目次
屋根材のおすすめ5選を紹介します!
いろいろ素材の屋根材がある中で、おすすめの屋根材を5つご紹介します。
- 瓦
- スレート
- ガルバリウム鋼板
- ジンカリウム鋼板
- アスファルトシングル
次の章からそれぞれについて、わかりやすく解説していきますね。
【おすすめの屋根材】①瓦
瓦は古来から日本にある屋根材で、日本人が最も親しみのある屋根のひとつです。
瓦の伝統的なデザインと重厚感は、根強い人気があります。
瓦の特徴
瓦の特徴は以下の4つです。
・焼物で耐久性が高い(60年以上)
・メンテナンス費用が安い(塗装品ではないので塗装メンテナンスはNG)
・重厚感あるデザイン(和風から洋風まで多種の形状・色がある)
・防音性が高い
瓦の注意点
瓦の注意点は以下の4つです。
・初期費用が高い
・寒冷地に向いていない
・重いため、建物をそれに合わせて少し強いものにする
・古い日本瓦屋根は強風で飛散する
耐久性があるため、長く使いたい人やメンテナンス費用をおさえたい人におすすめです。
同じ瓦でもセメント瓦は全く特徴が異なる
最近はほとんど新築では使われなくなったセメント製屋根材(以下、セメント瓦と呼ぶ)も瓦の仲間とされています。
同じ瓦とついても上記の瓦(粘土瓦)とセメント瓦では全く特徴が異なるのでご注意ください。
セメント瓦は焼物ではないので寿命は30年と短く、塗装品なので定期的な再塗装メンテナンスが必要です。
瓦のメリットがセメント瓦にはないのでしっかりと区別しておきましょう。
【おすすめの屋根材】②スレート
スレートは工事費用が安く、50年以上の実績のある屋根材です。
東京・大阪など人口密集地周辺によく使われています。
スレートの特徴
スレートの特徴は以下の3つです。
・初期費用が安い(建売住宅によく採用されている)
・シンプルなデザイン
・施工業者が多い
スレートの注意点
スレートの注意点は以下の3つです。
・割れやすい(施工・メンテナンス時の踏み割れ)
・色落ちする(塗装品)
・メンテナンスが頻繁に必要(10年程度毎に塗装メンテナンス)
初期費用を安価にしたい人におすすめです。
【おすすめの屋根材】③ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板(アルミ亜鉛合金メッキ鋼板)は、割れにくく防水性が高いのが特徴の屋根材です。
カラーガルバリウム鋼板は塗装品なので、塗装メンテナンスは必要です。
ガルバリウム鋼板の特徴
ガルバリウム鋼板の特徴は以下の4つです。
・割れにくい
・防水性が高い
・緩い角度の屋根にも設置可能
・もっとも軽いため地震に有利
ガルバリウム鋼板の注意点
ガルバリウム鋼板の注意点は以下の4つです。
・錆びる(カラー鉄板に比べたら、錆びにくいがやがて錆びる)
・雨音がひびく
・風で飛散する
・屋根下地が劣化しやすい
ガルバリウム鋼板には種類がある
ガルバリウム鋼板製屋根材は大きく2種類となります。
屋根の軒先に平行に設置される「横葺き」と垂直に設置される「縦葺き」があります。
住宅によく使われる横葺きは「断熱材一体型」となっており、瓦よりも高額な屋根材となります。
極端な緩勾配には使用できず、商品によって異なりますが、2.5、3寸以上の屋根の角度が必要です。
縦葺きは「立平葺き」が多く使用されており、緩い角度(0.5寸)の屋根でも施工可能となっています。
こちらは断熱材がついておらず、雨音が気になる方もいるのでご注意ください。
緩い角度の屋根にしたい人や軽い屋根にしたい人におすすめです。
【おすすめの屋根材】④ジンカリウム鋼板
ジンカリウム鋼板は外国製の石付成形金属屋根、重厚感のあるデザインが特徴的な屋根材です。
ガルバリウム鋼板に似た素材で、ジンカリウム鋼板の表面に着色した石粒が付いた屋根材です。
ジンカリウム鋼板の特徴
ジンカリウム鋼板の特徴は以下の4つです。
・重厚感がある
・変色が目立たない
・割れない
・軽いため地震に有利
ジンカリウム鋼板の注意点
ジンカリウム鋼板の注意点は以下の4つです。
・初期費用が高い(瓦より高い)
・錆びる(カラー鉄板に比べたら、錆びにくいがやがて錆びる)
・石粒などが落ちてくる
・全て輸入品で海外メーカー製である
重厚感のあるデザインで軽い屋根がいい人や30年程度塗装メンテナンスをしたくない人におすすめです。
【おすすめの屋根材】⑤アスファルトシングル
アスファルトシングルは、柔らかい屋根材なので割れにくいのが特徴です。
防水シートの表面に着色した石粒を貼り付けてある屋根材です。
アスファルトシングルの特徴
アスファルトシングルの特徴は以下の4つです。
・初期費用が安い(建売住宅によく採用されている)
・割れにくい
・曲面にも設置可能
・錆びない
アスファルトシングルの注意点
アスファルトシングルの注意点は以下の4つです。
・強風に飛ばされやすい
・石粒が落ちてくる
・メンテナンスサイクルが短い
・国産と海外製があり、施工方法がバラバラである
曲面のある屋根にしたい人や初期費用を抑えたい人にはおすすめです。
樹脂繊維セメント屋根材のルーガってどうなの?
