目次
おすすめの屋根材5選!
いろいろ素材の屋根材がある中で、おすすめの屋根材を5つご紹介します。
- 瓦
- スレート
- ガルバリウム鋼板
- ジンカリウム鋼板
- アスファルトシングル
次の章からそれぞれについて、わかりやすく解説していきますね。
おすすめの屋根材その1【瓦】
瓦は古来から日本にある屋根材で、丈夫で日本人が最も親しみのある屋根のひとつです。
瓦の伝統的なデザインと重厚感は、根強い人気があります。
メリット
瓦のメリットは以下の4つです。
- 焼物であるため、60年以上の耐久性
- 塗装が不要でメンテナンス費用が安価(コストパフォーマンスが高い)
- 和風・洋風に合わせたデザインが豊富
- 防音性が高い
瓦自体の高い耐久性に加えて、部分補修可能な施工方法であるため、屋根材の中で唯一の60年以上持つ屋根となります。
そのため、35年以上の屋根のライフサイクルコスト(初期費用+メンテナンスコスト)がもっとも安価となり、コストパフォーマンスが高い屋根材です。
デメリット
瓦のデメリットは以下の4つです。
- 初期費用が高い
- 寒冷地には不向き
- 重量があるため、建物の強度が求められる
- 古い日本瓦屋根は強風で飛散する可能性がある
「瓦は高級品」のイメージ通り初期費用は高くなります。
イニシャルコストを重視する人には不向きな屋根材です。
新築では瓦の重量に見合った建物の強度で建設されるため、耐震性は変わらないです。
耐久性があるため、長く使いたい人やメンテナンス費用をおさえたい人におすすめです。
おすすめの屋根材その2【スレート】
スレートは施工費用が安く初期費用が安価である50年以上の実績のある屋根材です。
東京・大阪など人口密集地周辺によく使われています。
メリット
スレートのメリットは以下の3つです。
- 初期費用が安い
- シンプルでどんな建物にも合うデザイン
- 耐久性は30年程度
スレートは新築時の初期費用がもっとも安価な屋根材の1つです。
デメリット
スレートのデメリットは以下の3つです。
- 割れやすい
- 色落ちしやすく、10年毎に再塗装が必要
- メンテナンスコストがかかる
スレートは35年以上のライフサイクルコスト(初期費用+メンテナンスコスト)は高価となり、長寿命住宅におけるコストパフォーマンスは低下します。
初期費用を安価にしたい人におすすめです。
スレートについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
スレート瓦とは?他の屋根材との違いは?スレート屋根を詳しく解説
おすすめの屋根材その3【ガルバリウム鋼板】
ガルバリウム鋼板(アルミ亜鉛合金メッキ鋼板)は、割れにくく防水性が高いのが特徴の屋根材です。
カラーガルバリウム鋼板は塗装品なので、塗装メンテナンスは必要です。
メリット
ガルバリウム鋼板のメリットは以下の4つです。
- 軽量で地震に有利
- 割れにくく、防水性が高い
- 緩やかな屋根勾配でも対応可能
- 耐久性は30年
他の屋根材では対応不可な緩やかな屋根勾配でも施工できます。
デメリット
ガルバリウム鋼板のデメリットは以下の4つです。
- 錆びる(特に塗装がはげると)
- 雨音がひびきやすい
- 風で飛散する可能性がある
- 塗装メンテナンスが必要
トタンに比べると錆びにくく改良されたガルバリウム鋼板ですが、やがては錆びます。
緩い角度の屋根にしたい人や軽い屋根にしたい人におすすめです。
ガルバリウム鋼板屋根材の種類や特徴について詳しくはこちらの記事で解説しています。
ガルバリウム鋼板屋根の特徴とは?メリットやデメリット・費用を解説
おすすめの屋根材その4【ジンカリウム鋼板】
ジンカリウム鋼板は外国製の石付成形金属屋根で、重厚感のあるデザインが特徴的な屋根材です。
ガルバリウム鋼板に似た素材で、ジンカリウム鋼板の表面に着色した石粒が付いた屋根材です。
メリット
ジンカリウム鋼板のメリットは以下の3つです。
- 重厚感があるデザイン
- 変色が目立たない
