みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
台風被害の補修の真っ只中ではありますが、棟包板金(むねつつみばんきん)の被害について考えてみました。
台風被害・棟包板金の飛散
棟包板金とはこれのことです。
スレート屋根や金属屋根で多く使われている棟部(屋根の頂上)をおおう板金のことです。
今回の台風でこの棟包板金が飛散する被害が多く見られました。
この棟包板金が飛散するパターンを大きく分けると2つに分類できます。
貫板(ぬきいた)ごと飛散するケース
貫板とは棟包板金を固定するための木材です。
貫板は釘で、野地板、垂木に留め付けられています。
しかし、上部現場のように、その貫板は屋根にありません。
棟包板金が貫板ごと飛散しているのです。
棟包板金だけが飛散するケース
貫板は屋根にしっかり固定されています。
棟包板金だけが飛散しています。
被害が発生する原因とその対策は?
貫板ごと飛散する原因
貫板ごと飛散する場合、貫板を留めているくぎが残っている状態が多いです。
これは、くぎが抜けた訳ではないのです。つまり、くぎの緊結力不足・くぎの劣化など、くぎの問題ではないのです。
⇒部分に注目してもらうと、くぎの頭が貫板の中にめり込んいるのが、わかると思います。
この部分の木材が劣化して、くぎ頭の周辺がバカ穴になってしまっているのです。
この木材劣化の原因は水分によるものです。(雨水浸入と結露)
くぎ頭周辺で水が溜まり、そこに接触している木材が腐食するのです。
貫板ごと飛散しないようにする対策
対策としては2つあります。
①貫板を劣化しないような材質とする。
貫板の材質を防腐処理済みの木材とするか、樹脂製とする。
くぎ頭部分で水が溜まっても、貫板が腐らなければ大丈夫という考え方です。
②くぎ頭で水が溜まらないようにする。
貫板の上に透湿ルーフィングを設置して、くぎ頭への雨水浸入を防ぎます。
また、くぎ頭の結露も透湿ルーフィングが排湿することで緩和されます。
棟包板金だけが飛散する原因
棟包板金はくぎを横から貫板に留めています。
横から留めることで、雨水がくぎから伝わるのを防いでいます。
今回のように強風で棟包板金に力がかかると、ところどころでくぎ抜けが発生します。
すると、残っているくぎ部分に力が集中してしまい、その部分の貫板が破壊され、棟包板金だけが飛散することになります。
この貫板は全体を見ても、くぎ穴周辺でも劣化はしていませんでした。
棟包板金だけで飛散しないようにする対策
横から留めるくぎをビスに変更する。
くぎをビスにすることで、強風でもくぎ抜きすることが軽減されます。
棟包板金を留めているビス全部が力を分散させることで、局部的な貫板が破壊することを防ぐことができます。
まとめ:棟包板金の飛散が多く見られたので、さらなる対策が必要ですね!
台風による棟包板金の飛散が多く発生しました!
飛散するパターン分けからその原因と対策を考えました!
とくに、日頃から強風となる立地の建物では、飛散防止対策が必要だと思います。
補修するときの参考にしてくださいね!
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