ルーガは誕生して10年余りと歴史の浅い屋根材です。
樹脂と繊維とセメントが主な原材料の屋根材で、「かわらU」「ブルック」などの流れを継ぐ商品です。
ルーガの特徴
ルーガの特徴は以下の3つです。
・軽量であるが、重厚感のあるデザイン
・塗料が優れていて、色あせがしにくい(20~30年で塗装メンテナンス?)
・割れにくい
ルーガの注意点
ルーガの注意点は以下の3つです。
・瓦のようなデザインだが、焼物ではなく塗装セメント品である
・初期費用が高い(瓦より高い)
・歴史が浅く、耐久性に不安がある
ルーガは粘土瓦とは違うので、耐久性は瓦のように高くありません。
軽量瓦として販売されている会社が多いのですが、粘土瓦とは違うのでご注意ください。
ルーガについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
その他の屋根材も紹介します
屋根材のおすすめ5選以外の屋根材も参考までに紹介します。
- 銅板
- 工場や倉庫で用いる屋根材
- 波板などの短尺の屋根材
- 補修用の屋根材
- その他
①銅板
銅板の屋根は社寺仏閣でよく見かける緑青色(ろくしょう/緑色)の屋根材です。
平らな銅板を細かくはぜでつないだ状態で、平な屋根材が多いです。
新築時は10円玉の黄銅色なのですが、経年で表面に緑青色の被膜ができることで、耐久性が向上する特徴があります。
材料費がガルバリウム鋼板に比べて、かなり高額となるため住宅ではあまり使用されていません。
②工場や倉庫で用いる屋根材
大きな工場や倉庫で用いる屋根材は折板(せっぱん)と呼ばれるガルバリウム鋼板製の屋根材となります。
屋根の下地がなくても施工できるように、ガルバリウム鋼板の厚みが0.6~0.7mmと厚くなっています。
縦方向はつなぎ目がなく、1枚の長尺ものとなっており、緩い勾配(0.5寸以上)でも設置できる屋根材です。
③波板などの短尺の屋根材
テラス屋根などは波板などの短尺な屋根材が使用されます。
流れ方向に短尺(約2m)の屋根材を10㎝以上重ねて設置する場合が多いです。
ホームセンターなどでも購入することができます。
④補修用の屋根材
カバー工法でしか使用することができない屋根材があります。
スレートの表面を塗装する代わりにカバーする屋根材があります。
既存のスレートのサイズに合わせて開発されており、ガルバリウム鋼板(リコロニー)やFRP(ファイバージャケット)、高耐久防水シート(KYŌZIN Re-Roof)などの商品があります。
⑤その他
傾斜のない陸屋根では屋根材ではなく、防水工事を行い雨漏りを防ぎます。
防水材としては、ウレタン塗膜防水、FRP防水、シート防水、アスファルト防水などがあります。
屋根には必要な勾配(こうばい)があります
屋根材を選ぶときには注意してほしいことが1点あります。
屋根材によって、使用可能な屋根の勾配が決まっています。
屋根の勾配(こうばい)とは、屋根の傾斜角度のことです。
屋根の勾配(角度)が緩やかな場合、雨が流れにくくなるため、屋根材からの雨漏りするリスクが高くなります。
そのため、屋根からの雨漏りを防ぐため、屋根材によって最低限必要な勾配が定められているのです。
勾配は「寸/すん」という単位で表されます。
屋根材ごとの最低勾配は以下の通りです。
・瓦・・・4寸(通常品)・2寸(緩勾配仕様)
・スレート・・・3寸(通常品)・2.5寸(緩勾配仕様)
・ガルバリウム鋼板・・・0.5寸(立平葺き)
・石付金属屋根・・・2.5寸
・アスファルトシングル・・・3.5寸(通常品)・2.5寸(緩勾配仕様)
屋根リフォームを検討するときには、とくに注意してください。
各屋根材を取り扱う施工業者
各屋根材を取り扱う施工業者を一覧表で紹介します。
施工業者 | 取り扱う屋根材 |
---|---|
瓦工事業 | 瓦、セメント瓦、スレート、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板、アスファルトシングル、波板 |
板金工事業 | スレート、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板、アスファルトシングル、銅板、折板、波板 |
防水工事業 | ウレタン塗膜防水、FRP防水、シート防水、アスファルト防水 |
塗装工事業 | なし |
瓦工事業者が加盟している団体としては、全瓦連(全日本瓦工事業連盟)があります。
板金工事業者が加盟している団体としては、全板連グループがあります。
防水工事業者が加盟している団体としては、全国防水工事業協会があります。
何を重視するのかによってベストの屋根材は変わります
各屋根材でいろいろな特徴があるので、自分にあうのがどれなのか?悩むところだと思います。
そこで、単純に重要視するポイントに適した屋根材をあげておきます。
初期費用を抑えたい方 → スレート・アスファルトシングル
できるだけメンテナンスの手間・費用を省きたい方 → 瓦
とにかく軽さを求める方 → ガルバリウム鋼板
緩い屋根勾配を求める方 → ガルバリウム鋼板
コストパフォーマンスの高さを求める方 → 瓦
軽さと重厚感のデザインを求める方 → ジンカリウム鋼板
また、逆にこれだけは嫌だというポイントも確認しておきましょう。
雨音が気になるのが嫌な方 → ガルバリウム鋼板
もっとも重い屋根材が嫌な方 → 瓦
住宅ローン返済中にメンテナンスをしたくない方 → スレート・アスファルトシングル
外国製品の保証がなくなることが心配な方 → ジンカリウム鋼板
ベストな屋根材を選択のため、もっと詳しく屋根材比較をしたい方はこちらの記事をご覧ください。
屋根材の特徴や価格が丸わかり!あなたの最適を選ぶポイント6つ紹介
屋根材選びのポイントとは?