- 軽いため地震に有利
焼き付け着色した石粒がついており、30年程度の耐久性があります。
デメリット
ジンカリウム鋼板のデメリットは以下の3つです。
- 初期費用が高い(瓦より高い)
- やがて錆びる
- 石粒が落ちてくる
初期費用が高く、35年以上のライフサイクルコストは高めとなり、コストパフォーマンスは低いです。
重厚感のあるデザインで軽い屋根がいい人や30年程度塗装メンテナンスをしたくない人におすすめです。
おすすめの屋根材その5【アスファルトシングル】
アスファルトシングルは、柔らかい屋根材なので割れにくいのが特徴です。
防水シートの表面に着色した石粒を貼り付けてある屋根材です。
メリット
アスファルトシングルのメリットは以下の3つです。
- 初期費用が安い
- 割れにくい
- 曲面にも設置可能
柔らかい屋根材なので、割れにくく曲面にも対応できます。
デメリット
アスファルトシングルのデメリットは以下の3つです。
- 強風で飛ぶことがある
- 石粒が落ちてくる
- メンテナンスサイクルが短い
耐用年数が20~年と他の屋根材に比べると短めとなっています。
曲面のある屋根にしたい人や初期費用を抑えたい人にはおすすめです。
アスファルトシングルについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
北米で人気の屋根材!アスファルトシングルのメリットとデメリットを解説
注目されつつある屋根材「ルーガ(ROOGA)」とは?
ルーガはとは大阪市に本社を置くケイミュー(株)が製造・販売している樹脂繊維セメント屋根材です。
樹脂と繊維とセメントが主な原材料の屋根材で、「かわらU」「ブルック」などの流れを継ぐ商品です。
軽量瓦として販売している会社もありますが、いわゆる瓦(粘土製・焼物)とは全く違う製品です。
メリット
ルーガのメリットは以下の3つです。
- 軽量(スレートと同じくらい)であるが、重厚感のあるデザイン
- 色あせがしにくい
- 瓦と比べて割れにくい
デメリット
ルーガのデメリットは以下の3つです。
- 焼物ではなく塗装セメント品であるので、紫外線劣化する
- 初期費用が高い(瓦より高い)
- 歴史が浅く、長期的な耐久性に不安がある(30年程度もつ?)
瓦のようなデザインで軽量な屋根にしたい人向けです。
ルーガについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
おすすめ5選以外の屋根材
おすすめ5選以外の屋根材も参考までに紹介します。
- 銅板
- 工場や倉庫で用いる屋根材
- 波板などの短尺の屋根材
- 補修用の屋根材
- その他
①銅板
銅板の屋根は社寺仏閣でよく見かける緑青色(ろくしょう/緑色)の屋根材です。
平らな銅板を細かくはぜでつないだ状態で、平な屋根材が多いです。
新築時は10円玉の黄銅色なのですが、経年で表面に緑青色の被膜ができることで、耐久性が向上する特徴があります。
材料費がガルバリウム鋼板に比べて、かなり高額となるため住宅ではあまり使用されていません。
②工場や倉庫で用いる屋根材
大きな工場や倉庫で用いる屋根材は折板(せっぱん)と呼ばれるガルバリウム鋼板製の屋根材となります。
屋根の下地がなくても施工できるように、ガルバリウム鋼板の厚みが0.6~0.7mmと厚くなっています。
縦方向はつなぎ目がなく、1枚の長尺ものとなっており、緩い勾配(0.5寸以上)でも設置できる屋根材です。
折板屋根について詳しくはこちらの記事で解説しています。
折半屋根(ガルバリウム鋼板など)を見比べて、はじめて気付いた共通点。
③波板などの短尺の屋根材
テラス屋根などは波板などの短尺な屋根材が使用されます。
流れ方向に短尺(約2m)の屋根材を10㎝以上重ねて設置する場合が多いです。
ホームセンターなどでも購入することができます。
波板の屋根材について詳しくはこちらの記事で解説しています。
かわいい八角形の屋根!波板屋根材で高防水・通気もバッチリ!!
