スレート屋根 再塗装のメリットデメリット ホントにお得なの? 

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スレート屋根の再塗装 ホントにお得なの?

みなさま。こんにちは。

屋根から人の笑顔を作りたい!!!

神清(カミセイ)のDr.神谷です。

塗装品の屋根(スレート屋根)のリフォームについて考えてみました。

築10~20年のスレート屋根はメンテナンスを行う時期だと言われています。

下写真のように、劣化してしまうからです。

表面塗料が紫外線劣化し、スレート屋根はコケ・カビ等が付着、変色した状態です。

塗料による撥水性もなくなり、スレート本体が吸水(水を吸い込むこと)しやすい状態となっています。

ちなみに、新築時の屋根はこんな感じです。

まだ、ローンが半分以上残っている間に、悲しくなるほど、劣化してしまうのです!

さらに、この年代のスレート屋根はアスベスト(石綿)が混入されて、メンテナンスの仕方によっては、健康被害リスクもあります。

そのため、メンテナンスの方法については慎重に検討が必要だと言えます。

スレート屋根のメンテナンス

スレート屋根のメンテナンス方法としては、

①「再塗装」

②「カバー工法による屋根リフォーム」

③「現在の屋根材を剥がし野地合板を増し張りして、新しい屋根材に葺き替え」

の3つの方法があります。

 

スレート屋根の再塗装

ここでは、①「再塗装」について詳しくご説明いたします。

再塗装するメリット

スレート屋根を再塗装するメリットは、なんと言っても安価なことです!

他のメンテナンスに比べて、費用は半分程度なので、この安さは魅力的です。

 

しかし、再塗装には、いくつかのデメリットがあります。

再塗装するデメリット

ⅰ)再塗装は、アスベスト飛散のリスクがあります。

再塗装は、屋根材の表面の付着物(コケ・カビ等)を高圧洗浄、ケレンなどで取り除く下地処理が必須とされています。

しかし、この行為はアスベストが周辺へ飛散する可能性があります。

そのため、石綿障害防止規則を守り、しっかりと封じ込め・囲い込みなどの飛散防止対策が必要となります。

 

ⅱ)再塗装は、雨水浸入のリスクがあります。

a)縁切り不足による雨漏り

上の写真は再塗装された屋根の葺き替えを行った現場です。

もともと、赤色のスレートを黒く塗装したようです。

赤色の部分に、雨水が浸入した形跡(黒っぽい水痕)があります。

スレートの留め付け釘の位置まで雨水が浸入していることがわかります。

これは、再塗装のときに、スレートの重なり部分が塗料で密着してしまうことにより起きる現象です。(縁切り不足とよばれています)

縁切りがされていないとスレートの重なり部分に入った雨水は出口がなくなるため、排出されず室内側へ入り込み、雨漏りとなります。

そのため、再塗装後によく雨漏りが発生したと聞くことがあります。

 

b)差込み型補助部材による雨漏り

再塗装での縁切り不足を防止するため、差込み型の補助部材を入れる工法があります。

補助部材を入れることで、重なり部に隙間ができ、塗装後のスレート重なり部の密着を防ぎます。

しかし、その後は重なり部に隙間がずっと空いているため、風雨時に雨水を内部へ浸入させてしまいます。

化粧スレートは釘位置と雨水が溜まる位置が同じなため、雨漏りのリスクが高まります。

これら縁切りによる不具合を注意する文章がスレート屋根材メーカーの施工マニュアルに記載されています。

 

ⅲ)再塗装は塗料の保証がありません。

屋根の再塗装はいろいろと技術的に問題があり、クレームが多いそうです。

a)下地処理が困難

アスベスト飛散の問題もあり、下地処理がしっかり行われていないことが多いそうです。

下地が汚れていますとプライマーの密着が悪く、塗装後、短期間でトップコートの剥がれが発生します。

b)屋根の環境がきびしい

外壁に比べて、屋根は風雨、紫外線、日射、放射冷却、日温度差、酸性雨、雪、土埃、台風、温湿度、屋根勾配など塗料に与えるダメージも大きいため、再塗装後の劣化が早い場合もあります。

以上の問題により、屋根におけるクレームが多く、塗料メーカーは屋根の再塗装では塗料の保証はしていないそうです。

ⅳ)再塗装施工中の踏み割れ

スレート屋根の再塗装した物件では、スレート屋根の踏み割れが目立ちます。

もともと、新築時においても踏み割れは発生しているのですが、再塗装することで、さらに増加します。

再塗装後は、クレームを受け付けてもらえないので、再塗装前に踏み割れのチェックをすることが重要となります。

まとめ:スレート屋根の再塗装は雨漏りの原因となることがあります。

 

スレート屋根は再塗装のメリットデメリットを十分検討して、メンテナンス方法を検討してください。

メンテナンス費は安価となりますが、雨漏りが発生しやすいデメリットもあります。

総合的にメンテナンス方法を検討されることをお奨めいたします。

仮に、再塗装を選択される場合は、正しい塗装方法で行ってください。

再塗装は、また10年後もメンテナンスが必要ですので、トータルでは安価ではないですよ!

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