瓦屋根の雨漏り・・その原因は?補修は自分でやっても大丈夫?

悪質な雨漏り業者に騙されると無駄にお金を払う羽目に…。

「リフォーム業者に雨漏り補修を依頼したが、直らなかったので見てもらえますか?」とお問い合わせがありました。

現場に行ってみるとビックリ!

シーリングが雨漏りと関係ない所にブチューと塗られていました。

ただ、瓦屋根を汚しているだけー!

これでは、雨漏りが止まるわけもない。

この現場が特殊かと言うと・・・そうでもないのです!

瓦屋根の構造がわかっていない業者が瓦の隙間を適当にシーリングしたと思われる現場をよく目にします。

これでは、お施主さまは無駄な補修代を支払っていることになります・・・

そこで、瓦屋根の雨漏りの原因とその補修方法をご紹介いたします!

変な業者にだまされないでくださいね~!

 

瓦屋根の主な雨漏り症状とその原因とは?

軒天(のきてん)の雨染み

下写真にあるように、軒天に雨染みができることがあります。(壁際で下から上を見上げたアングル)

これは本来、雨水が屋根から樋に入るはずが、屋根から排水されずに軒天内に入ってしまうことで発生しています。

軒天の雨染みの原因

原因としては軒先が間違った古い工法となっている場合が多い・・・

強風雨時、瓦の隙間から浸入した雨水はルーフィング上を流れます。
その雨水がといへ排水されずに、破風板の内側から軒天内(建物内)へ流れる構造となっているのです。

15年前ぐらいの洋瓦・セメント瓦の物件に多い事例となっています。(現在の瓦屋根では、樋に流れ込む安全な構造となっている)

 

天井の雨染み

室内では天井に雨染みが発生することがあります。

天井に雨染みができる場合、屋根からの雨漏りの可能性が高い・・・

(雨漏りと言っても、壁からの雨染みの場合は屋根が原因ではないことも多い・・・)

 

天井からの雨染み/主な原因

天井からの雨染みの原因で一番多い事例がこちらです。

谷部・板金の孔開き

谷部は雨水がもっとも集まる場所であり、雨漏りしやすい部位です。

雨水を排水しやすいように谷板金が入っている。
経年劣化により、その板金に孔が開いて雨漏りする。

約20年以上経過した物件で見られる現象。

孔が開くのは、瓦からポタポタ落ちる水滴の衝撃により板金が摩耗するためと言われています(浸食/エロージョン)。

流れ壁の取り合い部

流れ壁では、瓦の並ぶ位置によって、雨が入り込みやすくなる場合があります。

瓦は瓦の谷(低い部分)に水が集まるため、この写真のように壁側に水が流れやすく、降雨量が増えると雨漏りしやすくなります。

写真のように、昔はのし瓦と葺き土で雨水浸入を防いでいる。
(現在は、捨て水切りを入れて排水経路をあらかじめ確保している。)

瓦の割れ・のし瓦の脱落等

瓦を踏み割った場合やのし瓦が脱落した場合、雨漏りにつながります。

瓦が割れた場合、雨水はその下のルーフィングへ浸入します。

のし瓦が脱落した場合、雨水はその下の葺き土を浸食します。

瓦のズレ

強風や瓦の自重などで、瓦がズレることがあります。

瓦同士の隙間が大きくなり、その隙間から強風雨で雨水が浸入します。

ルーフィングの縮み(ちぢみ)・孔開き

ルーフィングが経年劣化により、縮んだり、孔が開いた場合、そこから野地板・室内へと雨水が浸入します。

上写真はルーフィングに孔が開いている状態。

温度変化によるルーフィングの伸び縮みによって、ルーフィングの破れが発生します。

 

葺き土の浸食(しんしょく)

土葺き(どぶき)工法の場合、経年の雨水浸入で、葺き土が浸食されることもあります。

葺き土が浸食されると下地の杉皮が暴露し、やがて、雨漏り・・・

 

瓦屋根の補修方法とは?

瓦屋根での雨漏り原因は上記のようにいろいろあるので、補修方法もそれに対応する形でさまざまとなります。

ここでは、個別の補修方法の説明ではなく、補修規模のパターンをご紹介します!

補修規模?

瓦屋根の利点の1つがメンテナンス性にすぐれていることです。

他の屋根材ではできない、瓦屋根では部分補修が可能!

なんです。

これはなにかあったときに、メンテナンス費の総額に大きく左右するので、是非、知っておいてください!

