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片流れ屋根の雨樋の位置が重要な理由とは?
片流れ屋根の雨樋は意外と位置が重要となります。
片流れ屋根は同じ床面積の切妻屋根に比べて、流れ長さが2倍長くなります。
そのため、軒先部に流れる雨水量も2倍です。
軒先部に流れた雨水は雨樋で排水するのですが、しっかりオーバーフローなどすると外壁やサッシまわりからの雨漏りリスクとなります。
そこで、屋根面からの雨水の排水を適切に行うため、雨樋の位置は片流れ屋根において特に重要となります。
片流れ屋根で雨樋の位置が適切でないと、どうなるの?
片流れ屋根で雨樋の位置が適切でないと、屋根面からの雨水が外壁面に伝わったり、滝のように直接地面に流れ落ちたりします。
外壁面に伝わると外壁の隙間やサッシまわりの隙間などからの雨漏りリスクが高まります。
また、頻繁に伝わると外壁内の構造物(柱などの木部やくぎ、耐震金物など)が劣化するリスクが高まります。
直接、地面に流れ落ちると基礎への跳ね返りが発生し、床下への雨水浸入リスクとなります。
床下へ雨水浸入すると床下が高湿となり、シロアリ被害が発生することもあります。
片流れ屋根における雨樋の基本構造と設置場所
片流れ屋根における雨樋の基本構造と設置場所について紹介します。
雨樋は屋根の軒部(水下側)に設置するので、同じ屋根面積において片流れ屋根の雨樋の長さは切妻屋根の1/2、寄棟屋根の1/4と短いです。
そのため、イメージ的には片流れ屋根の雨樋の排水能力は切妻屋根の雨樋よりも高くなります。
実際には、雨樋の受け持つ屋根面積によって、雨樋の大きさ・種類を決めることになります。
建物の大きさにもよりますが、軒樋から地面へ流す縦樋は軒樋の端部に1箇所ずつ設置する必要があります。
片流れ屋根に付ける雨樋の位置や大きさでよくあるトラブル①:雨漏りリスクが高まる
片流れ屋根に付ける雨樋の位置や大きさでよくあるトラブル➀として、雨漏りリスクが高まることがあります。
雨樋は水平に設置するのではなく、雨樋のどの位置からでも縦樋へスムーズに流れるように水勾配を持たせて斜めに設置します。
雨樋の取付位置を屋根の先端から下げ過ぎると強風雨の吹き込みで雨水が雨樋へ入らず、壁面を流れ落ちることがあります。
片流れ屋根の軒先への雨水量は多いので、雨漏りリスクが高まります。
片流れ屋根に付ける雨樋の位置や大きさでよくあるトラブル②:外壁が傷みやすい
片流れ屋根に付ける雨樋の位置や大きさでよくあるトラブル②として、外壁が傷みやすいことがあります。
外壁へ流れ落ちる雨水量が増えると外壁内が傷みやすくなります。
室内への雨漏りが発生しなくても、外壁の通気層内へは雨水浸入しやすくなります。
通気層内の木部やくぎ、金物等が劣化・腐食するリスクは高まります。
片流れ屋根に付ける雨樋の位置や大きさでよくあるトラブル③:排水能力の不足
片流れ屋根に付ける雨樋の位置や大きさでよくあるトラブル③として、排水能力の不足があります。
片流れ屋根は切妻屋根の雨樋と比較して2倍以上の排水量となります。
通常、100mm/hの降雨量に対応できるような雨樋となっているので、排水能力不足はないと思われますが、年々想定外の豪雨が増加していますので、排水能力には余裕があるように選びましょう。
また、縦樋を2箇所以上設置することも雨樋から雨水がオーバーフローすることを防ぐことができます。
雨樋の種類やサイズについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
片流れ屋根に付ける雨樋の位置や大きさでよくあるトラブル④:詰まり
片流れ屋根に付ける雨樋の位置や大きさでよくあるトラブル④として、雨樋の詰まりがあります。
雨樋では、軒樋と縦樋のつなぎ部分である落とし口で落ち葉や土ぼこり、ゴミ等が詰まることが多いです。
この部分が詰まると雨樋から排水することができず、雨水がオーバーフローします。
オーバーフローした雨水は外壁へ流れ落ちるので、様々な不具合を発生させるリスクとなります。
雨樋の詰まりを放置するとどうなる?3つの被害例
雨樋の詰まりを放置するとどうなるのかについて3つの被害例を紹介します。
- 敷地がプールのような状態になります
- 「シロアリ被害」を招く可能性があります
- 「壁からの雨漏り」につながることも
敷地がプールのような状態に!
雨樋が詰まると、屋根からの雨水が雨水桝に入らずに敷地に流れ込み、プールのような状態になるケースがあります。
実際に雨樋が詰まりプール状態となった所を撮影した動画を紹介します。
失敗しないマイホーム造り!雨どい・樋詰まりからのオーバーフロー!
敷地に水が溜まるとエアコンの室外機やガス給湯器の配管から基礎内へ浸水するリスクとなります。
「シロアリ被害」を招く可能性がある
家屋の基礎内に雨水が流れ込むと「基礎内の高湿化」がすすみ、シロアリや腐朽菌による生物劣化が発生するリスクが高まります。
シロアリの特徴としては、含水した木材を好んで食すことと移動は地中を通ることがあります。
基礎内の高湿化で土台や柱の木材が含水することで、シロアリにとって生息する環境が整いますので、シロアリ被害リスクが高まります。
シロアリ被害について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りによりルートができる!小屋裏でもシロアリを発見しました!
「壁からの雨漏り」につながることも
雨樋からオーバーフローした雨水が壁に大量にかかると、壁から雨漏りするといった事態にも発展します。
壁からの雨漏りを防ぐためにも、雨樋の詰まりは掃除が必要です。
外壁からの雨漏りに関して詳しくはこちらの記事で解説しています。
なかなか直らない外壁からの雨漏り修理 併せて、外壁塗装でリフレッシュ【愛知県半田市】
片流れ屋根の雨樋位置を決めるために業者と相談すべきポイント
片流れ屋根の雨樋位置を決めるために業者と相談すべきポイントを紹介します。
- 屋根の勾配に合わせる
- 屋根から流れてくる雨を受け止められる位置
- 雨を確実に排水できる位置
- 雨樋を設置する下地の状態も考慮する
- 雨樋の掃除方法や落ち葉よけ対策を検討する
神清の雨樋工事について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【まとめ】片流れ屋根の雨樋の位置は、雨を確実に排水できる位置がベスト!
片流れ屋根の雨樋の位置を屋根の先端から下げ過ぎると強風雨の吹き込みで雨水が雨樋へ入らず、壁面を流れ落ちることがあります。
片流れ屋根の雨樋の位置は、排水や雨漏り対策において非常に重要です。
建物の大きさにもよりますが、軒樋から地面へ流す縦樋の位置は軒樋の端部に1箇所ずつ設置する必要があります。
片流れ屋根の雨樋の位置を決めるには屋根材の種類、屋根の勾配や周囲の状況を考慮して、雨樋に詳しい専門の業者に相談しましょう。
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