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台風による雨漏りがおこりやすい換気口の形状は?
換気口はフードなしタイプの換気口とフード(ベントキャップ)付きタイプの換気口があります。
フードなしタイプは、大雨と強風の台風時は雨漏りしてしまう可能性があります。
フード付きタイプの換気口へ交換されることをおススメいたします。
換気口の外部形状も重要ですが、パイプ・ダクトの形状・取付によっても雨漏りの可能性があります。
(引用:換気口周辺の防水施工マニュアル NPO法人住宅外装テクニカルセンタ-
住宅外装防水研究会 より)
台風による雨漏り対策は換気口のパイプ・ダクトが重要な役割を担う
換気口には、建物の内外をつなぐパイプ・ダクトと呼ばれる配管があります。
このパイプの取付角度が重要になります。
パイプの取付が室内側が下がった状態ですと、室内側への雨漏りの可能性が高くなります。(上の写真はパイプが室内側へ下がっているため、雨漏りが発生)
そのため、パイプの取付は室外側が下がった状態で取付してください。
また、ダクトの中には、蛇腹と呼ばれるクネクネと曲がる配管もあります。
蛇腹を換気口付近でいったん上にあがる状態の形状にしておくと、配管内に浸入した雨水が室内側に漏れることはなくなります。
換気口の雨漏り対策にフードは重要
近年の住宅は、マンションも一戸建ても24時間換気ができる「24時間換気システム」が全室において設置されています。
「24時間換気システム」において換気口は、外気を取り込む重要な役割を担っているが、台風のときは換気口から雨水が浸入することがあります。
換気口の外側にフードを取り付いているタイプを選ぶことが重要です。既に取り付けられているときは、フードカバーの劣化に注意してください。
フードカバーを取り換えを行うときは、高所作業となる場合が多く、危険を伴うため業者への依頼するようにしましょう!
台風による雨漏り対策で換気口をふさいでもいいの?
換気口は空気を取り込むという役割があるため、安易にふさぐことはおススメできません。
とくに、小屋裏(天井上)に設置されている換気口は、雨漏り対策で安易にふさいでしまうと小屋裏内での結露リスクを高めてしまいます。
小屋裏での結露は、野地板を腐れせてしまう可能性があります。
雨漏り修理は家全体を考えて、計画することが大切です。
換気口からの雨漏りであるなら、外部にフードを設置するなどの対策を行い、換気口をふさぐことは絶対NGです。
そもそも、雨漏りの原因が換気口でないことも多々ありますしね。
換気口をふさぐリスクについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
雨漏り修理は、家全体のバランスも大事!換気・通気をふさいではダメ!
台風による雨漏り対策は換気口の周辺も見ておこう
雨漏りの原因が、換気口の構造やパイプ・ダクトではなく、換気口の周辺が原因の場合もあります。
具体的には換気口と外壁のコーキングの劣化、換気口周辺の外壁のヒビ等などです。
換気口と外壁のコーキングが劣化して雨漏りする場合も多く、コーキングの寿命は約10年程度とお考えください。
換気口周りの外壁のヒビが割れた場所から雨水が浸入し雨漏りとなるケースもあります。
外壁のヒビの主な原因は建物の振動や外壁材自体の経年劣化が考えられます。
いずれも台風が来るまえに目視で確認しておきましょう。
コーキングによる応急処置に関して、知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【雨漏り応急処置】コーキング剤の素人が直す方法【プロが解説】
台風のときに妻換気口から雨が入るのでなんとかしたい
小屋裏換気の方式の中で、屋根の妻(つま)部分に設置する換気口は妻ガラリ、妻換気ガラリとも呼ばれています。
切妻屋根の妻(外壁の三角形の外壁部分屋根裏に取り付けられており、屋根裏の夏の温度上昇や冬の結露防止効果があります。
昔の換気口からは、台風の暴風雨で妻換気口から雨が入ってくる場合があるのですが、妻換気口のすき間から浸入する雨水を防ぐことは正直難しいです。
台風が来るときだけ、ブルーシートを小屋裏に敷いた上でタオル等の吸水性の高いもので養生しておくことは有効です。
先程の繰り返しになりますが、台風に関係なく常にふさぐことは、妻換気口が機能しないためおススメできません。
台風は年間数回ですが、結露は冬の3か月間ぐらいは必需品です。
台風対策!自分でやってみよう換気口の雨漏り調査
自分で行える換気口の雨漏り調査は、「目視調査」だけです。
目視調査は、雨水が浸入した形跡がないか確認することです。
目視調査
目視調査は、雨漏りした形跡や雨漏りしそうな場所がないかを目視で確認していく調査方法です。
天井から雨漏りした場合に、その真上に換気口があるか、確認してください。
また、換気口の周辺のシーリングが劣化していないか、確認しましょう!
専門業者が行う換気口の雨漏り調査は?
専門業者が行う雨漏り調査としては、「散水調査」と「赤外線サーモグラフィ調査」の2種類があります。
散水調査
散水調査は、雨漏りした浸入口を探すために、実際に、水道水の蛇口からシャワーで散水して、漏水の有無を確認する方法です。
換気口周辺の外壁などの構造を理解して、散水調査を行うことが重要です。
赤外線サーモグラフィ調査
赤外線サーモグラフィ検査は、建物の表面温度を撮影して、雨水による温度低下の有無を確認する調査方法です。
換気口周辺を撮影することで、換気口周辺からの雨水の浸入の有無を確認できます。
台風に関わらず普段から点検をしておこう!
普段から自分で点検を行っておき、家の状態をできるだけ把握しておくと、いざ、台風で雨漏りしたときにも、慌てずに対応できます。
巨大台風のときは雨漏りの発生件数が多く、専門業者がなかなか調査・修理に来てもらえません。
それに便乗する悪徳業者がいるため、注意が必要です。
台風後の業者が忙しい時期ではなく、不安があるときには、平時に信頼できる業者を探し、一度見てもらっておくことが悪徳業者対策となります。
まとめ
台風による換気口の雨漏りが心配な方向けに、原因や対策を解説しました。
換気口は形状によっては、雨水が入りやすい構造のものあります。
またコーキングの劣化や外壁のヒビ等も雨漏りの原因となるため注意が必要です。
自分で行うことができる換気口の雨漏りを確認する方法を解説しました。
・目視調査
雨漏りの原因は、専門業者でも把握することが難しい事例もあるため、自分でやってみて雨漏りの場所を特定できなかった場合は、早めに専門業者に依頼しましょう。
雨漏りの被害は想像以上に大きいこともあるため、雨漏り後の修理よりも台風が来る前に雨漏り対策をしておくことが大切です。
普段から家の状態をできるだけ把握しておき、台風に備えるようにしてくださいね。
雨漏りで気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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