片流れ屋根の軒先は雨漏りしやすい?原因と対応策

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆!

本記事はこんな人にお勧めします。

片流れ屋根の軒先で発生する雨漏りの原因を知りたい

・片流れ屋根の軒先で発生する雨漏りの修理方法や再発防止策について知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「片流れ屋根の軒先で発生する雨漏りの原因や対応策を知りたい」「片流れ屋根は雨漏りしやすいのか知りたい」という方に向けて書かれています。

片流れ屋根は、雨漏りしやすいと聞いたことがある方もいるかもしれません。

実は、片流れ屋根特有の構造や設計によって、雨漏りのリスクが高まる場合があります。

本記事では、片流れ屋根の軒先で雨漏りが起こる原因を解説するとともに、その対応策や防止策をご紹介します。雨漏りを未然に防ぐためのメンテナンスのポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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片流れ屋根は、本当に雨漏りしやすいの?

片流れ屋根は、本当に雨漏りしやすいです!

以下は、瑕疵担保責任保険会社による新築~10年間の雨漏り事故の原因調査結果から引用したものです。

  • 新築雨漏り事故の75%以上が片流れ屋根で発生している
  • 雨漏りしている新築~10年の建物で、4棟中3棟は片流れ屋根である
  • 特に金属屋根材の棟部で事故が多い

 

また、雨漏りした片流れ屋根の雨水浸入箇所の割合は以下の通りです。

  • 棟部(頂上部):50%
  • けらば部(サイド):27%
  • 軒先(水下側):23%

 

上記の記載から雨漏り事故全体における片流れ屋根の割合を計算してみました。

  • 棟部(頂上部):約40%
  • けらば部(サイド):約20%
  • 軒先(水下側):約17%

 

新築の雨漏り事故の3/4が片流れ屋根の建物ということから片流れ屋根は圧倒的に雨漏りリスクが高いと言えます。

 

片流れ屋根の軒先とは?基本的な構造と役割を解説

片流れ屋根の軒先がどこか紹介して、基本的な構造と役割を解説します。

軒先とはどこのこと?

軒(のき)とは屋根のなかで、下の外壁から外側に突き出ている部分のことです。

一方で、軒先(のきさき)とは、屋根の先端部分のことです。

 

軒先の役割は?

軒先の役割には、以下の3点があります。

  • 屋根面を流れる雨水が屋根・建物の中へ浸入しないようにする
  • 強風で屋根材が飛散しないようにする
  • 屋根の先端として、建物のスタイルやデザインにアクセントを与える

 

屋根の先端部分なので、屋根面を流れる雨水がもっとも多く集まることです。

その雨水が屋根下地へ浸入したり、建物の中へ浸入したりすることを防ぐ工夫がされています。

 

片流れ屋根の軒先で雨漏りが発生しやすい理由その1:一方向にしか軒がない

片流れ屋根の軒先で雨漏りが発生しやすい理由としては一方向にしか軒がないことがあります。

同じ敷地面積であれば、切妻屋根であれば二方向、寄棟屋根であれば四方向に軒があるため、それに比べて、一方向である片流れ屋根の軒先は雨水が集中して流れます。

流れる雨量が2倍、4倍となれば、その分、雨漏りするリスクが高まります。

また、片流れ屋根はデザイン上で屋根面の傾斜が緩い屋根となる場合も多く、屋根の傾斜が緩いと軒先での雨水の滞留量も増えます。

軒先では強風による吹き込が発生する構造であり、雨量が増えることと相まって、雨漏りリスクを向上させています。

 

片流れ屋根の軒先で雨漏りが発生しやすい理由その2:軒が短い・もしくはない

片流れ屋根の軒先で雨漏りが発生しやすい理由として、軒が短い・もしくはない建物が多いことがあります。

片流れ屋根の建物は総二階でキュービック状(箱型)のデザインと相性がよく、緩勾配屋根が採用れています。

さらに、箱型のデザインとして、軒が短い・もしくはない(軒ゼロ)と相性がよく、結果的に、片流れ・緩勾配・軒ゼロのデザインの建物が多くなっています。

軒が短い・もしくはない(軒ゼロ)軒先では、壁に吹き付けた強風が吹き上がりやすく、屋根と壁の取合部へ強風雨が吹き込みやすくなります。

軒ゼロの場合、屋根の軒先から屋根下地へ浸入した雨水はそのまま壁内へ浸入するか室内へ浸入する可能性が高いです。

軒が短い・もくはない(軒ゼロ)では、外壁へ直接日射が当たりやすく、屋根と壁の取合部のシーリング・外壁目地のシーリング・窓まわりのシーリングなどが劣化しすることで雨漏りリスクが高まります。

 

軒と雨漏りの関係について詳しくはこちらの記事で解説しています。

軒ゼロ住宅のデメリット。雨漏りリスクとメンテナンスコスト増加!

