工事の概要
屋根材:日本瓦屋根 棟部
旧工法(大回し工法)⇒ ガイドライン工法(耐震工法)で葺き直し
価格:棟1m当たり=約40,000円(足場、下地補強抜き)
工期:2日間
築年数:20年 棟の長さ5m
日本瓦屋根棟部 20年以上前は旧工法なので、メンテナンスは葺き直し!
外壁から雨漏りしていた現場で、瓦屋根も一部破損していました。
雨漏りの補修とともに、歩道に面した屋根の瓦について、棟部のみ耐震改修を行いました。
日本瓦屋根で20年以上経過した建物では、少しずつ瓦屋根の部分補修が行われていると思います。
そのほとんどは、棟のしっくいの塗り直しだと思います。(棟1mあたり=約8,000円)(足場抜き)
しかし、しっくいの塗り直しは根本的改修とは言えず、10~15年程度で再度メンテナンスが必要となります。
費用は倍以上にはなりますが、しっくいの塗り直しよりも棟の葺き直しをお勧めいたします!
その効果としては、
①耐震性が上がり、巨大地震にも倒壊しない。
②(葺き土+しっくい)ではなく、南蛮しっくい・1種類となるので、メンテナンス不要となる。
③防水性も向上する。
費用を抑えたい場合は、棟ののし積から冠1本伏せに変更することでコストダウンできます。(棟1mあたり=約30,000円)(足場抜き)
しっくいの塗り直しとの金額差はかなり減少するので、しっくいの塗り直しを検討される場合は、棟の葺き直しも併せて、検討することをお勧めします!
工事の手順
工事前の状態
工事前の屋根の状態です。一見、全く問題ありません。雨漏りもしないですし、変色もしていません。
しかし、旧工法(銅線で外側を巻いているだけ)のため、巨大地震では倒壊します。
そこで、棟の葺き直しで耐震改修します。
1.古い棟を取り壊す
銅線を切って、古い瓦を取り外します。中から葺き土が出てきますので、併せて取り除きます。
2.一番上側の桟瓦の下に入っている葺き土も取り除く
一番上の桟瓦の下の葺き土も取り除きます。20年以上前では、1番上の瓦が釘などで留め付けられていません。これも耐震性を弱めている原因です。
3.棟補強金物を取り付け、1番上の桟瓦も留め付ける
ガイドライン工法の肝となる棟補強金物を建物の躯体に留め付けます。この金物を通して、瓦棟部と建物が一体に留め付けられます。
一番上の瓦も釘等で野地板に留め付けます。
4.カットした瓦も留め付ける
カットした桟瓦も孔を開けて、躯体に釘や銅線等で留め付けます。
5.桟瓦の上に棟の土台となる南蛮しっくいを置き、のし瓦を葺く
一番上の桟瓦の上に白色の南蛮しっくいを載せます。雨水の浸入を防ぐポイントでもありますので、量、幅に注意します。
その土台の南蛮しっくいの上にのし瓦を葺いていきます。
6.のし瓦同士を銅線で緊結する
のし瓦を積み上げていきます。巨大地震でもズレないように、のし瓦同士を銅線で緊結します。
7.棟補強金物に連結する形で、棟芯材を入れる
最初に建物躯体に留め付けた棟補強金物に連結する形で、棟芯材を取り付けます。最終的に冠瓦を棟芯材に留め付けるため、棟全体が一体化して巨大地震に耐えることができます。
8.冠瓦を棟芯材に留め付ける
のし瓦を上まで積み上げ、一番上に冠瓦を設置します。冠瓦は棟芯材にしっかりと固定します。
9.耐震性の高い棟へ葺き直し完了!
施工完了後の屋根です。
旧工法の棟からガイドライン工法の棟へ葺き直し完了です!
棟の下に見える白い部分は、しっくいではなく一体化した南蛮しっくいなので、しっくいがはがれることがないため、耐久性もバッチリです!
しっくいの塗り直しではなく、耐震・高耐久・高防水のガイドライン工法での葺き直しをお勧めいたします!
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