瓦1枚の交換

瓦交換の最小単位は瓦1枚から・・・

瓦が1枚割れた・・・どうしよう?

ご安心ください!瓦は1枚から比較的安価に交換可能です!(¥25,000~)

瓦の色が若干、変わることはありますが、雨漏り防止には全く支障はありません。

瓦屋根の部分補修

雨漏りの場合、雨漏りしているその周辺のみ部分補修のこと。

簡単に事例を紹介!

天井から雨漏り発生!

その上部の瓦をめくり部分補修・・・

瓦の下にある葺き土を撤去・・・

葺き土の下の下葺材・杉皮を確認・・・(孔が開いている)

新しい防水材として、ルーフィングを施工・・・

葺き土の代わりになんばんしっくいを使い古い瓦を再施工・・・

元通りに部分補修、完成!

 

屋根全体を交換すると費用は高額となりますが、部分補修で費用を大幅に抑えることができます。

この部分補修できることが瓦の特徴であり、メンテナンス性が良く、ライフサイクルコストがもっとも安い屋根材と言われる由縁です。

また、部分補修の場合、古い瓦をそのまま再利用する場合と新しい瓦を使用する場合があります。

新しい瓦でも古い瓦の一部分に使用できます!(サイズが少し異なる場合は職人技で瓦に細工して使用可能となる)

瓦屋根の葺き替え

築後50年を超えて、瓦屋根全体が劣化している場合、瓦屋根の葺き替え・・・

瓦屋根全体を葺き替えする場合でも古い瓦の再使用による「葺き直し」と新しい瓦を施工する「葺き替え」があります。

古い瓦による「葺き直し」

「葺き直し」の事例を紹介!

瓦をはがして、違う屋根面や足場、地面などの周辺に保管。

古い瓦桟木を取り除いて、古いルーフィングの上をきれいに掃除。

きれいに掃除した上で、新しいルーフィング新しい桟木を施工。

瓦以外は新しい部材を使用する。

古い瓦を葺き直して、完成!

新しい瓦による「葺き替え」

「葺き替え」の事例を紹介!

葺き替えは屋根全体が痛んでいる場合に行います。

50年前の塩焼き瓦の雨漏りした物件。

部分補修ではなく、葺き替えを選択してもらったわけは?

・この瓦が廃版になっていて不足が発生したため

・屋根全体が土葺き工法であったため(非常に重たい)

・棟は旧工法で耐震性が乏しいため

上記3点の理由で、F形瓦に葺き替えをしました。

 

施工手順としては、

瓦をはがして、葺き土を取り除く。

野地板がバラ板だったので、その上に構造用合板を増し貼り。

ルーフィングや縦桟・横桟を組み合わせた通気屋根下地を設置。

F形瓦を施工して、葺き替えが完成!

 

「葺き直し」と「葺き替え」、どちらがいいの?

「葺き直し」より「葺き替え」がお勧め!

以下のような利点があります!

・デザインや色も新しく選ぶことができる

・50年前に比べて、瓦自体の性能が向上している

・費用的には、若干高いが大きな差ではないので、瓦が新しくなった方がよりお得

では、どういうときに「葺き直し」?

・思い入れのある瓦屋根や景観に関わる瓦屋根など

・敷地条件により、古い瓦の捨て代や新しい瓦の搬入代が高くなる場合など

という場合は、「葺き直し」を検討するのも良いかもしれません。

 

お伝えしたいこと

瓦屋根の雨漏りの原因と補修方法はさまざま・・・

瓦屋根の構造を理解している建築士や工務店さん、リフォーム屋さんも極まれ・・・

瓦屋根は1枚からでも交換可能なので、シーリングなどの表面処理に頼る補修は意味がない。

知っていました?庭先においてある瓦は交換用の瓦なんですよ~!

根本的な瓦屋根構造を理解した上で、雨漏り補修することが必要!

つまり、瓦屋根の雨漏り補修は必ず瓦工事業者に依頼してください!

必ずお施主さまのご要望に答えることができると思います。

 

まとめ:瓦屋根の雨漏りの原因はいろいろあり、シーリングでは直らない場合が多い。

瓦屋根の雨漏りは瓦屋根のシーリングでは、直らない場合が多い。

瓦屋根構造を理解している瓦屋根施工業者に補修をご依頼ください。

何かありましたら、お気軽にお問い合わせください!

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Dr.神谷
神清のまとめ役。
学者肌で数々の「産学官」の連携研究事業を行い、業界内でも数少ない技術派です。その知恵で若いスタッフを指導しています。

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