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パラペットのメリットデメリット キューブ型住宅は雨漏り・結露対策を!
パラペットとは?
パラペットとは、建物の屋上(陸屋根)やバルコニーの外周部の先端に設けられた低い立上り部分の壁です。
上の写真は最近流行りのキューブ型住宅(陸屋根)の外観です。
陸屋根(ろくやね)とは、傾斜の無い平面状の屋根のことです。
陸屋根の表面には、防水層が施されていて、雨漏りを防いでいます。
パラペットとは、上写真の⇒部分が指している立ち上がり部のことで、陸屋根の防水において、重要な役割を担っています。
パラペットの役割
陸屋根に降った雨は排水ドレン(赤丸)から樋へ流れる仕組みです。
陸屋根にパラペットがないと陸屋根に降った雨は、そのまま屋根から壁に伝わります。
壁の雨掛かり量が屋根分増えてしまい、その分、雨漏りしやすくなります。
パラペットの役割は、壁からの雨漏りを防ぐというものです。
キューブ型住宅は4方パラペット、片流れ屋根住宅は3方パラペット。
キューブ型住宅は4方パラペット。
キューブ型住宅(陸屋根)は4方向にパラペットが立ち上がっています。
片流れ屋根住宅は3方パラペット。
片流れ屋根住宅は3方向にパラペットが付く場合があります。
棟にパラペットが付いている場合と、
軒先にパラペットが付いている場合があります。
軒先側では、パラペットと屋根の間に、内といが必ず必要となります。
パラペットのメリット
パラペットのメリットは4つ。
①住宅が水平のデザインとなります。
最近、よく見かけるキューブ型(箱型)住宅の屋根を実現できます。
シャープですっきりとした意匠性の高さが魅力の1つです。
②壁の雨掛かりを減らすことができます。
屋根に降った雨は、排水ドレン・雨といから流すことができます。
壁への雨掛かりを減らすことができます。
③壁と屋根の接合部における防水性を高めます。
必ず、壁の防水層と屋根の防水層の接点ができます。
パラペットで立ち上げることで、一般的には笠木を使用して、接点の防水性を高めることができます。
④陸屋根からの脱落防止効果があります。
屋根の端部が立ち上がっているため、落下防止になります。
屋根の定期点検や掃除は簡単にできます。
パラペットのデメリット
パラペットのデメリットもいくつかあります。
お困りのことを順番に上げていきます。
①外壁の通気をとりにくいことです!
現在、住宅の外壁(サイディング、モルタルなど)は通気構法がほとんどです。
外壁と屋根の境界は、パラペットになっています。
パラペットの頂点には、笠木(かさぎ)が覆っていて、雨漏りを防いでいます。
しかし、雨漏りを優先して、外壁との間をふさいでしまうと通気ができなくなっていまうのです。
通気ができなくなると壁内での結露リスクが高まります。
結露により、カビや木材の腐朽が発生することもあります。
とくに、木造住宅でのパラペットは、外壁通気、陸屋根の小屋裏換気の排気口の役割も必要となりますので、必ず対策をしてください。
パラペット専用の換気部材なども開発されていますので、ご検討ください!
②パラペットの天端から雨漏りしやすいことです!
パラペット部分からの雨漏り事例も多くあります。
排水ドレンからの雨漏り
屋上に降った雨を排水するためのドレン(排水口)があります。
ドレンの詰まりやドレン周辺部の防水層の劣化などが雨漏りの原因となります。
笠木からの雨水浸入
笠木下部のパラペット天端における防水層の施工によっては、雨漏りすることがあります。
笠木がかぶっている状態では、中を確認することができません。
いくつか、笠木内の不具合をご紹介します!
◎防水シートが寸足らず!
シート防水がパラペットの幅よりも短く、
防水層が不足していると雨水が入り込むことがあります。
◎笠木の取付部のビス穴から!
笠木の取付方法によっても、雨漏りすることがあります。
笠木には、手すり付きのタイプもあります。
その付け根から雨水が浸入することもあります。
手すりの付け根から雨水が浸入することで、
その下にある金具や留め付けねじの貫通孔から、
シート防水を突破して雨漏りすることもあります。
内といからの雨漏り
片流れ屋根の軒先側にパラペットがある場合、内といが必要となります。
内といには、屋根面の雨が一か所に集まるので、雨漏りしやすいと言えます。
落ち葉などが内といに詰まると、排水ドレンまで雨が流れず、オーバーフローして雨漏りとなります。
内といは、外から確認することができないので、定期的に屋根に上って、点検する必要があります。
③軒の出がないため、外壁の劣化部から雨漏りしやすいです!
軒の出がないので、壁からの雨漏りも多いです。
雨漏り調査を行っていると、軒の出の無い住宅の比率がとても多いです。
パラペットにすると自然と、軒の出がなくなります。
雨漏り対策としては、窓などの開口部の上に庇(ひさし)をつけることは有効です。
雨漏りを防ぐために、パラペットの天端をしっかりメンテナンスしましょう!
陸屋根に使用される主な防水層をまとめてみました。
種 類 | 特 徴 | メンテナンス |
---|---|---|
塩ビシート防水 | 塩化ビニル樹脂系のシート状の材料を接着剤等で固定します。伸縮性に富むため、建物の変形に対する追従性が良い材料です。 | 耐用年数は約13年。耐候性・耐久性が高いので、防水層の一般的な保護塗装が不要です。接着部分から防水性能が弱まる可能性があります。 |
アスファルト防水 | アスファルトシートを貼り重ね、防水層を作る工事方法です。フラットではないため、歩行しないところに施工します。 | 耐用年数は約13年。再度、アスファルト防水を張り替えて補修します。 |
ウレタン防水 | 液状のウレタン樹脂を塗って、ゴム状の弾性のある防水層を作ります。障害物があるような場所に向いて、表面には継ぎ目が発生しません。 | 耐用年数は約10年。防水層を改修する際にも塗り重ねるだけでよく、広く使用されている防水材です。 |
防水層の種類によって、パラペットの天端の納め方も変わってきます。
新築当初から雨漏りする場合は、パラペットの天端の可能性もあります。
キューブ型住宅では、雨漏り・結露対策を必ずご検討ください。
ポイントまとめ
・パラペットのメリットはデザイン性
・パラペットのデメリットは雨漏りと結露
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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