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長寿命住宅には通気下地屋根構法をお勧めします!
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
長寿命住宅に対応する屋根として、昔から瓦屋根の流し桟工法(通気構法)があります。
最近の研究において、その流し桟工法を学問的に取り決めた長寿命な屋根構法として、通気下地屋根構法が国総研(国土交通省国土技術政策総合研究所)によって発表されました。
通気下地屋根構法の瓦仕様とは?
その通気下地屋根構法の瓦屋根仕様について、現場写真をもとに説明いたします。
イニシャルコストよりも、ランニングコスト低減を重視して、防水性と耐久性の向上を目的とした工法(通気構法)です。
上の図は、通気下地屋根構法の断面図です。
野地板の上に流し桟木(高さ9mm以上)があり、その上に瓦桟木、瓦となります。
流し桟木が入ることにより、瓦桟木と野地板の間に空間ができます。
瓦を留める釘・ビスの長さは瓦桟木を貫通するまでの長さになっています。
つまり、屋根材(瓦)を留める釘・ビスでは、下葺材(ルーフィング)に孔を開けない構法となっています。
1つの屋根で、なんと数千個のルーフィングへの貫通孔を削減できます。
通気下地屋根構法のメリット
①下葺材(ルーフィング)に孔を開けないため、長期に渡って雨漏りのリスクが大幅に軽減します。孔が開いていないので、下葺材の劣化が気になりません。
②瓦桟木と下葺材の空間により、強風雨時に瓦から入った雨水をすみやかに、軒先から排水できます。
③軒先から棟まで連通して空間ができるので、通気・換気も促進させ、瓦桟木の腐朽劣化を防ぎます。
④結果、雨漏り・腐朽のリスクが軽減し、屋根のメンテナンス費を削減できます。
イニシャルコストは若干、上がりますが、維持管理を含めたトータルではローコストとなり、もっとも経済的です。
通常構法の スレート屋根と比較してみる
ここで、今までの化粧スレート屋根と比較してみます。
上の図は化粧スレート屋根の断面図です。
屋根材〜野地板までの間に空気層がありません。
排水しにくい
雨水浸入しやすさについて、瓦とは別で、重なりで浸入を防ぐ構造となっているため、一概には比較できませんが、確実に言えることは、入った雨水は排水しにくい構造です。
結露しやすい
また、昼間の日射、夜間の放射冷却の影響を直接受ける構造になっています。
このように日射、放射冷却の影響を受けると雨漏り以外に結露の心配も出てきます。
このスレート屋根の場合、断面図に示したように屋根面の3か所で結露発生リスクがあります。
以下にその結露事例をご紹介いたします。
小屋裏に突き出た釘周りの結露事例
スレート屋根材が放射冷却により温度低下し、その影響で釘も温度低下します。
小屋裏空間との温度差で結露が発生します。
小屋裏・野地合板を高湿化する要因となります。
野地合板を留め付ける釘周りの結露事例
スレート屋根材が日射を受け、急激に温度上昇します。
一方、垂木に留め付けられている釘は温度上昇が遅れ、その釘頭部分は低温となり、結露が発生します。
野地合板を高湿化させる要因となります。
化粧スレートを留め付ける釘周りの結露事例
スレート屋根材が日射を受け、急激に温度上昇します。
一方、スレート屋根材を留め付けている釘は小屋裏温度の影響を受け温度上昇が遅れ、釘頭部分で温度差ができ、結露が発生します。
釘を腐食させ、耐風性能が低下し飛散の恐れがあります。
以上、3つの結露リスクのある化粧スレートと比べて、瓦屋根の通気下地屋根構法は長寿命屋根となっています。
まとめ:瓦屋根の通気下地屋根構法は長期に渡って雨漏りリスクが少ないと言えます!
通気下地屋根構法はルーフィングの貫通孔が大幅に削減できます。
孔が開いていないので、下葺材の劣化が気にならなくなります。
メンテナンス期間を大幅に長くすることができます。
メンテナンス費が大幅に低減することにより、ランニングコストだけでなく、イニシャルコストを含めたトータルでもローコストとなり、経済的と言えます。
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