目次
雨樋を取り付ける3つ意味
雨樋を取り付ける3つの意味を紹介します。
- 雨漏りの防止
- 外壁や基礎の保護
- 騒音対策
雨樋と騒音対策は結び付きそうもないですが、意外とトラブルになりますのでしっかり知っておきましょう。
次の章からそれぞれ詳しく解説していきますね。
【雨樋を取り付ける意味】①雨漏りの防止
雨樋の取り付けは、雨漏り防止の意味があります。
雨樋は屋根面に降った雨水を集めて排水する役割となっています。
屋根面に降った雨水で外壁など濡らすことなく排水できるため、外壁を流れる雨量が減らすことができ、外壁のシーリング材の劣化部や外壁のヒビ割れ部からの雨漏りを防止することができます。
また、軒の出がない家で雨樋がない場合、屋根と外壁のつなぎ目が風雨にさらされ、雨漏りのリスクが飛躍的に高くなります。
軒に雨樋が付くことで、屋根と外壁のつなぎ目は保護され、直接風雨が浸入することを防いでいます。
軒の出がない家は雨漏りが多くなっており、軒の出について詳しくはこちらの記事で解説していますのでご覧ください。
【雨樋を取り付ける意味】②外壁や基礎の保護
雨樋は外壁や建物の基礎・土台を保護する役割があります。
雨樋とは軒樋と縦樋が一連して接続されており、屋根面の雨水を地面の雨水桝まで排水する役割を担っています。
雨樋によって、屋根からの雨水が直接外壁に伝わらないようになるため、外壁の雨掛かり量を減らし、外壁の劣化を遅らせることにつながります。
また、雨樋がなければ、雨水は地面に直接落ちて、地面で水跳ねしてしまい、建物の基礎や土台を濡らすこととなり、劣化やシロアリ被害を受けやすくなってしまいます。
【雨樋を取り付ける意味】③騒音対策
雨樋の一部に破損やヒビ割れ、詰まりなどの不具合が発生して水漏れすると、その部分で滴下します。
滴下する場所によっては、水滴があたる音が大きな音となったり、人が気になる音となったりすると騒音となり、ご近所トラブルに発展するケースもあります。
雨音は窓を通過しやすく直接家の中へ聞こえるため、立地によっては自宅では気にならなくても、隣家には大きな音となっていることもあります。
雨樋を取り付けることで不要な滴下を防ぐことができ、騒音対策となります。
取り付ける意味を知ったら雨樋の種類も知っておこう
雨樋には主に4つの形状があり、特徴について紹介します。
- 丸型
- 角型
- 意匠型
- 内樋型
それぞれについて簡単に解説します。
①丸型
昔からある形状で、断面が半円形となっています。(サイズはいくつかあります。)
単純な形状なので他のタイプに比べて安価となっており、ホームセンターで1つのサイズは販売されています。
②角型
断面が角ばった形状となっています。
同じ幅では丸型より排水能力が高い形状です。
③意匠型
デザイン性を高めた独特の形状となっています。
細身のタイプや先端を高くして、軒樋と屋根を一体化してイメージを与えるがタイプがあり、高級な雨樋です。
各メーカーごとに数種類あり、それぞれついても互換性がないので、20年単位で考えると廃盤となったときのメンテナンスに困ります。
④内樋型
屋根の先端にパラペット部がある場合に、内側で設置する雨樋のタイプです。
内樋は詰まったり劣化したりすると雨漏りに直結するので、メンテンナンスが必須です。
各屋根形状に合わせた内樋となりますので、現場加工品となります。
雨樋の素材は何がオススメ?
雨樋の素材の種類と特徴を紹介します。
- 塩化ビニール樹脂
- 被覆鋼板
- ガルバリウム鋼板
- 銅
- ステンレス
それぞれについて簡単に解説します。
①塩化ビニール樹脂
金属のように錆びることがなく、安価であるため広く使用されています。
紫外線による劣化や温度変化による伸縮によって、経年で少しずつ変形や割れなどが発生します。
②被覆鋼板
鋼板の表面に特殊樹脂を被覆して、耐食性を向上させています。
塩化ビニール樹脂よりも耐候性があるため、経年による変形や割れなどが発生しません。
大型の樋などに使用されることがあります。
③ガルバリウム鋼板
鋼板が高耐久のメッキ層で保護されており、トタンなどに比べて赤さびが発生しにくくなっています。
塩化ビニール樹脂よりも高価となりますが、金属製の中では安価です。
④銅
社寺仏閣などの日本建築でよく使用されています。
表面が緑青に酸化して被膜を形成することで、防食性が高まります。
銅は鋼板に比べて非常に高価です。
⑤ステンレス
ステンレスは錆びにくく耐久性が高いのですが、費用はかなり高額です。
大型物件などのメンテナンスしにくい部分で使用されることが多いです。
雨樋の種類について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の種類や様々な部品をすべて知りたい!修理費用やメンテナンスまで完全解説
雨樋の付け方とは?
