目次
屋根葺き替え工事の費用相場
屋根葺き替え工事の費用は、屋根の大きさ・種類、立地などによって大きく異なります。
費用相場の目安として、葺き替えしやすい立地とした場合、約100㎡の屋根面積の時の屋根葺き替え工事費用は100~240万円程度とお考えください。
また、既存・新規の屋根材が何か、屋根形状、屋根勾配等によっても異なります。
新旧の屋根材別の費用相場をまとめました。
既存の屋根材 | 施工内容 | 総額費用目安 |
---|---|---|
瓦 | 瓦⇒瓦 | 160~240万円 |
瓦⇒スレート | 120~160万円 | |
瓦⇒ガルバリウム鋼板 | 160~200万円 | |
スレート | スレート⇒スレート | 100~140万円 |
(カラーベスト・コロニアル) | スレート⇒ガルバリウム鋼板 | 140~180万円 |
セメント瓦 | セメント瓦⇒瓦 | 140~220万円 |
(モニエル瓦・厚形スレート) | セメント瓦⇒ガルバリウム鋼板 | 140~180万円 |
トタン(カラー鋼板) | トタン⇒ガルバリウム鋼板 | 100~140万円 |
屋根葺き替え工事の工程
標準的な屋根葺き替え工事の工程を紹介します。
- 足場の設置
- 既存屋根の撤去
- 屋根下地(野地板)の調整・補強
- 防水シート設置
- 新規屋根の設置
- 板金・雪止等の設置
- 足場の解体
以下、簡単に写真で各工程を紹介します。
- 足場の設置
- 既存屋根の撤去
- 屋根下地(野地板)の調整・補強
屋根下地(野地板)の状態や新規屋根材の種類によって、野地下地を部分補修したり、増し張り、全面交換などして補強します。
- 防水シート設置
防水シートを新規に設置します。
- 新規屋根の設置
- 板金・雪止等の設置
屋根まわりに板金を設置して、地域によっては雪止を設置します。
- 足場の解体
最後に足場を解体して、掃除をして屋根葺き替え工事の完了となります。
屋根葺き替え工事の内訳費用の相場
屋根葺き替え工事の内訳費用の相場をご紹介します。
既存屋根の撤去費・処分費、新規屋根の施工費、下地補修費、防水シート、足場費用等が主な内訳となります。
内容 | 費用相場(㎡単価) |
---|---|
既存屋根材の撤去費 | 1,500~3,000円/㎡ |
既存屋根材の処分費 | 1,500~3,000円/㎡ |
新規屋根材の材料・施工費 | 【日本瓦・平板瓦】 8,000~12,000円/㎡ |
【スレート/カラーベスト・コロニアル】 5,000~8,000円/㎡ | |
【ガルバリウム鋼板/横葺き・縦葺き】 6,500~9,000円/㎡ | |
下地材料・補修費 | 2,500~3,500円/㎡ |
防水シート材料・施工費 | 500~1,500円/㎡ |
足場費用 | 900~1,500円/㎡ |
既存屋根の状態によって、下地補修費は大きく異なります。
上記内訳以外としては、諸経費として、福利厚生費・管理費・残材処分費等がかかります。
※建築資材(木材、鉄、セメント、輸入資材等)はウッドショック・ウクライナ紛争等で高騰しておりますので、2022.4現在の目安とお考えください。
屋根葺き替え工事の費用相場についてこちらの記事でも詳しく解説しています。
屋根葺き替え工事の費用相場は?屋根材ごとに違う金額を完全解説
スレートへの屋根葺き替え工事の費用相場
新規屋根材スレート(コロニアルグラッサ)への葺き替え工事のリアルな工事費用相場を紹介します。
既存屋根の条件はこちらとなります。
- 既存屋根材(パミール/無石綿)
- 総2階
- 屋根面積90㎡
- 切妻屋根
- 屋根勾配3寸
リアルな一例をご紹介します。
項目 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|
既存パミール(無石綿)撤去費 | 90 | ㎡ | 2,000 | 180,000 |
パミール(無石綿)処分費 | 90 | ㎡ | 1,500 | 135,000 |
下地調整費(野地板部分補修) | 90 | ㎡ | 1,000 | 90,000 |
