目次
屋根の葺き替えをガルバリウム鋼板でするメリット
屋根の葺き替えをガルバリウム鋼板でするメリットを紹介します。
- スレート屋根と比較すると耐用年数が長い
- スレート屋根、瓦屋根と比較すると屋根が軽くなるため地震時の揺れが小さくなる
- トタン屋根と比較すると圧倒的にサビにくい
- 緩い勾配の屋根でも施工可能である
ガルバリウム鋼板屋根のメリットは屋根が軽くなることです。
建物の耐震性は建物の構造による影響が大きいため、ガルバリウム鋼板屋根に葺き替えたから大丈夫とは言えないですが、他の屋根材に比べると多少有利となります。
屋根の葺き替えをガルバリウム鋼板でするデメリット
屋根の葺き替えをガルバリウム鋼板でするデメリットを紹介します。
- スレート屋根と比較してイニシャルコストが高い
- 瓦屋根と比較してメンテナンス費用が高い
- トタン屋根と同様に強風で飛散しやすい
- スレート屋根、瓦屋根と比較して、雨音がうるさい
ガルバリウム鋼板屋根のデメリットは雨音がうるさくなることです。
スレート屋根や瓦屋根から葺き替えした場合、雨音が気になって眠れないというご相談を時々いただきます。
古い建物は音が伝わりやすいので、葺き替えを検討するときには注意しておきましょう。
ガルバリウム鋼板への屋根の葺き替え工事の費用
既存の屋根によって、ガルバリウム鋼板への屋根の葺き替え工事の費用は異なりますので、50坪の家の屋根葺き替え工事の費用目安を紹介します。
既存の屋根材 | 施工内容 | 総額費用目安 |
---|---|---|
瓦 | 瓦⇒ガルバリウム鋼板屋根 | 250~320万円 |
スレート | スレート⇒ガルバリウム鋼板屋根 | 220~300万円 |
セメント瓦 | セメント瓦⇒ガルバリウム鋼板屋根 | 220~320万円 |
トタン(カラー鋼板) | トタン⇒ガルバリウム鋼板屋根 | 200~280万円 |
既存屋根、立地の状況によって、費用は異なりますので、目安としてお考えください。
ガルバリウム鋼板への屋根の葺き替え工事の単価
ガルバリウム鋼板への屋根の葺き替え工事の単価について紹介します。
内容 | 費用相場(㎡単価) |
---|---|
既存屋根材の撤去費 | 1,500~3,000円/㎡ |
既存屋根材の処分費 | 1,500~3,000円/㎡ |
新規屋根材の材料・施工費 | 【【ガルバリウム鋼板/横葺き・縦葺き】 6,500~9,000円/㎡ |
下地材料・補修費 | 3,000~4,000円/㎡ |
防水シート材料・施工費 | 500~1,500円/㎡ |
足場費用 | 900~1,500円/㎡ |
他の屋根材からガルバリウム鋼板屋根へ葺き替えする場合は、屋根下地の調整・補強が必要となります。
葺き替えでは、古い屋根下地の不陸(ふりく)が大きい場合が多いです。
屋根下地の不陸が大きいとガルバリウム鋼板屋根をきれいに施工できないので、葺き替え時には確認しておきましょう。
屋根葺き替え工事の費用相場について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根葺き替え工事の相場を知っておこう!リアルな金額を屋根屋が紹介
屋根の葺き替え工事の工程と必要日数の目安
標準的な屋根葺き替え工事の工程を紹介します。
- 足場の設置・・・1日
- 既存屋根の撤去・・・1~2日
- 屋根下地(野地板)の調整・補強・・・0.5日
- 防水シート設置・・・0.5日
- 新規屋根の設置・・・2~5日
- 板金・雪止等の設置・・・1日
- 足場の解体・・・1日
上記の必要日数は50坪の屋根葺き替えをモデルとしています。
1週間から10日間となりますが、雨天は工事できませんので、その分延びていきます。
葺き替えは既存屋根の撤去から防水シート設置までの間がもっとも雨漏りしやすくなります。
この間に雨が降らないように日程調整することが多いです。
職人の人数を増やして、既存屋根の撤去から防水シート設置までを1日で終えるように工夫することもあります。
ガルバリウム鋼板屋根の葺き方の種類
ガルバリウム鋼板の種類について紹介します。
- 横葺き
- 縦葺き
- 瓦調葺き
- 折板(せっぱん)葺き
