みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
冬に増えるお問合せとしては、屋根の換気・通気に関するものです。
とくに、お客様がwebで調べて、工務店さんに質問しても、納得できる回答がなく不安・・というものです。
今日いただいたのは、屋根断熱の通気層の厚みに関してでした。
私は、屋根断熱の通気層の厚みよりも通気層の入口・出口が重要だと考えています。
簡単に事例をもとにご紹介します!
屋根断熱での野地板劣化事例
築15年スレート・屋根断熱の屋根でした
築15年のスレート屋根の葺き替え現場です。
スレート屋根をはがして、緑色の防水シート(アスファルトルーフィング)を一部めくったところ、野地板が濡れていました。
右側に天窓があることからもわかるように、室内は傾斜天井で屋根断熱仕様。
屋根全体がやられているのか?とヒヤリとしました。
詳しく見てみると一部分の野地板劣化でした。
赤色点線の左側は野地板劣化していました。
しかし、点線の右側は濡れてもなく健全な状態でした。
左側はスレートのケラバ部(屋根の端)となるため、雨漏りの可能性も考えました。
しかし、しばらく雨も降っていないので、他の原因を探しました。
棟部(屋根の頂点)にヒントがありました!
この写真の赤丸を囲った部分です。
赤点線の一番上端を注目してください。
右側は木が見えますが、左側は防水シートが覆っています。
上側から見るとこんな感じ。
右側は防水シートがカットしてあり、野地板が見えます。ところどころ、孔も開いています。
左側は防水シートが覆っていて、孔もありません。
この孔は屋根断熱の通気層から排気するための排気孔です。
野地劣化の有無は屋根断熱・通気層の排気孔の有無によるもの。
この現場での野地劣化の有無は屋根断熱・通気層の排気孔の有無によるものと考えられます。
見事に劣化している位置と排気孔の位置が一致しています。
通気層が排気孔につながっていなければ、その部分は通気層とは言えないのです。
屋根断熱では必ず通気措置が必要とよく記載されています。
屋根断熱の断熱材とその上の野地板の間に空間を設けて通気層とするのですが、空間を設けるだけではなく、その空間は外気へと入口・出口がつながって、初めて通気層となるのです。
さらに、この事例のように、屋根の一部分だけに入口・出口があってもだめです。
屋根全面でつながっている必要があるのです。
屋根断熱の通気層の注意点について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ:屋根断熱は通気層の入口出口を造ってもらうことが重要です!
屋根断熱の厚みよりも通気層の入口出口が重要です。
出口となる排気孔がない部分だけ、野地劣化した事例を紹介しました。
屋根断熱は点検口がありません。
天井断熱のように点検して、劣化の有無を確認することができません。
屋根断熱の不具合はひどい劣化となって、はじめて発覚します。
新築前にしっかりと対策してもらうことが重要です!
契約する前に納得するまで工務店さんに教えてもらうことが安心への近道だと思います。
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
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