目次
屋根を下支えする野地板の役割とは
野地板は屋根材とその下のルーフィング(防水シート)を支える屋根の下地材のことで、板材以外も含めて屋根を下支えする材料の総称となっています。
屋根材はくぎ・ビスなどで野地板に留め付けられています。
屋根材が地震や台風で飛散しないようにするための重要な役割が野地板にはあります。
野地板の板張りは屋根を作る重要な作業です
野地板とは、屋根構造の主要な部材(屋根材、ルーフィング、野地板、垂木(たるき))の中の1つです。
下の図で、屋根構造の一例を示します。
垂木と呼ばれる屋根の骨組みの上に野地板を張ることは屋根を作る上で重要な作業となります。
垂木に野地板をしっかりと留め付けなければ、巨大台風時に野地板ごと屋根材が飛散して大きな事故になってしまうからです。
また、野地板の上には、ルーフィング(防水シート)がきれいに施工され、その上に屋根材となります。
野地板・ルーフィング・屋根材がワンセットとなって、自然災害にも耐えて、雨漏りを防ぐ丈夫な屋根となります。
板張りするなら知っておきたい野地板の3つの種類
野地板には代表的な種類が3つあるので紹介します。
- バラ板
- 構造用合板
- 耐火野地板
次の章から詳しく解説していきますね。
【野地板の板張り】①バラ板
バラ板は幅90~150mm程度の板を並べて張り付けています。
寸法が均一ではなく、隙間が開いている部分があります。
杉板などの無垢板が使用されており、合板などに比べて耐久性が高い材料です。
30年前より以前では多く採用されており、瓦屋根、葺き土、杉皮、バラ板という組み合わせでは、室内の湿気を排湿することができ、呼吸する屋根構成となっていて、長寿命な屋根を実現しています。
【野地板の板張り】②構造用合板
厚さ9~12mmの構造用合板が野地板には使われます。
薄い板を接着剤で貼り合わせて、寸法、強度、水分などが規格内になるように生産された工業製品です。
野地板は雨に濡れやすい場所で使用されるので、耐水性のある接着剤で貼り合わせた構造用合板が戸建て住宅では最も多く採用されています。
構造用合板は、建物の耐震性や耐風性が求められる部分で使用されています。
バラ板と比較すると通気性は悪くなるが、サイズが決まっているので施工がしやすく強度も高いメリットがあります。
【野地板の板張り】③耐火野地板
(出典:淡路瓦設計・施工ガイドブック)
耐火野地板は、耐火性が高く、火災時に30分以上耐えられる性能を有しています。
建築基準法では、準防火地域や防火地域・屋根不燃区域の建物では耐火野地合板を使うことが求められています。
一般の木造住宅ではあまり使われません。
ちなみに瓦屋根で、耐火認定を取得しているものは、薄形ALCパネル、硬質木片セメント板、火山性ガラス質複層パネルとなります。
各耐火野地板に対しての耐火番号等は上表を参考にしてください。
屋根修理工事と一緒考えたい野地板のメンテナンス
野地板のメンテナンスは、屋根材とルーフィング(防水シート)をはがした時(葺き替え時)にしか行えません。
葺き替えなどの屋根修理工事と同じタイミングで検討してください。
カバー工法による屋根修理工事では、屋根材・ルーフィング(防水シート)をはがさないため、野地板のメンテナンスはできません。
野地板のメンテナンスには、「増し張り」と「張り替え」があります。
「増し張り」は既存の野地板の上に新しい野地合板を貼ることで、野地板の強度を増す目的です。
「張り替え」は既存の野地板が雨漏りや結露で腐朽して劣化している部分を新しい野地板に交換することです。
考えておきたい屋根修理のひとつ!野地板の交換時期
野地板の耐用年数は、屋根の湿潤によって大きくことなります。
雨漏りや結露が起きた場合は、構造用合板は約30年程度で、バラ板は約40年程度を目安としてください。
野地板の交換時期は、スレートや金属屋根などの葺き替えと同じタイミングが望ましいです。
粘土瓦は耐用年数が50年以上だと言われているため、粘土瓦の寿命が尽きる前に、野地板の寿命が尽きてしまうと心配する必要はありません。
粘土瓦屋根で雨漏りや結露が発生していなければ、野地板が劣化することはありません。
また、雨漏りなどで野地板が劣化している場合は、粘土瓦はその部分だけ補修することができるため、劣化した野地板を交換することができます。
構造用合板の寿命が約30年とすると、カバー工法はあまりオススメできない屋根修理工事となります。
野地板は屋根からの雨漏りに弱い
野地板の耐用年数は、雨水に濡れることで極端に短くなってしまいます。
天井からの雨漏りが起こった場合や雨漏りの兆候がある場合は、野地板に悪影響が出ていないかの確認が必要です。
小屋裏点検口から野地板の状況を確認してもらいましょう。
野地板が腐朽しているようですと野地板の交換まで含めた補修が必要な場合が多いです。
野地板が腐朽したままですと、屋根材を留めているくぎやビスを保持する強度が低下してしまうので、強風時に被害が発生することがあります。
とくに、金属屋根の軒先部はその傾向がありますので、ご確認しておきましょう。
【まとめ】野地板の板張りは屋根修理の中でも重要です
野地板は屋根材とその下のルーフィング(防水シート)を支える屋根の下地材のことで、板材以外も含めて屋根を下支えする材料の総称となっています。
屋根材はくぎ・ビスなどで野地板に留め付けられています。
屋根材が地震や台風で飛散しないようにするための重要な役割が野地板にはあります。
野地板のメンテナンスは、屋根材とルーフィング(防水シート)をはがした時(葺き替え時)にしか行えません。
野地板の耐用年数は、屋根の湿潤によって大きくことなります。
雨漏りや結露が起きた場合は、構造用合板は約30年程度で、バラ板は約40年程度を目安としてください。
天井からの雨漏りが起こった場合や雨漏りの兆候がある場合は、野地板に悪影響が出ていないかの確認が必要です。
野地板が腐朽しているようですと野地板の交換まで含めた屋根補修が必要です。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。
私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。