屋根選びに迷ったら? おすすめの屋根材と選び方を徹底解説

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。
    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経ホームビルダー/日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆!
    屋根の業界新聞「日本屋根経済新聞」の連載記事「瓦工事店は‟屋根のドクター”」を執筆中!

本記事はこんな人にお勧めします。

  • おすすめの屋根材を知りたい
  • おすすめの屋根材のそれぞれの特徴を知りたい
  • 自宅に適したおすすめの屋根材を知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は「プロが推薦するおすすめの屋根材について知りたい」「自宅に適した屋根材の選び方を知りたい」という方に向けて書かれています。

屋根材には多くの種類があり、それぞれ特徴が異なります。

本記事ではプロが奨励する、おすすめの屋根材を5つ取り上げ、屋根材ごとのメリットやデメリット、選び方のポイントを解説します。

また、耐用年数や注意点も紹介しますので、ぜひマイホームに合った屋根材を選ぶときの参考にしてくださいね。

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プロが推奨! おすすめの屋根材は?

 

自宅に適した屋根材を選ぶために、まずは代表的な屋根材の種類を確認しましょう。

以下のおすすめの屋根材とその特徴を紹介します。

  • 瓦:耐久性が高く、デザインが豊富だが重い
  • スレート:コストが低いが、割れやすくメンテナンスが必要
  • ガルバリウム鋼板:軽量で防水性が高いが、雨音が響きやすい
  • アスファルトシングル:曲面にも対応できるが、強風に弱い
  • ジンカリウム鋼板:軽くて変色しにくいが、初期費用が高め

 

次の章から詳しく解説していきます。

 

プロがおすすめする屋根材① 瓦

 

瓦は古来から日本にある屋根材で、丈夫で日本人が最も親しみのある屋根のひとつです。

瓦は重厚感のあるデザインと高い耐久性が特徴です。

見た目の美しさだけでなく、長寿命である点も評価され、多くの住宅や社寺建築に採用されています。

耐久性に優れているため、一度施工すれば長期間(60年程度)にわたって使用できるのが大きな魅力です。

メンテナンスの手間や費用を抑えたい方、コストパフォーマンスの高い屋根したい方にも適した屋根材です。

 

メリット

 

  • 長寿命で高い耐久性
  • 塗装が不要で維持コストが低い
  • デザインの自由度が高い
  • 優れた防音性
  • 施工方法が基準法で定められた

 

瓦自体の高い耐久性に加えて、部分補修可能な施工方法であるため、屋根材の中で唯一の60年以上持つ屋根となります。

そのため、35年以上の屋根のライフサイクルコスト(初期費用+メンテナンスコスト)がもっとも安価となり、コストパフォーマンスが高い屋根材です。

瓦屋根は2022年に施工方法が基準法で厳格化されたので、職人の手抜き施工のリスクが軽減され、安全性の高い屋根材と言えます。

 

デメリット

 

  • 初期費用が高い
  • 寒冷地には不向き
  • 重量があるため耐震性に配慮が必要
  • 旧施工の瓦屋根は強風で飛ばされるリスクがある

 

イニシャルコストを重視する人には不向きな屋根材です。

新築では瓦の重量に見合った建物の強度で建設されるため、耐震性は変わらないです。

 

 

プロがおすすめする屋根材② スレート

 

スレートは施工費用が安くイニシャルコストコストが抑えられるセメント製の屋根材です。

50年以上の実績があり、日本では歴史のある屋根材です。

初期費用を抑えたい方に適した屋根材です。

 

メリット

 

  • 初期費用が安い
  • シンプルでどんな建物にも合う
  • 施工業者が多い
  • 軽量で建物にかかる負担が少なく、地震の揺れに強い

 

スレートは新築時の初期費用がもっとも安価な屋根材の1つです。

シンプルな屋根となり、どんな建物の外観にも合うので、建築会社が好む屋根材です。

 

 

デメリット

 

  • 割れやすい
  • 色落ちしやすい
  • メンテナンスコストがかかる

 

スレートは35年以上のライフサイクルコスト(初期費用+メンテナンスコスト)は高価となり、長寿命住宅におけるコストパフォーマンスは低下します。

 

スレートについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

スレート瓦とは?他の屋根材との違いは?スレート屋根を詳しく解説

 

 

プロがおすすめする屋根材③ ガルバリウム鋼板

 

ガルバリウム鋼板(アルミ亜鉛合金メッキ鋼板)は、トタンよりもサビにくい金属製の屋根材です。

形状を複雑に加工できるので、防水性が高い屋根材です。

屋根材の中でももっとも軽量となので、軽い屋根にしたい方に適した屋根材です。

メリット

 

