瓦屋根・ラバーロック工法とは?
瓦屋根・ラバーロック工法とは、10年以上前からときどき見かける瓦屋根のリフォームです。
昔の瓦屋根はくぎ留めしていないため、巨大台風で飛散する被害が発生しています。
そこで、瓦同士を連結して、瓦の飛散を防止しようと瓦同士を接着するリフォームが行われるようになりました。
この瓦屋根の接着補強をラバーロック工法と呼んでいます。
このラバーロック工法は、巨大台風で残念ながら被害を受けています。
そこで、実際にどれぐらいの効果があるのか、瓦屋根の耐風試験で評価してみました。
瓦屋根の耐風試験
瓦屋根の耐風試験は、「瓦屋根標準設計施工ガイドライン」の中に定められています。
その耐風試験で、日本瓦屋根のラバーロック工法を評価してみました。
耐風試験した日本瓦屋根の仕様
試験した日本瓦屋根の仕様を説明します。
●軒部・けらば部の瓦は、銅線で瓦桟木に全数枚留め付けしました。
●平部の桟瓦は、無緊結でくぎ留めなしです。(昔の瓦屋根の仕様)
●軒部・けらば部の瓦は3点留めしました。
ラバーロック工法の考え方は、軒部・けらば部の瓦がしっかり固定されていれば、その瓦に前後左右の瓦同士を連結させることで、飛散を防ぐというものです。
瓦にかかる風の力は負圧の方が大きいため、この試験架台で9枚の桟瓦を真上に引き上げます。
150回繰り返し引き上げて、50mm以上浮き上がらなければ合格というものです。
耐風試験結果
かなり弱い試験となる1枚あたり、8㎏の力で試験の1回目を引き上げている最中に瓦が浮き上がりました。
軒・けらばから3段目の瓦が浮いて、150回の1回目が終了することもなく試験が不合格となりました。
瓦が連結しても、瓦1枚2.5㎏とすると、3枚分でも7.5㎏にしかならず、自重だけで巨大台風の風圧を耐えることはできないのです。
まとめ:ラバーロック工法ではなく、瓦の留め付けを行いましょう。
瓦屋根の耐風補強としては、ラバーロック工法ではなく、瓦をくぎ・ネジ等で留め付けてください。
それが耐風性・耐震性をともに向上させることになります。
接着剤の補強は、瓦を留め付けている上で、行うことで効果が出てきます。
まずは、瓦の留め付けを行いましょう。
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