化粧スレート屋根の高耐久塗装・グラッサ塗装はホントに持つの?
こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。
住宅調査の屋根調査で、築6年という築浅物件を調査しました。
築10年以内の物件はなかなか機会がないため、大変貴重な現場となりました。
特に、化粧スレート屋根のグラッサ塗装(高耐久)だったので、6年もののグラッサ塗装の実態をご紹介いたします!
色10年保証?
最近の建材メーカーのカタログを見ますとセメント系の塗装商品にも色10年保証と記載されています。
塗料の性能が上がったとのことで、30年促進試験を行っても瓦と同じで褪色しませんとカタログにも記載されています。
ホントなのでしょうか?
最近、テレビコマーシャルを行っている軽量屋根材も同じグラッサ塗装のセメント系の屋根材です。
試験で大丈夫だからとついつい信用してしまいますよね!
築6年なので保証内?
築6年の化粧スレート屋根調査を行いました。
いつものようにスレートのクラック・割れが多いな~
と思いながら調査していました。
色は茶系の化粧スレートでした。
屋根材のカット面が通常よく見る化粧スレートとは異なっているので、高級品なのかな?と推測しました。
後で調べてみるとセイバリーグランデグラッサという高級品で、色10年保証のグラッサシリーズであることがわかりました。
以前、大手ハウスメーカーさんの研究所で、グラッサ塗装は紫外線劣化に強く、促進試験をしても褪色しないので採用していると試験品を見せてもらったことがあります。
その試験品は確かに褪色していませんでした。
現場では、スレートの踏み割れの有無や板金の釘浮きなど、築浅の物件であったので、屋根材の褪色よりも他の劣化事象を中心に調査していました!
しかし、棟部を調べていますと何か違和感を感じました!
この写真を見るとわかりやすいのですが、右が西面、左が東面です。
左の面は屋根に登るときに見ていた茶色のスレートで、こちらが正規だと思います!
しかし、右は黒色のスレートが葺いてあるのかな?と思いました。
よく見てみますと黒色の中に所々、茶色が混じっている感じでした。
光の加減なのかな?と念のため反対側からも見てみました。
反対から見てもはっきりとまだらになっていました。
築6年の物件での、スレート屋根の色の褪色。
色10年保証ですが、このまだらになっている屋根材の色は保証対象なのでしょうか?
ここまで、築6年で変色しているとは想像もできませんでした!
西面のみの現象!
2種類の色の屋根材を間違えて葺いてしまったのかな?とも考えました。
しかし、どう考えても違うようです!
先程の写真と異なる屋根面です。
左向き矢印が東面、上向き矢印が南面、右側矢印が西面です。
あきらかに、西面だけが変色しています。
施工するときに場所が離れた西面2カ所だけに違う色の屋根材が混じるとは、考えにくいのです!
西面が日射・その他の外部要因により酷く変色したと考えるのが自然です。
屋根では塗装製品は劣化・褪色する!
やはり塗装製品は劣化・褪色するとこの物件であらためて、強く感じました!!
振り返ってみると、屋根においては、かわらU・パミール・ブルックなど数多くの塗装セメント系製品が販売されては、問題を起こしてきました!
車のようにリコールがないため、結局、お施主様が高いメンテナンス費を負担するという不幸なことが発生してきました!
屋根は他の部位に比べ、とても厳しいので最低15年以上は新商品が販売されて実績を残した商品を購入した方がいいと思います。
テレビコマーシャルしている軽量屋根材は量産して、まだ、10年未満と思いますので、念のため、強調しておきます!
おまけ:恒例のスレートの割れです!
おまけでひび割れ写真を最後に!
高級品の化粧スレートでも割れは同じですね!
神清からのお願い
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