  • 軽量で耐震性に優れる
  • 割れにくく、防水性が高い
  • 緩やかな屋根勾配でも対応できる
  • 複雑な形状にも対応できる

 

他の屋根材では対応不可な緩やかな屋根勾配でも施工できます。

 

デメリット

 

  • 塗装が剥げると錆びやすい
  • 雨音が響きやすい
  • 強風で飛ぶリスクがある
  • 塗装メンテナンスが必要

 

トタンに比べると錆びにくく改良されたガルバリウム鋼板ですが、やがては錆びます。

 

緩い角度の屋根にしたい人や軽い屋根にしたい人に適した屋根材です。

 

ガルバリウム鋼板屋根材の種類や特徴について詳しくはこちらの記事で解説しています。

人気の屋根材!ガルバリウム鋼板の種類と特徴を徹底解説!

ガルバリウム鋼板屋根の特徴とは?メリットやデメリット・費用を解説

 

 

プロがおすすめする屋根材④ アスファルトシングル

 

アスファルトシングルは柔軟性があるため割れにくく、曲線にも対応できる屋根材です。

アスファルトとガラス繊維などの非金属素材でできているため、サビることはありません。

防水シートの表面に焼き付け着色した石粒を貼り付けてある屋根材です。

曲面のある屋根にしたい人や初期費用を抑えたい人にはおすすめです。

 

メリット

  • 初期費用が安い
  • 割れにくい・サビない
  • 金属屋根以外ではもっと軽い
  • カーブのある屋根にも対応できる

 

柔らかい屋根材なので、割れにくく曲面にも対応できます。

デメリット

  • 強風で飛びやすい
  • 石粒が落ちやすい
  • メンテナンスサイクルが約20~年と短い

 

耐用年数が20~年と他の屋根材に比べると短めとなっています。

住宅用は輸入となっており、品質のグレードにばらつきがあります。

耐風性・耐久性の高いアスファルトシングルを選ぶことをオススメします。

アスファルトシングルについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

北米で人気の屋根材!アスファルトシングルのメリットとデメリットを解説

 

 

プロがおすすめする屋根材⑤ ジンカリウム鋼板

 

ジンカリウム鋼板は石粒がついた成形された外国製の金属屋根材です。

ガルバリウム鋼板に似た素材で、ジンカリウム鋼板の表面に着色した石粒が付いた屋根材です。

重厚感のあるデザインで軽い屋根がいい人や30年程度塗装メンテナンスをしたくない人におすすめです。

 

 

メリット

 

  • 石粒が付着した重厚感のあるデザイン
  • 石粒は着色する顔料をガラス質でコーティングしているため、色あせが目立たない
  • 軽量のため、耐震性に優れている

 

焼き付け着色した石粒がついており、30年程度の耐久性があります。

 

デメリット

 

  • 初期費用が高い
  • 石粒が落ちることがある
  • 輸入販売元や製造国、商品ごとに屋根の性能が異なる

 

初期費用が高く、また、30年で葺き替えとなるので、35年以上のライフサイクルコストは高めとなり、コストパフォーマンスは低いです。

 

屋根材の選び方-おすすめのポイントは?

屋根材の選び方について、おすすめのポイントを紹介します。

どのポイントを重視するかは、あなた次第であり、あなたのライフスタイルや好みにあった屋根材を選ぶ参考にしてください。

初期費用を抑えたいなら?

屋根材によって初期費用の差があり、もっとも安価なもの(6,000円/㎡)~高価なもの(12,000円/㎡)とおよそ2倍になります。

一般的住宅の屋根面積・100㎡で比較とすると、60万円~120万円となります。

新築時の60万円の差は気になるところとなります。

  • おすすめの屋根材:スレート、アスファルトシングル
  • 理由:施工費用が安価で、導入しやすい

 

メンテナンスの手間や費用を減らしたいなら?

意外と見落としがちで、将来、後悔するのがメンテナンスの手間と費用です。

初期費用の差よりもメンテナンス費用の差の方が大きいので、ぜひ、確認してほしいポイントです。

住宅ローンの35年間のメンテナンス費用合計で比較してみますと、0円~200万円(100㎡)となります。

メンテナンス費用・ライフサイクルコストを重視するなら、耐久性の高い瓦屋根がおすすめです。

  • おすすめの屋根材:瓦
  • 理由:メンテナンスサイクルが長く、長期的に費用を抑えられる

 

耐震性を重視するなら?

