日で終えることができました!
まとめ:的確な調査と経験によって、短期間で補修完了しました!
雨漏り調査で、的確に雨水浸入場所を特定できました!
寺院の大きな屋根でしたが、しっかりと解体・補修の準備をしていたので、1日で完了しました!
解体してみると予想とは、異なった納まりでしたが、瓦職人の知恵で、無事に補修することができました!
お寺さんの屋根は普段見ない瓦も使用するので、わかりにくい所もあったかと思います。
何かありましたら、お気軽にお問い合わせください。(お電話でも大丈夫ですよ!)(担当:神谷あきのり)
神清からのお願い
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