葺き替え現場の実態調査!金属屋根は劣化していました!
昔から緩勾配屋根では、金属屋根材・心木あり瓦棒葺き屋根が多く採用されてきました。
その葺き替え現場において、心木や軒先の木材・合板の腐朽事例が多く報告されています。
その一方で、リフォーム瑕疵保険における太陽光発電パネル設置に係る設計・施工基準の解説において、瓦棒葺き(心木あり)屋根の太陽光支持部材は、原則として心木にねじが留まるよう配置することと記載されています。
ほんとに、心木にパネルを留めて大丈夫なんでしょうか?
葺き替え現場で、劣化しているか?確認してみた!
そこで、葺き替え現場の写真をご紹介いたします。
心木あり瓦棒葺きの軒先部です。
再塗装してありメンテナンスは行われていたようです。
一見、それほど劣化していないように感じます。
心木部分のキャップを触ってみますとグラグラになっていました。
キャップ剥がしてみますと、瓦棒溝板の立ち上がりは錆びて、ボロボロになっているところもありました。
特に、軒先部の心木は雨水浸入により腐朽していました。
心木がスカスカになっていたり、心木を留めている釘がボロボロに錆びていたりします。
耐風に対する留め付け強度が著しく低下しています。
台風で金属屋根がよく飛散しています。
その原因は金属屋根を留め付けている木材が腐朽して保持力が低下するためです。
また、軒先部の野地板も腐朽しています。
軒先部では、瓦棒溝板の先端を野地板に留め付けられている唐草へ掴み込みで固定します。
風圧力のかかる唐草・野地板が上記写真のように腐食・腐朽していることも金属屋根が台風時に飛散する原因となります。
太陽光パネル設置は大丈夫?
このように長期耐久性のない心木あり瓦棒葺きに20年以上使用を考えている太陽光パネル設置することは経年でパネル飛散リスクが高まることになります。
心木に支持部材をねじ留めするのですが、その心木が雨水浸入により腐朽するので著しい耐力低下に繋がります。
リフォーム瑕疵保険における太陽光発電パネル設置に係る設計・施工基準の解説においては心木ありが 〇 となり、対象となっています。
しかし、お施主様は耐久性の検討も必要ではないでしょうか?
とくに、最近は屋根の軒先から太陽光パネルを設置して、多くのパネルを屋根に載せる方向になっています。
金属屋根の軒先腐食・野地腐朽は太陽光パネル飛散リスクを高めます!
劣化事例を見ますと軒先から1mが腐朽していますので、軒先から1mは太陽光パネルを設置しないなどの対策をご検討くださいね!
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