雨樋の付け方の流れを紹介します。
①足場の設置
②軒樋の金具の取り付け
取り付け金具に糸を張り、縦樋へ雨水が流れるようにわずかな水勾配を付けて取り付けます。
③軒樋の取り付け
取り付け金具に軒樋をはめ込みます。
④縦樋の金具の取り付け
⑤縦樋の取り付け
⑥足場の撤去
足場を撤去して完成となります。
雨樋の劣化症状に気をつけよう
雨樋の劣化症状を紹介しますので、早期発見を心掛けましょう。
- つなぎ目のズレ
- 雨樋を支える金具のサビ・折れ
- 雨樋のヒビ割れ・ゆがみ・破損
- 適切ではない傾斜
それぞれについて簡単に解説します。
①つなぎ目のズレ
軒樋、縦樋は建物に沿って設置するため、いろいろな部材・長さを組わせて排水システムを完成させています。
そのつなぎ目には、経年の樋の伸縮や風などの外力によって負荷がかかりズレが発生します。
つなぎ目のズレが発生したら、雨樋の劣化が進行しているとお考えください。
②雨樋を支える金具のサビ・折れ
雨樋を支える金具は経年でサビたり、折れたりします。
金具が変形したり、折れたりして雨樋を支えられなくなると雨樋の大きな変形につながります。
金具のサビ・折れの症状が出たら、メンテナンスが必要です。
③雨樋のヒビ割れ・ゆがみ・破損
軒樋、縦樋ともに約3m程度の長さとなっているので、樋同士のつなぎ目があります。
経年で樋の伸縮が繰り返し起きるため、つなぎ目に負荷がかかり寿命がくるとヒビ割れが発生します。
ヒビ割れからは水漏れが発生するので、早期に修理が必要です。
④適切ではない傾斜
軒樋が変形してしまい縦樋へ排水するための傾斜が変わってしまうと雨水が溜まってしまう部分が発生します。
雨が降る度に水が溜まった状態となるため、さらに、変形しやすくなります。
適切な傾斜となるようにメンテナンスが必要です。
雨樋の寿命について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の寿命はどれくらい?寿命を把握できるチェックポイントも紹介
雨樋は定期的な掃除が必要な場所です
雨樋とは屋根・外壁などの外周りの中でも、定期的な掃除が必要な場所です。
雨樋を掃除しないと雨樋の詰まりが発生し、雨水の排水ができなくなり水が溜まった状態となるため、雨樋の破損や劣化につながります。
雨樋に詰まるものと言えば、落ち葉、樹種、細い枝、土ぼこりなどがあり、縦樋の落とし口で固まってしまうことが多いです。
雨樋の掃除は高所作業となるため、DIYするか、業者に依頼するか、よく検討してください。
DIYを検討している方は、雨樋の落ち葉を掃除している動画を参考にしてください。
雨樋の掃除を頻繁に行う必要がある立地の方は、「落ち葉よけシート」を設置することで、雨樋掃除のストレスから解放されたり、業者に雨樋掃除してもらう費用を節約することにつながったりします。
「落ち葉よけシート」について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の詰まりは本当に防げる?落ち葉よけシートをDIYで試しに設置してみました!
【まとめ】雨樋の取り付けは大きな意味がある
雨樋を取り付ける3つの意味を紹介しました。
- 雨漏りの防止
- 外壁や基礎の保護
- 騒音対策
雨漏りの防止以外にも、住んで初めてわかる騒音や将来の建物の不具合を防ぐという大事な役割があります。
また、雨樋は経年劣化しやすい部分であるため、雨樋の掃除などのメンテナンスを行うことで長持ちさせることができます。
屋根・雨漏りについてお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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