【新築時に役立つ】ルーフィング種類別メリット・デメリットを屋根プロが徹底比較しました!

「ルーフィング」って、どれがいいの?

みなさま。こんにちは。

屋根から人の笑顔を作りたい!!!

神清(カミセイ)のDr.神谷です。

新築を検討するにあたって、「ルーフィング」って言葉を1回も聞かなかった方も多いのではないでしょうか?

現状、新築を検討する上で、お施主さまには「ルーフィング」の選択権がありません。

建築側の暗黙のルールとして、新築後10年間の雨漏りは保証しているので、こちらに任せなさいということだと思います。

しかし、「ルーフィング」の種類によって、耐久性、防水性、排湿性という屋根を守る上で重要な性能が大きく異なっています。

築後10年以降の保証期間が外れた雨漏りは、その補修に関してお施主さま負担となるのですから、積極的にお施主さまが検討してほしい部材なのです!

特に、屋根の補修時は足場などが必要となり、補修費用が高額となるからです!

一般の方には全く知られていないけど、住宅にとって、とても重要な部材である「ルーフィング」について、わかりやすくご紹介いたします!

 

「ルーフィング」ってなに?

住宅のどこに使用されるの?

屋根に使用される部材です。

屋根の下地となる野地板(野地合板)の上に施工され、屋根材が施工されると隠れてしまうものですが、

家には、とっても、とっても重要な防水材です。

厚み・約1㎜のシートなんですが、野地板への雨水浸入を防ぐことができます。

 

屋根と聞いて、フーンと半分興味を無くした方もいるのでは・・・?

でも、「チョット待ったー!」、皆さんにも関係ある興味深いデータをご紹介いたします!

(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター 住宅相談統計年報2017)

2016年、戸建住宅の相談で、もっとも多いのは雨漏り(屋根・壁)なんです!!

自動車が自動運転できる時代でも、屋根からの雨漏りは相変わらず多いのです。

この雨漏りを防ぐため重要な役割を果たすのが、今回の主役「ルーフィング」!!!

 

「ルーフィング」の役割は?

屋根材相互には、一般的に隙間があるので、台風などの一定以上、強風雨を受けるとその隙間から浸水することがあります。

瓦から金属屋根、スレート屋根、樹脂屋根など現在の住宅用屋根材において、「ルーフィング」なしで施工できる屋根材はありません。

つまり、屋根材と「ルーフィング」のセットで、雨漏りを防いでいるのです。

野球に例えるなら、屋根材がピッチャー、「ルーフィング」がキャッチャーです。

野球も目立たないけど、キャッチャーが重要であるように、屋根も目立たないけど「ルーフィング」が重要なのです。

 

「ルーフィング」の必要性能は?

  • 止水性(※)

屋根材から浸入した雨水に対して、釘・ねじ・針などでルーフィングに孔を開けた部分から室内へ雨漏りさせないこと。⇒防水、いのち。

  • 耐久性

屋根はあまり知られていませんが、住宅の中でもっとも高温低温を繰り返している場所。その使用環境において、有害な変質、変形を生じないこと。⇒伸び縮が少ないこと。

  • 施工性

ルーフィングの施工時に破断・破損しないこと。また、屋根材の施工時にも耐えうること。⇒破れないこと。

  • 透湿性

「透湿系」の場合、一定の透過性能を維持すること。⇒湿気を排湿できること。

  • 強度

引張強さ、つづり強さがある程度高いこと。⇒破れないこと。

などがあります。

 

(※)止水性の考え方・・・ルーフィング業界独特の考え方なので、簡単にご紹介!

ルーフィングの止水性試験で代表されるのが、釘孔シール試験(JASS12に記載)があります。

試験体であるルーフィング(下葺)の釘1本に対して、パイプを立て、30㎜水を入れて、24時間後に貫通孔を通した漏水の有無を確認するというものです。

ビックリするのが、その判定基準です。

「10個中8個以上、下地が濡れていないこと」

⇒10個中2個はルーフィングから漏水してもOK!

という基準なんです。

ルーフィングは防水材だから、「10個中10個漏水しないこと」なのかと、思うのですが、釘孔を開けて、かつ、止水するのはむずかしいことのようです。(なんか、心配になりますよね!)

 

どんな種類があるの?

大きく分けると「透湿系」と「非透湿系」の2種類。

「透湿系」は透湿ルーフィング。

「非透湿系」はアスファルトルーフィング、改質アスファルトルーフィング、合成高分子系ルーフィングが代表選手です。

(こんなこと書いているページは他にはないと思います。でも、これから必ず重要になってくるので、屋根屋だから知っているサキドリ情報としてご紹介・・・)

 

「透湿系」と「非透湿系」の違いは?

「透湿系」は、言葉の通り、シートが湿気は通す(水は通さない)という優れものです。

衣服などではありますよね~!優れものの分だけ、価格も少し高めです。

材料価格:500~円/㎡ 50,000~円/1棟(高級品)

残念ながら、屋根では建築側で、コストアップを嫌う傾向が強く、コストパフォーマンスが高くても普及せず、シェアは5%程度です。

 

「非透湿系」は、とにかく「防水、いのち」という発想です。

種類は豊富で、価格も安価なものから高価なものまで・・・

材料価格:200~円/㎡ 20,000~円/1棟 (低価格品)

400~円/㎡ 40,000~円/1棟 (高級品)

シェアは高く、95%程度となっています。

とにかく、「防水、いのち」なんです!