 

片流れ屋根の軒先で雨漏りが発生しやすい理由その3:雨水が軒天部分を伝って建物内に侵入する

片流れ屋根の軒先で雨漏りが発生しやすい理由として、雨水が軒天部を伝わって建物内に浸入するリスクがあります。

屋根の軒先で屋根下地へ浸入した場合、屋根の構造部である垂木(たるき)や野地板(のじいた)、軒天部材を伝わって、壁内や建物内へ浸入することもあります。

屋根の傾斜的には建物側は水上側となるので浸入しずらいと思いがちですが、軒先は強風雨が入り込みやすいので、伝い水に対する注意が必要です。

 

片流れ屋根の軒先で雨漏りが発生しやすい理由その4:軒天換気口から雨水が侵入する

片流れ屋根の軒先で雨漏りが発生しやすい理由として、軒天換気口から雨水が浸入するリスクがあります。

片流れ屋根は一方向に傾斜しているため、雨が風で押し込まれやすい環境になります。

強風を伴う雨天時には、軒天換気口から雨水が浸入するリスクが高まり雨漏りとなる可能性があります。

 

軒天と雨漏りの関係について詳しくはこちらの記事で解説しています。

雨漏りの原因は軒天にある?注意しておきたい劣化症状を紹介

 

 

片流れ屋根の軒先で雨漏りを防ぐ方法その1:屋根の周辺部に透湿性のあるルーフィングを被せる

片流れ屋根の軒先で雨漏りを防ぐ方法その1として、屋根の周辺部に透湿性あるルーフィングを屋根から壁へ被せることがあります。

片流れ屋根では屋根の周辺部(軒先・棟・けらば)で、屋根と壁の取合部から雨水浸入が発生しやすい状況です。

屋根と壁の取合部は防水ラインがつながっていない場合がほとんどで、建物の弱点となっております。

柔軟性のある透湿ルーフィングを屋根から外壁へ張り渡せることで、弱点を無くすことができます。

周辺部の中でも特に棟部は雨水が建物側へ浸入しやすい傾きとなっているので、屋根と壁の防水ラインを連続させることができ、雨漏りに対してはかなり有効です。

 

片流れ屋根の軒先で雨漏りを防ぐ方法その2:隙間をふさぐ

片流れ屋根の軒先で雨漏りを防ぐ方法その2として、屋根の軒先の隙間をふさぐことがあります。

下の対策で、片流れ屋根の軒先で雨漏りを防げぐことができます。

  • 雨仕舞いの水切り板金を付けたり、破風板を立ち上げたりして隙間をふさぐ
  • 屋根と外壁の接合部分をコーキングなどでふさぎ、雨水が侵入しにくくする

 

水切り板金の取り付けや破風板の立ち上げについて詳しくはこちらの記事で紹介しています。

片流れ屋根 金属屋根はなぜ?雨漏りが多いのか? 解決策はこれだ!!

 

片流れ屋根の軒先で雨漏りを防ぐ方法その3:定期的な点検やメンテナンスをおこなう

片流れ屋根の軒先で雨漏りを防ぐ方法その3として、定期的な点検やメンテナンスを行うことについて紹介します。

定期的な点検やメンテナンスを行うと、以下の理由から雨漏りのリスクを軽減できます。

  • 早期発見で大きな被害を防ぐ:劣化や破損を早期に修理し、雨漏りの進行を防止できます。
  • 防水性の維持:定期的なコーキング補修や再塗装で屋根材の寿命を延ばせます。
  • 風雨対策の強化:防水処理やルーバー型換気口の設置で雨水侵入を最小限に抑えられます。

 

片流れ屋根の軒ゼロでは、屋根と壁の取合部や外壁目地、窓まわりのシーリングの紫外線劣化が進行しやすい状況です。

劣化すると雨漏りに直結しやすいので、定期な点検とメンテナンスは有効です。

雨漏りを未然に防ぐこと・雨漏りを悪化させないことは修理費用をもっとも安価で済ますことができますので、オススメです。

 

【まとめ】片流れ屋根の軒先の雨漏り対策なら神清にお任せください!

片流れ屋根の軒先の雨漏りしやすい構造・原因を紹介しました。

住宅・屋根のデザインとしては、かなり雨漏りリスクが高い条件となっていますので、今までの施工方法とは異なる対策が必要です。

片流れ屋根の軒先は雨漏りの発生リスクが高い箇所ですが、原因を正しく理解し、適切な対策を講じれば防ぐことが可能です。

片流れ屋根の雨漏りでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください!

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