屋根材を選ぶときの6つのポイントを紹介します。
どのポイントを重視するかは、あなた次第です。
あなたのライフスタイルや好みにあった屋根材を選ぶ参考にしてください。
- 価格
- メンテナンス費用
- デザイン
- 耐用年数
- 生活への影響 →防音性や断熱性
- 災害耐性
それぞれの項目について簡単に解説します!
①価格
屋根材によって、もっとも安価なもの(6,000円/㎡)~高価なもの(12,000円/㎡)とおよそ2倍になります。
一般的住宅の屋根面積・100㎡で比較とすると、60万円~120万円となります。
初期費用の価格を重視するなら、スレート屋根・アスファルトシングル屋根がおススメです。
②メンテナンス費用
意外と見落としがちで、後で発生して、後悔するのがメンテナンス費用です。
初期費用の差よりも大きな差となるので、ぜひ、気にしてほしいポイントです。
住宅ローンの35年間のメンテナンス費用合計で比較してみますと、0円~200万円(100㎡)となります。
メンテナンス費用を重視するなら、瓦屋根がおススメです。
③デザイン
デザインは、各屋根材とも、色種や形状などがたくさん用意されています。
屋根の形状によって、適した屋根材を選ぶことが重要となります。
デザインの自由度の高さで選ぶなら、金属屋根(ガルバリウム鋼板)がおススメです。
④耐用年数
耐用年数は、表面塗装の耐用年数と屋根材自体の耐用年数を気にしてください。
塗装の耐用年数としては10年程度で、その都度、塗り替えが必要です。
屋根材自体の耐用年数として、瓦以外の屋根材は30年程度となります。
耐用年数を重視するなら、瓦屋根(60年以上)がおススメです。
⑤生活への影響 →防音性や断熱性
生活への影響は、夏の暑さと雨音があります。
これらは、住んでみて、はじめて体験できるものですが、意外と気になるものです。
夏の暑さ・雨音を低減する面を重視するなら、瓦屋根・石付金属屋根・樹脂繊維セメントがおススメです。
⑥災害耐性
年々、大きな自然災害が発生しているので、災害への耐性も屋根材には求められています。
これは、屋根材とともに施工の品質も影響しています。
また、屋根材を留め付けている野地板(屋根の下地)を劣化させないことも重要です。
災害耐性を重視するなら、樹脂繊維セメント屋根材がおススメです。
【まとめ】何を重視するのかで屋根材は決まる
おすすめの屋根材を5つご紹介しました。
- 瓦
- スレート
- ガルバリウム鋼板
- ジンカリウム鋼板
- アスファルトシングル
それぞれ一長一短がありますので、自分の重視するポイントで屋根材は決まってきます。
一例を紹介しました。
初期費用を抑えたい方 → スレート・アスファルトシングル
できるだけメンテナンスの手間・費用を省きたい方 → 瓦
とにかく軽さを求める方 → ガルバリウム鋼板
緩い屋根勾配を求める方 → ガルバリウム鋼板
コストパフォーマンスの高さを求める方 → 瓦
軽さと重厚感のデザインを求める方 → ジンカリウム鋼板
また、逆にこれだけは嫌だというポイントも確認しておきましょう。
雨音が気になるのが嫌な方 → ガルバリウム鋼板
もっとも重い屋根材が嫌な方 → 瓦
住宅ローン返済中にメンテナンスをしたくない方 → スレート・アスファルトシングル
外国製品の保証がなくなることが心配な方 → ジンカリウム鋼板
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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