商品 | 屋根材の向き | 断熱材の有無 | 屋根勾配 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|---|
横葺き | 横葺き | 横方向 | あり・なしの2種類 | 2.5寸以上 | 断熱材ありは高価 |
縦葺き | 瓦棒葺き(心木あり/なし) 立平葺き | 縦方向 | なし | 0.5寸以上 | 安価 |
瓦調葺き | 瓦調葺き | 横方向・縦方向 | なし | 3寸以上 | 瓦形状・高級品 |
折板葺き | 折板屋根 | 縦方向 | あり・なしの2種類 | 0.5寸以上 | 大型物件 |
新築で多く採用されているのは、安価な縦葺きです。
リフォームとしてスレートのカバー工法で採用されているのは、断熱材ありの横葺きです。
工場や倉庫などの大型物件で採用されているのは、折板葺きです。
ガルバリウム鋼板屋根の種類や特徴について詳しくはこちらの記事で解説しています。
ガルバリウム鋼板屋根の色の選び方
ガルバリウム鋼板は塗装品が一般的で色の種類が多く、色によって家の印象が大きく変わります。
ガルバリウム鋼板の色選びについて、簡単にまとめると以下となります。
「黒」 → ガルバリウム鋼板の主流の色。高級感と重厚感がありカッコいい
「ダークグレー」 → 黒のようにカッコ良く、汚れが目立たない
「シルバー」 → メタリックな印象が近未来や明るさを感じさせる
「青」 → スタイリッシュでクール。存在感があり個性的
「赤」 → バラのような色合いが上品さを感じさせる
※塗装品のため、経年劣化で色落ち・退色します。(メンテナンスフリーではありません。)
注意しておきたいガルバリウム鋼板の免責事項
ガルバリウム鋼板屋根はカタログに保証が記載されていますが、保証に対する免責事項もいくつかありますので紹介します。
- 海岸線より500m以内の地域、及び塩害地域。
- 加工時、施工時、運搬時に発生した損傷及び施工後、外力による損傷。
- 切断面や端面、現場加工部からの損傷。
- 異常な気象(台風、地震、落雪、酸性雨、降雹、氷雪の落下など)。
- 水が滞留する部分の塗膜損傷及び電食作用による塗膜損傷。
- 鋼板表面または、合わせ面に付着、堆積した切紛、加工屑、落ち葉、動物の排泄物、粉じんなどに起因した損傷。
- 入居者または第三者による維持管理不行き届き。
かなり多くの免責事項があります。
必ず屋根材を切断、現場加工するので、全く傷のない平部のみが保証対象と言ってもいいと思います。
さらに、屋根の上に落ちた鳥の糞尿や落ち葉、土ほこりの堆積なども除外されることになっています。
ガルバリウム鋼板屋根の葺き替え工事は業者選びが重要
ガルバリウム鋼板はトタン屋根にくらべると耐久性のある屋根材となりましたが、「メンテナンスがいらない」「一生メンテナンスフリー」などと、誇大広告でガルバリウム鋼板の屋根の葺き替えを勧めてくる業者がいるので注意しましょう。
ガルバリウム鋼板は上記免責事項が発生すると腐食(錆び)が進みますし、異なる種類の金属に接することで腐食が進む現象がおきます。
取り合い部などで異なる金属と接しないように、知識と経験がある業者に依頼することをオススメします。
屋根修理業者の選び方について詳しくはこちらの記事で解説しています。
どんな屋根修理業者に頼めば良いの?優良業者の5つの特徴を解説!
【まとめ】屋根の葺き替え工事は信頼できる業者に依頼しよう
ガルバリウム鋼板屋根で葺き替えるメリット・デメリットを4つずつ紹介しました。
ガルバリウム鋼板屋根は安価ではないので、メリット・デメリットをよく理解した上で採用しましょう。
とくに、葺き替えでガルバリウム鋼板屋根を使用する場合は雨音、屋根の不陸、今後のメンテナンス計画について、しっかりと確認しておきましょう。
業者の中には、「メンテナンスフリー」をうたって、葺き替えをすすめる業者がいますので注意してください。
屋根の葺き替えは費用が高額となり、今後、30年以上の付き合いとなりますので、信頼できる業者に依頼しましょう。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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