遮熱コロニアルグラッサ材料代 | 90 | ㎡ | 3,600 | 324,000 |
副資材(ルーフィング、板金等) | 90 | ㎡ | 1,100 | 99,000 |
本体施工費 | 90 | ㎡ | 1,600 | 144,000 |
棟板金施工費 | 14 | m | 1,200 | 16,800 |
足場設置費 | 200 | ㎡ | 900 | 180,000 |
諸経費・福利厚生費・残材処分費(工事費10%) | 1 | 式 | 116,000 | |
消費税(10%) | 128,480 | |||
総合計 | 1,413,280 |
ガルバリウム鋼板への屋根葺き替え工事の費用相場
新規屋根材ガルバリウム鋼板・立平葺きへの葺き替え工事のリアルな工事費用相場を紹介します。
既存屋根の条件はこちらとなります。
- 既存屋根材(スレート/石綿含有)
- 総2階
- 屋根面積90㎡
- 切妻屋根
- 屋根勾配3寸
リアルな一例をご紹介します。
項目 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|
既存石綿スレート撤去費 | 90 | ㎡ | 2,500 | 225,000 |
石綿スレート処分費 | 90 | ㎡ | 2,500 | 225,000 |
下地調整費(野地板重ね張り) | 90 | ㎡ | 3,000 | 270,000 |
ガルバリウム鋼板立平ぶき材料代 | 90 | ㎡ | 4,500 | 405,000 |
副資材(ルーフィング、板金等) | 90 | ㎡ | 1,100 | 99,000 |
本体施工費 | 90 | ㎡ | 1,600 | 144,000 |
棟板金施工費 | 14 | m | 1,200 | 16,800 |
足場設置費 | 200 | ㎡ | 900 | 180,000 |
諸経費・福利厚生費・残材処分費(工事費10%) | 1 | 式 | 156,000 | |
消費税(10%) | 172,080 | |||
総合計 | 1,892,880 |
瓦屋根への屋根葺き替え工事の費用相場
新規屋根材F形瓦屋根への葺き替え工事のリアルな工事費用相場を紹介します。
既存屋根の条件はこちらとなります。
- 既存屋根材(日本瓦/葺き土なし)
- 総2階
- 屋根面積90㎡
- 切妻屋根
- 屋根勾配4寸
リアルな一例をご紹介します。
項目 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|
既存日本瓦(葺き土なし)撤去費 | 90 | ㎡ | 3,000 | 270,000 |
日本瓦(葺き土なし)処分費 | 90 | ㎡ | 1,800 | 162,000 |
下地調整費(野地板重ね張り) | 90 | ㎡ | 3,000 | 270,000 |
F形防災瓦材料代 | 90 | ㎡ | 3,500 | 315,000 |
副資材(ルーフィング、瓦桟木、ビス等) | 90 | ㎡ | 2,000 | 180,000 |
本体施工費 | 90 | ㎡ | 2,500 | 225,000 |
足場設置費 | 200 | ㎡ | 900 | 180,000 |
諸経費・福利厚生費・残材処分費(工事費10%) | 1 | 式 | 160,000 | |
消費税(10%) | 176,200 | |||
総合計 | 1,938,200 |
各種屋根材の特徴と価格について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根材の特徴や価格が丸わかり!あなたの最適を選ぶポイント6つ紹介
相場通りにいかないケースがあることも理解しておこう
費用相場の金額を紹介してきましたが、相場通りにはいかないケースもあります。
以下に代表的な事例を紹介します。
- 複雑な形状の屋根は費用が割高になる
- 屋根の勾配(傾斜)が急になると割高になる
- 屋根面積が狭いと割高になる
- 建物の立地が悪いと割高になる
- 下屋根があると割高になる
- 災害時は割高になる
とくに、道路が狭かったり、庭が広かったりして建物に廃棄用の車を付けることができず、廃材を運び込みする必要があると割高になります。
