目次
外壁塗装に使う防水塗料とは
外壁に塗料を塗布する工事を塗装工事といい、屋上にウレタン防水などを塗布する工事を防水工事といいます。
外壁に防水材料を塗る防水工事はありません。
外壁塗装に使う防水塗料は、外壁の塗装工事に使われる塗料の中で、比較的防水性能の高い塗料のことを一般的に意味しています。
防水性能の高い塗料とは、外壁のヒビ割れに追従できるゴムのように伸び縮みする弾性をもった塗料のことです。
外壁に防水塗料を塗装するときの仕上げ方法
外壁に防水塗料を塗装するときの仕上げ方法を紹介します。
- 単層弾性仕上げ
- 複層弾性仕上げ
- 微弾性塗料仕上げ
以下で簡単に解説します。
①単層弾性仕上げ
単層弾性仕上げは一般的な一戸建ての仕上げ方で、下塗りした後に弾性塗料で上塗りを2〜3回して仕上げる方法です。
②複層弾性仕上げ
複層弾性仕上げは高い防水性能が発揮される仕上げ方で、下塗りした後に弾性塗料で2回中塗りし、その上に通常の塗料を2〜3回上塗りする方法です。
複層弾性仕上げは塗膜の厚みを持たせることができ、その分ヒビ割れに対応できます。
一方で、塗料、施工手間ともかかるので、費用も高額となります。
③微弾性塗料仕上げ
微弾性塗料仕上げは3つの中で一番弾性が弱い仕上げ方です。
微弾性フィラーと呼ばれる伸縮性のある下塗り材で下塗りした後、通常の塗料で上塗りを2回行う方法です。
外壁に防水塗料を塗装するときの3つの注意点
外壁に防水塗料を塗装するときの3つの注意点を紹介します。
- 外壁の種類
- 雨漏り
- 業者
次の章からそれぞれ解説していきます。
【防水塗料を塗装するときの注意点】①外壁の種類
防水塗料の塗装に適した外壁は、ヒビ割れが生じやすいモルタル外壁・ALC外壁となります。
モルタル外壁であっても、ジョリパット仕上げは細かな凹凸があるため、そのすき間に空気が残ってしまい、年数が経つと膨れてしまうため、防水塗料の塗装に適していません。
また、目地や相じゃくりがあり、熱気が出やすい構造となっているサイディングは、ふくれが発生しやすく防水塗料に適した外壁ではありません。
【防水塗料を塗装するときの注意点】②雨漏り
防水塗料で塗装することは、現在発生している雨漏りを必ずしも解決してくれるものではありません。
防水塗料の弾性塗料は外壁のヒビ割れに追従でき、塗膜のヒビ割れを防いでくれる塗料ですが、既に雨漏りが起こっている場合は、雨漏りの原因を把握し補修することが必要です。
外壁のヒビ割れが雨漏りの原因の場合は、外壁のヒビ割れをコーキングなどでふさぐ補修を行いましょう。
その上で防水塗料を塗装するようにしてください。
【防水塗料を塗装するときの注意点】③業者
一般的な外壁塗装と防水塗料による外壁塗装は期待する効果と費用が全く異なります。
美観だけではなく、外壁のヒビ割れからの雨水浸入を防ぐ効果を期待した塗装となります。
正しく塗料と手間をかけないと効果が発揮できないため、業者選びが重要となります。
価格が他の業者に比べて、かけ離れて安い業者には依頼しない方がかえって損しないと思います。
防水塗料による塗装の費用相場
一般的な一戸建てで防水塗料による塗装を行った場合の費用相場を紹介します。
シリコン塗料を使った一般的な外壁の塗装代は2,500~3,500円/㎡程度ですが、防水塗料による塗装を行った場合の塗装代は5,000〜6,000円/㎡程度と高額です。
外壁塗装には足場代や人件費なども必要になるため、一般的な一戸建てであれば120~130万円程度とお考えください。(シリコン塗料では100万円程度)
2、3割程度高くなりますので、雨漏りが心配なクラックが入っているなどの場合にご検討ください。
外壁に防水塗料を塗装するメリット
外壁に防水塗料を塗装するメリットについて紹介します。
- 外壁の劣化を防げる
- ヒビ割れから雨水の浸入を防げる
- 雨漏りによる建物の腐朽・腐食や耐久性低下を防げる
外壁の劣化を妨げる
外壁に防水塗料を塗装することで、外壁材自体が水分を吸うことを防ぎます。
外壁材の湿潤膨張・乾燥収縮を繰り返すことが減少するため、外壁材自体の劣化を防ぐことにつながります。
ヒビ割れから雨水の浸入を妨げる
防水塗料の弾性塗料は、ゴムのような弾力をもった塗膜となります。
一般的な塗料にくらべて、伸縮性が2~6倍程度高くなっています。
外壁材自体にヒビ割れが発生しても、弾性塗料の塗膜がヒビ割れの動きに追従するため、塗膜までが割れることはありません。
塗膜のヒビ割れがなければ、雨水浸入を防ぐことになります。
雨漏りによる建物の腐朽・腐食や耐久性低下を防げる
外壁のヒビ割れは幅0.2mm程度でも内側までつながっていると雨水浸入するリスクとなります。
一般的な塗料では、幅0.2mmの外壁のヒビ割れで塗膜もヒビ割れをおこします。
外壁・塗膜がヒビ割れることで、そこから建物内へ雨水浸入すると建物の腐朽・腐食や耐久性低下につながります。
防水塗装の弾性塗料はグレードによっては、1mm程度の外壁のヒビ割れにも追従して雨水浸入を防ぐことができるので、建物の雨漏りリスクが低減します。
外壁に防水塗料を塗装するデメリット
外壁に防水塗料を塗装するデメリットについて紹介します。
- 大きなヒビ割れには対応できない
- ふくれが起きやすい
- 耐用年数が短い
大きなヒビ割れには対応できない
弾性塗料と言っても、大きなヒビ割れには対応できず万能ではありません。
メンテナンスで使用するのであれば、建物自体の動きはおさまっているので追従できる可能性は高いですが。
ふくれが起きやすい
壁内から湿気や熱気などが出てくると塗膜がにふくれが起きやすくなります。
サイディングなどの不適切な外壁に使用した場合もふくれが発生します。
耐用年数が短い
弾性シリコン塗料の耐用年数は8~10年となります。
一般的なシリコン塗料の耐用年数10~12年に比べて少し短くなります。
【まとめ】外壁の塗装は大切なメンテナンスです
外壁塗装に使う防水塗料は、外壁の塗装工事に使われる塗料の中で、比較的防水性能の高い塗料のことを一般的に意味しています。
防水性能の高い塗料とは、外壁のヒビ割れに追従できるゴムのように伸び縮みする弾性をもった塗料のことです。
防水塗料の塗装に適した外壁は、ヒビ割れが生じやすいモルタル外壁・ALC外壁となります。
モルタル外壁であっても、ジョリパット仕上げは細かな凹凸があるため、そのすき間に空気が残ってしまい、年数が経つと膨れてしまうため、防水塗料の塗装に適していません。
外壁のヒビ割れが雨漏りの原因の場合は、外壁のヒビ割れをコーキングなどでふさぐ補修を行った上で、雨漏り再発の予防として防水塗料での塗装を検討してください。
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