ラバーロックの耐風性能を調べました。
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(カミセイ)のDr.神谷です。
瓦屋根のメンテナンス方法の中で問題視されている「ラバーロック」という工法があります。
もともと、悪徳リフォーム業者がよく行っている工法だったのですが、最近のweb上では、「ラバーロック」を肯定する会社と否定する会社の両方が混在している状態です。
これでは、一般のお施主さまはどちらを信じていいのか?困惑されていると思い、ラバーロックの性能を実験しました。
その1として、ラバーロックの耐風性能を実験した結果をご紹介します!
なお、この実験は弊社・三州瓦の神清(かみせい)と東京・屋根工事店の石川商店さんとの共同研究として行いました。
公的機関(あいち産業科学技術総合センター)で実験を実施
実験としては、あいち産業科学技術総合センター三河窯業試験場の耐風性能試験を行いました。
日本で一番、瓦について詳しい公的機関での検証実験です。
三河窯業試験場にあるこの耐風性能試験機で、瓦屋根標準設計・施工ガイドラインに取り決められた試験方法に準じて実施しました。
試験架台に瓦を施工
試験架台に16枚の瓦を施工しました。
瓦の試験体としては、現在、ラバーロックが施工されている築20年以上経過した屋根で多く採用されている仕様で作成しました。
・軒先/けらばでは、瓦の尻部に銅線2本で瓦桟木に緊結、瓦表面の隠し孔で銅線緊結
・平部の桟瓦は釘による緊結なし(無緊結)
この試験体に対して、ラバーロック(シーリングの接着)による補強を行いました。
シーリングの位置としては、桟山+エリ尻+桟コバの1枚の瓦に対して3カ所と、もっとも多く行われているラバーロック方式としました。
このシーリングの接着力により、瓦の左右、前後が連結することで、耐風性能が向上すると信じられています。
ホントなのでしょうか?
試験結果・・・ラバーロックの効果はうそ!
試験内容
施工した試験架台の瓦16枚の内、9枚を均等な力で真上に引き上げます。
引き上げる力の大きさは建物の立地、屋根高さ、勾配などによって異なります。
今回の引上げる力としては、もっとも弱い東京・愛知の2階建て・平部を想定して行いました。
現在の標準施工であるガイドライン工法での耐風性能と比較すると約1/7程度の力で引上げる実験です。
結果
結果、ラバーロックで補強した瓦はその引上げ力に耐えることができず、瓦が浮き上がってしまいました。
シーリング部分も一部、破断していました。
現在の標準工法に比べて、約1/7の弱い引上げ力にも耐えることができませんでした。
これでは、ラバーロックにより耐風性能が向上したとはとても言うことことができません。
つまり、「ラバーロックで耐風性能が向上する」とは、迷信であることが証明されました。
ラバーロックの耐風性能試験成績書はこちらです!(浮き上がり=不合格)
また、実際の試験で、瓦が浮き上がる動画はこちらをご覧ください!
まとめ:ラバーロックでは耐風性能が向上しないと確認できました!
ラバーロックの耐風性能試験を行いました。
現状の瓦屋根の約1/7で引上げても、瓦が浮き上がり、不合格となりました。
瓦屋根のリフォームで、見積書にラバーロックと記載されていたら、その業者に依頼することはやめましょう!
ラバーロックでお困りの方は、お気軽にお問い合わせください!
屋根の正しい情報を今後も発信し続けます!
神清からのお願い
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