リフォームなどでは、古い建物の耐震性が気になると思います。

耐震性を重視するなら、軽い屋根が適しています。

  • おすすめの屋根材:ガルバリウム鋼板、アスファルトシングル、ジンカリウム鋼板
  • 理由:屋根の重量が軽く、地震時の建物への負担が少ない

 

デザイン性を重視するなら?

デザイン性を重視するなら、複雑な形状でも施工できる屋根材となります。

箱型住宅が好みなら、緩い勾配屋根となり、ガルバリウム鋼板の立平葺きとなります。

  • おすすめの屋根材:ガルバリウム鋼板、アスファルトシングル
  • 理由:複雑な形状でも施工可能であり、緩勾配屋根ならガルバリウム鋼板となる

 

生活への影響を考慮するなら?

生活への影響を考慮するなら、夏の暑さと雨音の対策です。

これらは住んでみて、はじめて体験できるものですが、意外と気になるものです。

夏の暑さ対策:瓦屋根・ガルバリウム鋼板(断熱材付き)となります。

雨音対策:瓦屋根・スレート・アスファルトシングル・ジンカリウム鋼板となります。

  • おすすめの屋根材:瓦屋根・石付金属屋根
  • 理由:夏の暑さ・雨音を低減できる

 

災害耐性を重視するなら?

年々、大きな自然災害が発生しているので、災害への耐性も屋根材には求められています。

これは、屋根材とともに施工の品質も影響しています。

また、屋根材を留め付けている野地板(屋根の下地)を劣化させないことも重要です。

  • おすすめの屋根材:樹脂繊維セメント(ルーガなど)
  • 理由:耐震性・耐風性・防水性・防腐性に優れているため

 

ルーガとは大阪市に本社を置くケイミュー株式会社が製造・販売している樹脂繊維セメント屋根材です。

 

ルーガについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

【ルーガ】樹脂繊維セメント屋根材のメリットデメリットとは?

 

 

おすすめの屋根材を徹底比較!

おすすめの屋根材について比較してみます。

屋根材初期費用メンテナンス頻度耐用年数特徴
少ない60年耐久性が高い
経済性に優れている
スレート10年ごとに塗装30年シンプルなデザイン
ガルバリウム鋼板
高(断熱材付)
10~15年ごとに塗装40年(塗装すれば)軽量
塗装が必要
雨音がうるさい
アスファルトシングル少ない20年
30年(高耐久品)
曲面にも施工可能
変色が少ない
強風に弱いものがある
ジンカリウム鋼板少ない30年変色・雨音が少ない

※耐用年数は、日本建築学会 建築工事標準仕様書・同解説 JASS12 屋根工事で定められた基準を表記しています。

一覧表をみると比較しやすくなります。

初期費用VSその後の費用(メンテナンス+耐久性)で比較することもオススメです。

 

屋根材を選ぶときの注意点

屋根材を選ぶ際には、以下の点に注意すべきです。

  • 住宅ローン返済中に塗装メンテナンスを避けたいなら、スレート・ガルバリウム鋼板は不向き
  • 雨音が気になるなら、ガルバリウム鋼板は避ける
  • 保証が必要なら、外国製のジンカリウム鋼板はあってないようなもの

 

住宅ローン返済中に塗装メンテナンスが発生するスレート・ガルバリウム鋼板をどう考えるかだと思います。

現在は、スレート・ガルバリウム鋼板が人気となっているからです。

塗装メンテナンスを避けたい方は、瓦・アスファルトシングル・ジンカリウム鋼板となります。

新築・長期間住まい続ける家で屋根のトータル費用をもっとも安価にできる屋根材は瓦となります。

現在は、瓦が人気薄となっています。

 

【まとめ】何を重視するのかで屋根材は決まる

おすすめの屋根材を5つご紹介しました。

  1. スレート
  2. ガルバリウム鋼板
  3. アスファルトシングル
  4. ジンカリウム鋼板

それぞれ一長一短がありますので、自分の重視するポイントで屋根材を選びましょう。

初期費用を抑えたい方 → スレート・アスファルトシングル

できるだけメンテナンスの手間・費用を省きたい方 → 瓦

とにかく軽さを求める方 → ガルバリウム鋼板

緩い屋根勾配を求める方 → ガルバリウム鋼板

コストパフォーマンスの高さを求める方 → 瓦

軽さと重厚感のデザインを求める方 → ジンカリウム鋼板

また、逆にこれだけは嫌だというポイントも確認しておきましょう。

雨音が気になるのが嫌な方 → ガルバリウム鋼板

もっとも重い屋根材が嫌な方 → 瓦

住宅ローン返済中にメンテナンスをしたくない方 → スレート・ガルバリウム鋼板

外国製品の保証がなくなることが心配な方 → ジンカリウム鋼板

 

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