目次
トタン屋根は定期的な塗装が長持ちの秘訣
「トタン」とは、薄い鋼板（鉄板）の表面を亜鉛でメッキ処理した資材のことで、トタンを使用した屋根を「トタン屋根」と呼んでいます。
つまり、「トタン」の正式な用語としては、「亜鉛メッキ鋼板」となります。
亜鉛メッキ鋼板を塗装したものを「カラー鋼板」と呼び、昔からよく使用されていました。
いまから20年前までは、屋根や壁で使用された鉄板はほとんどトタン・カラー鋼板です。
最近では、トタンの代わりに「ガルバリウム鋼板」が使われています。
●トタン屋根のメリット
- 価格が安い
- 軽い
- メッキなし鋼板に比べて錆びにくい
トタン屋根の特徴は価格が安価なことです。
●トタン屋根のデメリット
- 放置すると腐食がはやく、あなが開く
- メンテナンス期間が短い
- 防音性が低い
トタン屋根は5～7年ごとに塗装を行わないと腐食し、錆びてしまいます。
定期的な塗装メンテンナンスが長持ちさせる秘訣です。
次の章では、塗装が必要な状態について詳しく解説しています。
トタン屋根に塗装が必要な状態
トタン屋根は、5～7年に1回程度で塗装をしておかないと10年くらいで赤さびがひどくなり、そのまま放置すると穴があいてしまいます。
トタン屋根に塗装が必要な劣化症状について紹介します。
- チョーキング（粉ふき）
- 色あせ・変色
- サビの発生
- 塗装の剥がれ
- カビ・コケ・藻の発生
放置しておくと、塗装メンテナンスでは対応できず、屋根のカバー工法や葺き替えと言った大規模な補修となりますのでご注意ください。
トタン屋根はサビの上からでも塗装できる？
トタン屋根は、サビの上から塗ることができる塗料があります。
サビのあるトタン屋根を塗装する場合、下地処理をしっかり行うことが重要となります。
ケレンという作業で、サビている劣化塗膜を除去したり、サビ止め塗料の密着力を高めるために既存塗膜の目荒らしをする作業です。
ワイヤーブラシ・サンドペーパーなどの手工具やサンダーなどの電動工具でケレンします。
ケレンした上に下塗りとして、サビ止め塗料を塗布します。
トタン屋根の塗装の費用相場
トタン屋根の塗装の費用相場は、標準的な塗り面積が80㎡程度で50万円前後です。
もちろん、屋根の面積や塗料によって金額は変わってきます。
- 足場設置：1,000～1,200円/㎡
- 高圧洗浄：300～400円/㎡
- ケレン（下地処理）：500～700円/㎡
- 塗料：1,800～4,500円/㎡
塗装費用の相場や内訳について詳しくはこちらの記事で解説しています。
トタン屋根の塗装費用が高くなる場合
トタン屋根の塗装の費用が高くなってしまう屋根の特徴を紹介します。
- 屋根の汚れが激しい場合
- 屋根の数や面積が大きい場合
- 屋根の勾配がきつい場合
トタン屋根では、高圧洗浄して表面の汚れを落とした後に、サビや古い塗膜を取り除く下地処理を行いますが、汚れやサビが激しい場合は入念に除去する必要があり、その分費用が追加となります。
屋根の数や面積が大きい場合はそれに伴い費用が高くなりますが、屋根の傾斜がきつい場合は、作業効率が低下するため、費用が高くなります。
屋根塗装の費用に影響を与える3つの要素について詳しくはこちらの記事で解説しています。
トタン屋根の塗装手順
トタン屋根の大まかな塗装手順について紹介します。
- ケレン作業
- 下塗り
- 中塗り・上塗り
それぞれの作業について簡単に解説します。
①ケレン作業
腐食してサビている劣化塗膜を除去したり、サビ止め塗料の密着力を高めるために既存塗膜の目荒らしをする作業です。
ワイヤーブラシ・サンドペーパーなどの手工具やサンダーなどの電動工具を使って作業します。
②下塗り
下塗りは主にサビ止め塗料を塗る工程です。
サビ止め効果のある塗料ですが、上塗りとの密着力を高めます。
③中塗り・上塗り
上塗り塗料を2回塗ることでしっかりと塗膜を保護します。
トタン屋根の場合は、ウレタン塗料、シリコン塗料が使われることが多いです。
トタン屋根の塗装のDIYは可能？
トタン屋根の塗装をDIYで行うことは、高所作業で危険を伴うためオススメできません。
トタン屋根は濡れるととても滑りやすいので、高圧洗浄などで水洗いする場合に滑落するリスクが高まります。
毎年、多くの転落事故が起きていますので、ご注意ください。
また、間違った補修方法や塗料の相性などを考慮せずに塗装してしまうと仕上がりに大きな影響がでます。
足場などを設置せずに作業できる勾配のゆるい1階屋根だけを塗装する以外は、はじめから業者に依頼することをオススメします。
塗装で直らないトタン屋根の劣化症状
塗装では直らないトタン屋根の劣化症状について紹介します。
- トタンのあな開き
- 屋根下地の木材の傷み
- 屋根から雨漏りが発生
- 棟板金のはがれ
上記のような症状があった場合は塗装では直りません。
トタン屋根の部分修理やカバー工法、葺き替えが必要となります。
トタン屋根からの雨漏りが発生するときは、大雨ではなくても発生しやすくなります。
塗装して様子を見ている間に屋根下地の木材が傷んでしまいますので、はじめから塗装ではなく、別の方法でしっかりと雨漏り修理してください。
塗装では直らない場合のリフォームと費用相場
トタン屋根からトタン屋根に張替える場合は、１㎡あたり9,000円～12,000円程度が必要です。
30坪くらいの一戸建ての屋根の場合だと、70万～100万円程度必要です。
現在では、トタン屋根による張替えは稀で、同じ金属系の屋根材で耐久性が高いガルバリウム屋根で張替えすることが多いです。
費用は少し高くなり、1㎡あたり10,000円～14,000円程度となりますが、耐久性は3倍以上と言われていますのでオススメします。
ガルバリウム鋼板について詳しくはこちらの記事で解説しています。
また、トタン屋根の部分的な修理だと10～20万円程度の場合が多いです。
【まとめ】トタン屋根は塗装で長持ちさせよう
トタン屋根の特徴は価格が安価なことですが、5～7年ごとに塗装を行わないと腐食し、錆びてしまいます。
10年ぐらい経過すると赤サビが発生し、そのまま放置するとあなが開いて雨漏りしてしまいます。
雨漏りしてしまうと塗装メンテナンスよりも費用のかかる張替えなどの大規模メンテナンスが必要となります。
そのため、トタン屋根は定期的な塗装メンテンナンスを行うことが長持ちさせる秘訣となります。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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