 

 

ルーフィング別のメリットデメリット

透湿ルーフィング(透湿系)

高耐久住宅先進国のヨーロッパでは、透湿ルーフィングの普及率が高くなっています。

 

◎メリット

①室内からの湿気を屋外へ排湿できます。

⇒結露が発生しやすい屋根断熱住宅(高断熱住宅)にはお勧めです!

②野地合板を乾燥させることができます。

⇒新築時の野地合板の水濡れや局所的な野地合板への雨漏りなどの水分も乾燥できます!

「仮に入っても乾かす」という安全側の発想!

③耐久性が高く、長持ちします。

⇒瓦屋根などでは、メンテナンス費の削減につながります!(ランニングコストは大幅削減!)

耐久性は50年間の促進試験をクリア⇒長寿命住宅に適している!

詳しくは、透湿ルーフィング協会のホームページをご覧ください!

http://www.toshitu-r.jp/

 

▼デメリット

①初期費用が高くなります。

⇒普及品であるアスファルトルーフィング940と比べて、イメージとしては、1棟あたり30,000~円程度、高くなります。

②直貼り(じかばり)工法の屋根材では、通気構法とする必要があります。

⇒直貼り工法の屋根材(スレート屋根、シングル屋根、立平葺きなど)では、屋根材から湿気を排湿する経路が必要となるので、通気構法を併用してください。

 

アスファルトルーフィング940(非透湿系)

様々な設計施工基準や仕様書において、アスファルトルーフィング940と同等以上と記載されています。(お施主さまが何も言わないとこのルーフィングになります。)

 

◎メリット

①初期費用が安価となります。

⇒もっとも安価なルーフィングです!

②止水性を重視した設計となっています。

⇒比較試験では、透湿ルーフィングより止水性が優れていると報告されています。

▼デメリット

①ルーフィングが破れやすくなっています。

 

(ルーフィングを防水紙と呼ぶこともある。紙は上図のアスファルト含浸原紙から来ている。⇒紙だから簡単に手で破れる。)

②耐久性に劣ると報告されています。(15年程度)

(アスファルトルーフィング940を剥がしたら、屋根材留め付け釘孔からの漏水痕あり:築20年以上)

③透湿抵抗が高く、湿気を排湿できません。

⇒野地合板が結露により、劣化する事例が報告されています。

 

改質アスファルトルーフィング(非透湿系)

アスファルトルーフィング940の高品質版です。

 

◎メリット

①ルーフィングが破れにくくなっています。(不織布が取り入れられている。)

②止水性を高めた設計となっています。(アスファルトに合成ゴムや合成樹脂を混入した改質アスファルトを使用している。)

③耐久性が向上しています。(940と比べて)

⇒促進試験の結果、耐久性が30年程度となっています!

止水性や耐久性を高めた、現在、多くの屋根材で推奨されている部材!

化粧スレート屋根やアスファルトシングルなどの野地合板に空気層のない屋根材には、相性がいいと言えます。

とにかく、防水、いのち!

▼デメリット

①初期費用が高くなります。

⇒普及品であるアスファルトルーフィング940と比べて、イメージとしては、1棟あたり20,000~円程度、高くなります。

②透湿抵抗が高く、湿気を排湿できません。

⇒野地合板が結露により、劣化する事例が報告されています。

 

粘着層付き改質アスファルトルーフィング(非透湿系)

改質アスファルトルーフィングの裏面に粘着層が全面についている部材で、改質アスファルトルーフィングの高品質版。

◎メリット

①防水性が高くなっています。

⇒仮止めの針(ステープル)を使用しなくて済むので、ルーフィングの貫通孔が減少し、雨漏りリスクが少なくなります。

②カバー工法など、仮止めの針(ステープル)が効かない材料の上にでも接着・施工することができます。

▼デメリット

①初期費用が高くなります。

⇒普及品であるアスファルトルーフィング940と比べて、イメージとしては、1棟あたり70,000~円程度、高くなります。

②カバー工法の場合、アスベストを含有粉じんを粘着層に取り込むため、解体時、分別することができず、要注意が必要となります。

カバー工法などで使用されているが、アスベスト問題、費用対効果などを考えるとお勧めできない部材です。

 

メリットデメリットのまとめ表

ルーフィングのメリットデメリットを表にまとめました。

透湿系にするのか?非透湿系にするのか?悩むところですね。

参考ですが、現在の通気構法の壁(サイディングなど)は透湿系のシートを使用することになっています。(非透湿系では、結露などの不具合が発生したため)

 

まとめ:ルーフィングは屋根を守る大事な役割があります!

「ルーフィング」は住宅の表面から見えないけれど、住宅の長寿命・低メンテナンス費を考えると、とても重要な部材です!

何も要望しないと安価なアスファルトルーフィング940になってしまいます。

積極的に確認して、長持ちする材料を要望しましょう!

アスファルトルーフィング940から改質アスファルトルーフィングにアップグレードしても、数万円も変わらないので、可能な方は是非、改質アスファルトルーフィングを指定された方がいいですよ~!

長期優良住宅でしたら、メンテナンス費を考えると「瓦+透湿ルーフィング」の50年屋根はもっとも安価でお得になりますので、お勧めしています!

屋根断熱仕様の住宅にも、「透湿ルーフィング」で安全にいきましょう!

何か、わからないことがあれば、お気軽にお問い合わせくださいね~!

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Dr.神谷
神清のまとめ役。
学者肌で数々の「産学官」の連携研究事業を行い、業界内でも数少ない技術派です。その知恵で若いスタッフを指導しています。

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