みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
大阪の台風被害調査で、比較的新しい住宅の屋根で被害が目に付いたのが、アスファルトシングル葺きの屋根です。
簡単にご紹介します。
目次
アスファルトシングル葺きとは?
アスファルト製の屋根材です。
シングルとは日本では杮板(こけらいた)の意味になります。
フェルト紙の両面に良質のアスファルトを塗布し、表面に色砂を圧着したもの。
約10㎏/㎡と軽量で、柔軟性があるため、スレート屋根材のように踏み割れがなく、曲面にも簡単に施工でき、最近増加傾向の屋根材です。
台風の強風による飛散
大阪調査で、新築に近い住宅で被害が発生していました。
屋根の南面全体で、アスファルトシングルがめくれていました。
アスファルトシングルの留め付け方法とは?
アスファルトシングルはくぎ留めとシングルセメント(接着剤)の併用で留め付けます。
シングル葺きは重なりが大きく、ほとんど2枚重ねとなっています。(⇒部分)
赤丸の位置で、シングル材1枚に対して4本でくぎ留めしています。
青丸の位置で、シングル材1枚に対して4カ所をシングルセメントで接着することになっています。
飛散した屋根はどうなっていたか?
飛散した原因をさぐるため、屋根を詳しく観察しました。
赤丸はくぎです。
1枚につき、4本留め付けてあります。マニュアル通りの留め付け本数であり、手抜き施工ではありません。
⇒部分は2枚重ねのシングル材が2枚とも飛散して、その下のルーフィングが見えています。
上部の赤丸はくぎとその部分のシングル材は残っていますが、それ以外の部分は強風で引きちぎられています。
シングルセメントの施工状態は確認できませんでした。
2枚重ねとも飛散していることから、シングルセメントの施工に関係なく、シングル材の強度が不足していて、強風で引きちぎられたと思われます。
他の物件ではどうか?
他の物件でもどうように、ルーフィングが見えるほどのいちじるしい飛散が見られました。
経年したアスファルトシングル葺きでは?
築年数が経過したアスファルトシングル葺き屋根も飛散していました。
南面
こちらは2枚重ねの1枚分が多く飛散していました。
築10年を過ぎるとアスファルトシングル葺きは表面部分に亀裂が入ってきます。
飛散した状況を見ますとこの亀裂部分から破断して飛散しているようです。
北面
北面を見ると南面と別の症状が起きていました。
北面は全体が黒ずんでいました。
また、シングルの亀裂よりは、端部がもこもこと膨らんでいました。
台風被害調査で見えたアスファルトシングル葺きの弱点
今回の調査で、アスファルトシングル葺きの弱点に気付きました。
スレート屋根に比べて柔軟性があることは、踏み割れがないというアスファルトシングルの利点です。
しかし、同時に強風で本体が引きちぎられるという弱点でもあるようです。
強風地域での採用は要注意と思います。
まとめ:アスファルトシングル葺きの被害が目に付きました!
大阪の台風被害調査では、比較的新しいアスファルトシングル葺きの屋根の被害が目に付きました。
アスファルトシングルは柔軟性があり、踏み割れがない反面、本体の強度不足という弱点がわかりました。
強風地域での採用は施工監理を含めて、注意が必要だと思います。
屋根でお悩みの方は、お気軽にお問合せください。
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