④補修用の屋根材
リフォームにおけるカバー工法でしか使用することができない屋根材があります。
スレートの表面を塗装する代わりにカバーする屋根材があります。
既存のスレートのサイズに合わせて開発されており、ガルバリウム鋼板(リコロニー)やFRP(ファイバージャケット)、高耐久防水シート(KYŌZIN Re-Roof)などの商品があります。
カバー工法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
⑤その他
傾斜のない陸屋根では屋根材ではなく、防水工事を行い雨漏りを防ぎます。
防水材としては、ウレタン塗膜防水、FRP防水、シート防水、アスファルト防水などがあります。
屋根材選びに必要な6つのポイント
屋根材を選ぶときの6つのポイントを紹介します。
どのポイントを重視するかは、あなた次第であり、あなたのライフスタイルや好みにあった屋根材を選ぶ参考にしてください。
- 価格
- メンテナンス費用
- デザイン
- 耐用年数
- 生活への影響 →防音性や断熱性
- 災害耐性
それぞれの項目について簡単に解説します!
①価格
屋根材によって、もっとも安価なもの(6,000円/㎡)~高価なもの(12,000円/㎡)とおよそ2倍になります。
一般的住宅の屋根面積・100㎡で比較とすると、60万円~120万円となります。
初期費用の価格を重視するなら、スレート屋根・アスファルトシングル屋根がおすすめです。
②メンテナンス費用
意外と見落としがちで、後で発生して、後悔するのがメンテナンス費用です。
初期費用の差よりも大きな差となるので、ぜひ、気にしてほしいポイントです。
住宅ローンの35年間のメンテナンス費用合計で比較してみますと、0円~200万円(100㎡)となります。
メンテナンス費用・ライフサイクルコストを重視するなら、耐久性の高い瓦屋根がおすすめです。
屋根(35年以上)に対してもっともお金を掛けたくない人は瓦屋根にしましょう。
③デザイン
デザインは、各屋根材とも、色種や形状などがたくさん用意されています。
屋根の形状によって、適した屋根材を選ぶことが重要となります。
緩い屋根勾配も含めてデザインの自由度の高さで選ぶなら、金属屋根(ガルバリウム鋼板)がおすすめです。
④耐用年数
耐用年数は、表面塗装の耐用年数と屋根材自体の耐用年数を気にしてください。
塗装の耐用年数としては10年程度で、その都度、塗り替えが必要です。
屋根材自体の耐用年数として、瓦以外の屋根材は30年程度となります。
耐用年数を重視するなら、瓦屋根(60年以上)がおすすめです。
⑤生活への影響 →防音性や断熱性
生活への影響は、夏の暑さと雨音があります。
これらは、住んでみて、はじめて体験できるものですが、意外と気になるものです。
夏の暑さ・雨音を低減する面を重視するなら、瓦屋根・石付金属屋根・樹脂繊維セメントがおすすめです。
⑥災害耐性
年々、大きな自然災害が発生しているので、災害への耐性も屋根材には求められています。
これは、屋根材とともに施工の品質も影響しています。
また、屋根材を留め付けている野地板(屋根の下地)を劣化させないことも重要です。
災害耐性を重視するなら、樹脂繊維セメント屋根材がおすすめです。
【まとめ】何を重視するのかで屋根材は決まる
おすすめの屋根材を5つご紹介しました。
- 瓦
- スレート
- ガルバリウム鋼板
- ジンカリウム鋼板
- アスファルトシングル
それぞれ一長一短がありますので、自分の重視するポイントで屋根材を選びましょう。
初期費用を抑えたい方 → スレート・アスファルトシングル
できるだけメンテナンスの手間・費用を省きたい方 → 瓦
とにかく軽さを求める方 → ガルバリウム鋼板
緩い屋根勾配を求める方 → ガルバリウム鋼板
コストパフォーマンスの高さを求める方 → 瓦
軽さと重厚感のデザインを求める方 → ジンカリウム鋼板
また、逆にこれだけは嫌だというポイントも確認しておきましょう。
雨音が気になるのが嫌な方 → ガルバリウム鋼板
もっとも重い屋根材が嫌な方 → 瓦
住宅ローン返済中にメンテナンスをしたくない方 → スレート・アスファルトシングル
外国製品の保証がなくなることが心配な方 → ジンカリウム鋼板
屋根材選びに迷ったらお気軽にお問い合わせください。
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