現地を確認してもらってから、見積してもらいましょう。
費用を抑えたいからといってカバー工法を選択するのは危険
既存の屋根の上に新しい屋根材を施工するカバー工法は、既存の屋根の撤去費用がかからないため、屋根葺き替え工事と比較すると費用が安くなります。
しかし、これは今回のイニシャルコストが安くなるだけです。
次回のメンテナンスでは、カバー工法の上にカバーすることはできません。
カバー工法している屋根の解体・改修費用は分別解体が必要なため、割高となります。
とくに、下の屋根材が石綿スレート屋根の場合、カバー工法工事によって石綿飛散リスクが格段に上がっています。
①カバー工法屋根材を留め付けたビスにより、石綿スレートは破断・穿孔されており飛散しやすい状態となっている。
②カバー工法時に粘着層付防水シートを設置するため、粘着層付防水シートをはがすときに石綿スレートが表面はく離するので石綿が飛散する。また、粘着層付防水シートは石綿含有として処分する必要があり処分費も高額となる。
とくに、将来、カバー工法の解体作業が石綿飛散リスクが高いと認定され、レベル2などに格上げされた場合は一気に解体費が跳ね上がるリスクがあることもご承知おきください。
そのため、次のメンテナンスまでの合計金額は カバー工法>>屋根葺き替え となります。
結果、カバー工法することは多大な負の遺産を子や孫に先送りするため、オススメできないメンテナンスです。
スレート屋根のカバー工法のメリットデメリットについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根修理でカバー工法を行うメリットやデメリットは?注意点も解説!
すぐに屋根葺き替え工事を勧めてくる業者に注意しよう
業者の中には、すぐに屋根葺き替え工事を勧めてくる業者もあり、そのような業者には注意しましょう。
とくに、瓦屋根の場合、その手の業者はガルバリウム鋼板屋根へ葺き替えを提案します。
瓦屋根の雨漏りは部分補修で直るので、費用は葺き替えに比べて大幅に安価です。
築年数が40~50年とか、建物全体の大規模修繕を行うとか、他の要因がなければ葺き替えしなくても大丈夫です。
悪徳訪問業者は瓦屋根であれば、不具合の有無にかかわらずピンポンして、葺き替えをすすめるので、だまされないようにしましょう。
屋根修理工事・リフォームは業者選びが重要であり、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
どんな屋根修理業者に頼めば良いの?優良業者の5つの特徴を解説!
【まとめ】屋根葺き替え工事の業者は慎重に選ぼう
費用相場の目安として、葺き替えしやすい立地とした場合、約100㎡の屋根面積の時の屋根葺き替え工事費用は100~240万円程度とご紹介しました。
既存屋根の撤去費・処分費、新規屋根の施工費、下地補修費、防水シート、足場費用等が主な内訳となります。
上記内訳以外としては、諸経費として、福利厚生費・管理費・残材処分費等がかかります。
※建築資材(木材、鉄、セメント、輸入資材等)はウッドショック・ウクライナ紛争等で高騰しておりますので、2022.4現在の目安とお考えください。
費用相場の金額を紹介してきましたが、相場通りにはいかないケースもあります。
- 複雑な形状の屋根は費用が割高になる
- 屋根の勾配(傾斜)が急になると割高になる
- 屋根面積が狭いと割高になる
- 建物の立地が悪いと割高になる
- 下屋根があると割高になる
- 災害時は割高になる
そのため、現地調査をしてもらって見積を依頼しましょう。
屋根修理工事・リフォームは100万円以上と高額になるため、慎重に業者を選びましょう。
訪問販売業者はどんな業者から分からないので、やめておきましょう。
ホームページなどを検索して、会社内容や社員の顔などを見て、地元の業者を選びましょう。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
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